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せいじん

成人の皆さん、おめでとうございます。今日は良い天気。成人の日に天気がいいのは運がいいと思う。晴れ着が汚れないし、傘などの所持品が増えずに済むしね。この先、一日も多く、笑顔が続く日々になりますように。

成人式といえば、晴れ着である。一昨年、友人の娘さんが成人の日を迎えた。その時の話を聞いた時、わが家には無理かも…と青くなった。

友人の話は、まず「母がわたしに譲ってくれた着物を娘にも着せたいと思ってね」から始まった。うちにはそんな着物はない。そもそも、母もわたしも着物を持っていない。「でも帯がね、やっぱり流行もあるし、娘の好みもあるから、新調したのよ」う。帯。お高いんでしょうね…?

「それがさあ」と、友人が話してくれたのは、格安の和装問屋のことだ。「人に教えてもらって、行ってみたんだけど、とにかく続々とお年頃の娘さんとその親御さんがやって来るわけ。それで、もう、デパートのセール会場みたいに、気になる品があったらあれもこれも我先にと確保。それからゆっくりと試着、みたいな感じなのよ」着物みたいにお高いものでも、バーゲン会場みたいになるんだねえ。「それが安いのよ!」えっ。ど、どのくらい安いの?「もうね、30万くらいの帯が5万とか!」あ、それはお安いですね…。手前共は庶民ゆえ…と声が小さくなる浅草氏(参照・映像研には手を出すな)みたいに、わたしも語尾が小さくなった。「半襟だって、5000円くらいなのよ!」は、半襟の相場がわからないのだが、知ったかぶりをしても仕方ないので、恐る恐る「5000円の半襟って安いの?」と聞いてみた。「いや安いものはいくらでもあるわよ。でもね、本来1万円くらいするものが割引で5000円なわけ。安いと思わない?」あ、そうですね。確かに。

「だからね、お宅のお嬢さんも高校生になったら、ボチボチ用意しておいた方がいいわよ。高校生くらいの子を連れてきてるお母さんに聞いたら、今からどんなものか見せておきたい、って言っていたから。そこなら、だいたい10万円もあれば一揃い買えそうよ」じ、10万円…?

うちのムスメもそのうち成人式に着物が欲しいとか言い出すんだろうか、とビクビクしているのだが、正体のわからないものに怯えていても仕方ない。着物レンタルの会社のHPを見てみた。30点レンタル・スタンダードセットが28万円。40点購入・スタンダードセットが58万円。

この額、レンタルで公立、購入で私立大学の学費が1年分出ます…よね?

友人はこうも言っていた。「だいたいね、こういうものは、その子のおばあさまとかが出してくれるものなのよ」えっ。「全額とはいかなくてもね、半分くらいは出してくれるものなの。なのに、わたしの母ときたら一銭も出してくれないのよ」いやいやいや、うちの祖母もわたしの時にはお祝いにお小遣いはくれたけど、着物なんて用意してくれなかったよ?

「うちの娘はかわいそうなのよ。よそのお子さんは、お年玉に100万円とかもらうわけ。生前贈与というわけじゃないけど、大学進学に使いなさい、とか言ってさ」いやいやいや、お年玉はせいぜい1万円とかじゃないですかね?

住む世界が違うって、こういうことを言うのだろうか。わたしの世界をムスメがそのまま引き継ぐわけではないだろうが、親の生活レベルが子の生活に与える影響は大きいと思う。うーむ。

と、とりあえず、ちょっとずつでも貯金するか。ウカウカとゲーム課金なんぞしている場合ではなかった。


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