入院グルメ
どうも。入院生活5日目のりかよんです。今日は調子が悪かったので、投稿が夜になりました。今は、落ち着いています。
昨晩もななめ前のおばあさんは絶好調で、叫びまくっていました。おかげで寝不足。病人に寝不足は死活問題です。看護師さんから、朝の検温の時にすみませんと言われましたが、悪いのは看護師さんではなく、おばあさんのせん妄です。おばあさんだって悪くはない。部屋を変わりますかと聞かれましたが、とりあえず、ななめ前のわたしよりも耳元で叫ばれるお隣のベッドの方と、真正面のおばあさんの方が、負荷が大きいので遠慮しました。
さて、入院生活で、1日の華やぎタイムは食事とお風呂です。しかしお風呂は隔日なので、今日はナシ。
他に入院したことがないので比べることはできませんが、ここの食事はおいしいですよ。しかも、入院前に通っていた病院で「控えてください」と言われた、卵、肉類、乳製品、糖分なども、ちゃんと献立に入っています。初日など、体はグッタリでしたが、心の中はヒャッホーウと小躍りしていました。
ただ、栄養管理が行き届いている分、分量も厳密で、おかわりはできません。毎回、ああっ、もう終わりか…、と惜しみながらお椀の味噌汁をすすり、なるべく長く楽しみたいので、ごはんもおかずもよく噛んでいます。薄味ばかりではなく、ちゃんとメリハリのある味付け。嬉しい限りです。
今日はこどもの日なので、ちょっとだけスペシャル感がありました。お昼は入院以来、初めてのパン食。小さなオヤツも付いています。たまごボーロでした。思わず箸が転んでもおかしい年代の人のように、キャッキャッと心の中ではしゃぎました。外見は、病人ぽくうつむきがちに「いただきます」とか言ったのですが。
ご飯にもおかずにも、全ての皿にはフタが付いています。保温と衛生のためでしょう。それが良いのです。わたしは井之頭五郎や佐々木幸子のように、ひとつずつのフタをあけながら、「ほほう、こう来たか」とか「これは…なにかしら?」とか心の中で呟きながら、ワクワクを楽しんでいます。そして、一口食べて「おお〜」「これは…」「うんうん、こうでなくては」「あー、こんなの初めて♡」などと、脳内でずいぶんな騒ぎようです。もちろん、顔は真顔で静かに食べながら、です。
そう考えてみると、あのおばあさんは脳内の声がダダ漏れの状態なのです。そしていずれわたしも、そんな日が来るかもしれない。だとしたら、平和でアホな脳内を優先しておかねば。
今日の昼間、おばあさんは脳内カウンセラーと対話していたようで、「え?すいません、耳が悪ぅなっとりまして、も少し大きな声でお話ししてくださいませんか?なんて言われよるか、ちっとも聞こえんです!」と大声で話し始めました。「え?え?楽しかったです!そりゃもう、家族三人でね、どこに行っても楽しかった。仲良うしとりました。…そうなんですよ。どうしてあの子はあんなになってしもうたか、わたしにはさっぱりわからんとです。もうね、よか子でしたから。小中高と、毎日、休むことなく学校に行きよりました。自転車でね、パーッと、学校に通いよりましたよ!ええ、そりゃもう、近所の人たちも、いい子だと言ってくれると思います。」
と、ここまで一気に話しました。寂しく悲しい告白でした。そこで脳内カウンセラーがおばあさんの落ち着くことを何か言ってくれたらなと思いましたが、「えっ?えっ?全く聞こえないんですよ。もう少し、声を大きくお願いします!」と、訴えました。
おばあさんは、あれだけ理路整然と会話していたのに、もう次の瞬間からは断片的なことばかり、思いついた端から言い募っていました。
だからわたしは、人に食い意地の張ったババアだと思われようが、せん妄が起きた時に、かつて食べた美味いものや不味いものを出来るだけ詳しくグルメリポートしつつ、ニヤニヤしながら「ぐへへ、もう食べられないよ〜」とか言えるようになりたいと思っています。そのためには一食もムダにせず、しっかりと味わわなくては。
明日の朝ごはん、なんだろうなぁ〜。ぐへへ。
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