見出し画像

サルディーニャ島に魅せられて

森の中に「ある海の美術館」

長い長い階段を上がり切った、街が一望できる小高い場所。
そこから少し進んだ先、落ち葉のなかの階段をさらに上がっていくと
「Lai ある海の美術館」 があります。
木々に囲まれた静かなその場所は、海というより森のなかの美術館のような佇まい。

「『Lai』は、私が好きなアーティストの名前から。『美術館』は、ここを譲ってくださった陶芸家さんが、そういうふうに呼んでいたのでそのまま残して名づけました」 館長 林 奈々子さん(40代 兵庫県在住)
イタリアのサルディーニャ島を旅した時に、出会った織物に感銘を受けた林さん。館内にはサルデーニャ島の伝統的な織物が展示されています。

かつて島を訪れた イギリスの作家D.H.ローレンス が、
「この地は他のどこにも似ているところがない 」とその魅力を語った、イタリア西海岸に位置するエメラルドグリーンの海が美しい島。
林さんもこの島に魅了されたひとりです。
織物に関する技術や文化を学びに、一か月間滞在しては日本へ戻る往復を、幾度となく繰り返しました。

貝から出す繊維で糸を紡ぐ技術、古来から続く女性と織物の関係…。
穏やかにそして、言葉も紡ぐようにお話してくれる林さんに、私の好奇心も全開です。

木々の間から差し込む光が室内を満たして、なんとも心地よい空間。
もっともっとお聞きしたいことはあるけれど、この時間(1時間!)をずっと横で静かに待っていてくれた愛娘、茶央(さお)ちゃん(1歳5か月)に、そろそろお母さんをお返ししなくてはいけません。

くりっとした瞳、柔らかなくせ毛が愛くるしい茶央ちゃんによく似合う、深い茶色のニットのワンピースは、林さんのお手製でした。

「今後は、サルディーニャの女性のように家族のためにニットを作ったり、学びを共有するワークショップを続けていきたいと思っています」
と語ってくれました。



林さんのステキ

サルディーニャ島の織物です。「Lai ある海の美術館」 に展示されていますので、立体的で複雑な模様の美しさを、是非間近で見てみてください。

・・・それにしてもこの模様、いったいどのようにして織っていくのでしょうか。気になります。

「Lai ある海の美術館」 https://www.instagram.com/lai_il_museo_in_un_mare/

2021年12月取材再編

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?