人間感覚を失ったあの夏(1) 〜非日常生活の始まり〜
○ まえがき
昨年の夏。私は人間感覚を、半分失っていました。「今」という時間は、あの夏の延長線上に存在しています。誰にも言えない秘密を抱えながら。泣いてしまいそうなくらい戸惑い、1人もがいていた、あの夏。あの夏を堺に、私を取り巻く世界と、私の意識は、大きく変わりました。そして、今。行先を尋ねることも、よそ見をすることもせず。上が「行け!」と指示するその方向へと。ただ、この足を進め続けるのみ。
○ 非日常生活が始まるまで
あんなにも濃く、息つく間もなく、限界に近い苦しさを感じた、あの夏。
でも珍しく、記憶は薄いのです。
第6感で捉えた情報や神秘体験などは、現実的な出来事以上に、何年前のことであっても記憶に残るタイプである私にとって、それは珍しいこと。
それだけ、あの夏の間、私は肉体から離れた所にいました。
さて始まりは、どんなだったか……。
昨年3月に2人目を出産してから、4才と乳飲み子、2人の子どもの育児が始まり。
そして、出産直後から体に少しの問題があった娘と、何年も前から時々原因不明の体の不調を訴える夫を助けるためにと、産後2ヶ月でカイロプラクティックを学び始め、精一杯な日々を送っていた頃のこと。
出産後から、高次存在に強く背中を押され始めていたことと、早めに仕事復帰する予定があったこともあり。
今まで以上に徹底して、自分自身の浄化や波動を高めることに、
注力しなければと思うようになりました。
そして自分の魂について、今まで踏み込んだことのなかったかなり深い領域まで、把握したり、エネルギー調整をしていくことを、時間の合間をみて少しずつ始めるようになったのです。
なんとなくそのあたりが、非日常的生活の幕開けだったように思います。
○ 身近な人の第6感の開花とそこからのメッセージ
そしてまず初めに、かなり驚いたことがありました。
私にとって、ごく身近なある人の第6感が、
突然開花したことです。
予想もしていない、まさかの出来事でした。
彼はある時から急に、私に関する様々な情報を拾うようになりました。
私は宇宙で何者だったのか、なぜ人にはない能力を持っているのか、
この先どこへ向かえばいいのかなど、重要な情報やメッセージを、次々伝えてくれました。
話の途中で私が質問をすると、全ての質問に対して、曖昧さのないキレイな回答を、すぐに返してくれます。
人間を仲介しているとは思えない、高次存在と直接話しているかようなスムーズさにも、驚きました。
全部が、嘘か作り話のよう。
とてもあり得ないお話ばかり。
なのに、彼から新しい内容を聞く度に。私の魂は、喜びなのか、悲しみなのか、強い感情が沸き立つかのように勝手に震え出すのです。
まるで彼の発する声に共鳴し、大きく美しい音を奏でるかのように。
頭は全く追いついていないのに、深い所で妙に腑に落ちる感覚と、自然と魂が震える反応を客観的に見て、
「あぁ、事実なんだ…。」
と静かに受け入れる。
それしかできない。
そんなことが、数日おきに続きました。
○ 非日常生活の始まり
彼が降ろす様々な情報のなから、自分の魂のエネルギーの問題や、宇宙の社会問題等、いくつかの課題も浮上し。
それらを解決するための取り組みを、少しずつ始めていくことになりました。
するとそれに伴い、次なる展開が起こり始めます。
例えば
●見えない存在達(人の霊ではない)との、至近距離での関わり。
●起きていても、目を閉じると、意図していないのに勝手に宇宙に飛んで行ってしまう現象が頻発する。(高速で宇宙空間に飛んでいくリアルな体感と、宇宙の景色も見えました。)
●宇宙の中を、自分の意思で自由に移動できるようになることが必要だということが分かり、その練習を宇宙空間の中で繰り返す。(これは練習したら、そこそこできるようになりました。)
など。(怪しいこと極まりない。苦笑)
それぞれについて、あまり詳しいことは言えないのですが。
現実世界離れした場所に行ったり、誰かと関わったりすることが、連日のように起こるようになったのです。
それぞれ心もエネルギーも、それなりに消費するものでした。
たまに起こるくらいならいいのですが、連日のように続くと、次第に少しずつ消耗していきます。
なので、現実世界の人間感覚を失わないようにと、育児に奮闘する他、カイロプラクティックの勉強も、より積極的に行うように心掛けながら、日々を送っていました。
でも実は、このくらいまでなら、まだギリギリ許容範囲。
しばらくの期間、休む間もなく連日のように続いていたのは大変でしたが。
でも今までも、似たような経験があるにはあったので。
これくらいまでであれば、きっとそこまで気持ちが追い込まれることはなかったでしょう。
実際、内面ではかなり戸惑いがありつつも、育児家事や交友関係などの社会生活は、いつもと変わらず普通に行えていたのです。
けれども。
事態は私にとって、徐々に重たくなっていきます。
私が、どんなことに追い込まれていったかと言えば…。
(つづく)