「マキとマミ」を読んでくれ
「マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~」という作品を読んでほしいんですよね。
オタクな人にもオタクじゃない人にも。
「マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~」はpixivコミックで2017年6月30日から連載の始まった漫画作品で、作者は町田粥さんです。
副題にある「上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話」のとおり、隠れオタク会社員の森山マミさんと、その上司の間宮マキさんを中心とした人々、「社会人オタク」にフォーカスを当てた「オタクあるある」の詰まった作品です。
公式紹介文は次の通りになっています。
給湯室で、カフェテリアで、
私たちは今日も節度保ってオタトーク。
「あなたも…衰退ジャンルに囚われ続けている古参オタなのね…」
尊敬する上司の主任(女性)に呼び出されたOLマミ。
…まさかそんな主任が、同じジャンルのオタクだったなんて――!!
(※同じジャンル:学園乙女ゲーム「どき☆ジェネ」。燃料不足により衰退中)
擬態しながら、おっかけしながら、
たとえ供給がなくても(涙)強く生きている社会人オタ女子たちの、
ひそやかに熱い日常をお届けします♪
(pixivコミック「マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話」紹介ページより引用 https://comic.pixiv.net/works/3579)
主人公の二人は「どき☆ジェネ」という学園乙女ゲームを通じて仲良くなり……というお話なんですが、この作品が今日、最終回なのです。
pixivコミックさんで12時頃更新されるそう。(この文章を書いている1時間ちょっと後)
この作品が、私は、もう、刺さりに刺さってしまっていて。
作中にでてくる「どき☆ジェネ」というゲームが、私の大好きなゲーム作品と境遇が似ている、連載開始当初の年齢がマミちゃん(25)と近かったなどなど……「刺さる」要素がとにかく多かったのです。
ただ、そういった個人的な思い入れの要素を抜きにしても「あーー!良い!!」と唸ってしまう「良!!!」なところが沢山つまった作品でして。
読んだことのない人は、読んでほしいんですよ。
なんと言っても、登場人物たちの「姿勢」がとにかく好ましい。
特に主人公の二人オタクとしての「姿勢」がとても好きです。
好感の塊。
押し付けがましくなく、慎ましさがあり、且つ、主張はしっかりとする。
人としての「芯の強さ」を感じます。
マミちゃんがマキさんの弟(また別ジャンルのオタク)から布教を受けるエピソードがあるのですが、そこでの布教を「受ける側」としてのマミちゃんの「姿勢」がとても良いのです。
「自分が相手にオススメを受けたらこう返してあげたい、答えてあげたい」
「自分がオススメをする側だったら相手がこう答えてくれると嬉しい!」
それを気持ち良く、それでいて押し付けがましさは一切なくやってくれます。
そこには「理想の関係」がありました。
オタクとしての理想の距離感。
それが「手の届かない遠くの理想」ではなく、「相手を思いやる気持ち」を大切にすれば誰しもが得られるであろう「きっと手の届く理想」なのです。
登場人物たちの追っているメインジャンルが仮にこれからバラバラになっていっても、きっとこの人たちは変わらないのだろう、そう思わせてくれる「関係の説得力」があります。
最終回で、私はもう、めちゃくちゃに、もう、もう、
「終わらないでくれ~!!!!!」
と暴れるオタクになっているわけです。
ずっと見ていたい。
「優しい大人の友情」と、クスッと笑ってしまう「社会人オタクあるある」を。
社会人になってから「共通の好きなもの」を通じて交遊関係が広がっていく、深くなっていくのも「ああ、良い……」と噛みしめたくなるポイントです。
男女関係なく、オタクであるなしも関係なく、大人になってから出会う「友だち」の良さを感じられる作品です。
ぜひ。
pixivコミックさんの作品ページです。
https://comic.pixiv.net/works/3579
アマゾンの商品ページ(全巻まとめ買い)も貼っておきますので。
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B0835Z2VFQ?ref_=dbs_dp_wam_ser_img_widg&storeType=ebooks
ぜひ。
最終回、たのしみです。
余談。
私はこの漫画を読むと、私の好きな乙女ゲーム(「どき☆ジェネ」と重ねてみてしまう作品)を友人に布教しようと貸したときのことを思い出してしまう。
乙女ゲームを普段やらない腐女子の友人だったんですけど、プレイしてみてくれたんですよ。
「どうだった?!」って聞いたら
「面白かったよ。主人公を男の娘だと思って楽しんだ。主人公総攻めゲーだね。」と言われたんですよね。
生まれてはじめて「解釈違いオタク」と出会った瞬間でした。マジで悔し泣きをした。(今では和解したが、この話は私が本気で泣くので二人の間でタブーとなっている。)
私もマキさんやマミちゃんみたいな友だち、ほしかったな~。
●柳原利香●