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医学教育における『医者のホンネ』で気づいたこと…

【ホンネを共有する大切さ】

 今回は医学教育について、少しつぶやきます…。

 私の活動のひとつである模擬患者としては、 “豊の国医療教育ボランティア会”に所属して20年になります。
 医療従事者の研修、医学部でのOSCE、看護学校でのOSCE、そして医療職の学校での患者接遇など、他にも様々な場で活動を重ねていますが、実は…医学部のOSCEでは、ちょっとしたモヤモヤをずっと感じていました。

 しかし、久しぶりに参加した勉強会で、そのモヤモヤは私だけでは無かったことに気づくことができ、ホッとすると同時に心が軽くなったのを感じたのでした…。

 この体験から、医療においても同じことがいえる…と気づいたのでした。

 ちなみに模擬患者(simulated patients)とは、医療者(学生)が患者とのコミュニケーションを学ぶ際に、相手となる患者を務める人のことで、SPとも呼ばれています。

 さまざまな疾患の患者を演じるのですが、患者のあらゆる特徴(病歴や具体的な身体症状、態度、感情、仕事・家庭の問題点や生活習慣など心理社会的背景)を、可能な限り模倣するよう訓練を重ね、依頼先となる医学・医療教育の目的に合わせて患者役を演じます。

 そして単に演じるだけではなく、模擬患者の重要な役割はフィードバックです。医療者(学生)のどのような態度、言葉遣い、対応が自分にとってうれしかった…とか、○○と言われたことで理解されていないと感じて悲しかった…など、体験したことと感情を具体的に伝え、一般論ではなくその場で体験したことについて、模擬患者としての感想を率直に伝えるという大切な役割があります。

 はじめにお話した医学部のOSCE(客観的臨床能力試験)は、臨床実習開始前と卒業前に実施され、医学生の知識・臨床技能・態度などの修得状況を評価する全国規模の試験なので、どのSPが演じても同じ反応、同じ答えが返ってくるように、標準模擬患者(standardized patients)としての対応が求められます。

 今回の勉強会では、この標準模擬患者として医学生と向き合うOSCEについて、医師の立場でもあるSPの想いが語られたことから、私をはじめ患者の立場であるSPの想い、意見を語り合う機会となりました。

 OSCEでは、医学生が臨床実習に臨むことができるように、無事に卒業できるように…など、次のステップに進むことができるようお手伝いしたいという想い、そして学生さんのお役に立つことができるように…という想いで、試験当日はSPもかなり緊張しますが、準備段階から精一杯の努力を重ねています。

 一方で、試験に合格したら次のステップに進むことは出来るけれど、学生さんにとって本当にこれでよいのだろうか…と不安を感じることもあるのが正直なところです。

 学生さんは医療面接の型を学び、それに沿って練習して試験に臨むのだと思います。そして試験では評価項目に沿い、評価者による必要最低限の技能が認められると合格できるのですが、実際の患者を診るときに重要なポイントを、医学生は学ぶことができているのか、そして、理解しているのかという不安はいまのところ拭えてはいません。(なぜならば…は、後日)

 まずは何より試験に合格することは大切ですが、そのために学び練習するのではなく、医師としての責任と覚悟とともに、患者の命を診るために重要な臨床技能だということを理解し身につけていただけることを、患者としては心から願うばかりです。

 今回は私の模擬患者としてのつぶやきを綴りましたが、仲間の模擬患者(医師)による「本当はね…」というつぶやきから、私が気づいたことは、『ホンネ』の大切さと、そのわかち合いについて。そして、医療の現場において、患者のホンネはもちろん、医者のホンネも大切ではないかということです。

そしてまた…

【医者のホンネ…どうしていますか?】


 医療において、患者が医者にホンネを伝えることは重要だと私は思っています。
 当たり障りのない話や表面的な話ではなく、ホンネを伝えることができるか否かは、患者の“いのち”に大きく影響すると私は考えているからですが、実践できているかどうかは…ケースバイケースです(笑)

 そして、いかに患者がホンネを伝えることができるのか…。これは、医者と患者の信頼関係がどれだけ築けているのかがわかるバロメーターでもあり、良好な関係を築くことはもちろん、治療において重要になると私は感じています。

 肝心なことは、患者が伝えたホンネをどのように扱っていただけるのか…。これが非常に重要だと思うのですが、この話についてはまた次回。

 そしてまた、患者だけではなく、医者のホンネはどうでしょうか。

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