FUZZY
inktober2021 21日目のお題は「FUZZY」
心が毛羽立っている。なんと言うか、ザラついている感じではなくて、モサモサした邪魔なものが張り付いている。モヤモヤした、この感覚が断続的にもう何ヶ月も続いていて、わたしの気分を塞いでいた。
今日、友だちに会ってカフェで長話をした。子どものこと、オットのこと、老後のこと、仕事のこと、この頃面白かったこと、今読んでる漫画のこと、とりとめもない話をしながら、ああ、わたしは不安だったんだ、と思った。
原因など特定しようがないのだけれど、なにか小さな不安の核があって、それに次々と不安が巻きついていき、雪だるま式に大きくなっていたのだ。
友だちは、うんうん、とわたしの話を聞きながら、「不安だよねえ」「そうだよねえ」と言い、「でもね、大丈夫よ。子どもたちはもう、大丈夫。なんとか生きていけるから」と言った。
そうか、そういうことだったんだな。わたしの漠然とした不安は。もちろん確証はないけれど、彼女がそう言うんだから、そうなんだろうなと思えた。そう思えたら、きっとそうなる。そう信じよう。
「なんかとっても不安でさあ、地球温暖化とか緊張状態にある諸外国の動きとか南海トラフとか」と言ったら彼女は「うん。不安だね。心配だよね」とうなずく。「そんなことばかり不安で、日々、目の前のことを右から左に流していくだけで終わってしまう」言ったら「それでいいよ今は」と笑った。
なんだろうなあ。彼女に会うと、モヤモヤしたものが吹っ切れて「まあいいか」という気持ちになる。器の大きさが違うのだろう。ずいぶん年下だけれど、助けられてばかりだ。
モサモサした気持ちがツルッとクリアになって、わたしは足取り軽く家路についた。
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