夢ってやつは。
夢の中ではつねられても痛くないから、信じ難いことが起こったとき、自分のほっぺをつねってみる、という描写がドラマや漫画でよく出てくるが、わたしの場合、痛くはないけど、なんとなく感覚はある。
昨夜の夢も、おかしな展開だった。
わたしは学校のような所にいて、小学生がたくさん行き来していた。誰かがその子どもたちに観光バスに乗るように指示している。子どもたちはバスに乗った。わたしは見送らねばならぬ。
どうやら季節は冬のようで、道路の隅っこには溶け切れない雪がところどころ残っていた。澄んだ空気が冷たい。雨上がりなのか、雪が止んだからなのか、全体に湿った空気だ。
次の場面では、住宅街の細い路地で、わたしは車を運転しながら、そのバスの見送りに間に合うかどうかでやきもきしていた。誰かの家に寄って、「もうバスが出ちゃうよ。見送りに行かないの?」と声をかけている。誰も出てこないので、自分一人でバスターミナルへ行く。そこでちょっと高い位置にある蛍光灯が切れていた。わたしは脚立に登り、そこを修理しようとしていた。手を伸ばすがあとちょっとで届かない。誰か、わたしが落ちないように、支えていてほしい、と思った瞬間、女性の友人が現れた。そして、わたしの腰のあたりを抑えながら、「大丈夫ですかー」と言っている。「うん、ありがとう。これから病院だから、あまり時間がないのよね」とわたしが言うと、「あら!大変!時間が惜しいですね、先に脱いでしまいましょう」と、わたしのズボンを引き下ろした。「えっ」と思った時にはもう遅く、その勢いで下着まで脱げて、わたしのお尻は丸出しになっていた。当然、股間をさらけ出したものだから、外気が直接当たることになり、冷んやりとした風が通り抜けていった。博多弁で「スースーす」というのがあるが、まさにそうだった。しかし、恥ずかしくても手は蛍光灯から離せない。
次の場面では、わたしは病院で、白衣の医者に「はい、背中を曲げてー」と前屈の姿勢を促された。パンツはまだ履けていない。「えええ」と思いながら前屈すると、医者はわたしの背中に聴診器を当てた。お尻はまだ丸出しで、わたしは気が気じゃない。「んーー。特に変わったことはないですね」と言うが、わたしはお尻がスースーしてそれどころではないし、「下半身は脱がなくてもよかったんだよ!」と小さな怒りが芽生え始めていた。
目が覚めた。わたしは暖かい布団の中にぬくぬくと横たわっていた。ちゃんと服も着ていたし、おねしょもしていなかった。なんであんな夢を見たのか謎だ。