スポンサーに頼らずラジオ番組を持つ方法?
今の時代、ラジオ番組にスポンサーしても、なかなかその商品の売り上げは上がりません。
けれどスポンサードというのは、商品を売ることだけ目的ではなく、
知名度アップだったり、ブランディングだったりと、プライスレスな価値があります。
また、商品そのものを売るのではなく、パーソナリティそのものを応援する、、、つまりパーソナルスポンサーとして、番組を応援してくれる企業もあるでしょう。
結果的にそれが企業イメージ向上に繋がります。
ですから、ひとくちにラジオ番組へのスポンサーと言ってもいろんな局面があるのです。
しかし、ラジオに限らず、TV、新聞、雑誌などへの広告料は激減しています。
WebサイトやSNS等、広告はマスメディアからオウンドメディアへ。
ラジオ業界もスポンサーを集められず四苦八苦しています。
ラジオの聞かれ方は2010年にRadikoが始まって以来、大きく変わりました。
それまでラジオは「付けっぱなし」ラジカセ等でチューニングを変えずになんとなくそのまま聞く、というのが主流でした。
もちろん、チューニングを他の局に変えるヒトもいます。
けれどそれはTVほど頻繁ではない。
どちらかというと、コース料理のように聞き、局のファンになる人が多かったような気がします。
Radikoの出現により、PCやスマホでラジオが聞けるようになりました。
チューニングを合わせるというより、聞きたい局をクリックするという聞き方になりました。
そして、もうひとつ外せないのがコミュニティFMです。
コミュニティFMも、インターネットサイマル放送に対応している局がほとんどで「リスラジ」や「TuneInRadio」などを利用し、PCやスマホで気軽に聞けるようになりました。
しかもコミュニティFMの場合、エリア制限がありません。
全国、全世界で聞けるというのは、コミュニティFMの存在意義そのものさえ変えたと私は思っています。
それまで、コミュニティFMは地元メディアでした。
もちろん、今でも地元メディアであることは変わりありませんが、地元情報を伝える生ワイドなどは、日中に集中しており、夜の時間帯は地元情報とはそれほど関係ない番組が放送されています。
まぁ、たしかに県域局(民放)でも昔から深夜などは、全国放送の番組を放送していましたもんね。
つまり、コミュニティFMを使って様々な話題を全国に届けられるようになったのです。
ここで、話を少し戻しましょう。
受信機は、PCまたはスマホです。
これがSNSと親和性がないわけがありません。
ラジオとしてのメディアのよさと、SNSの強みをリンクできるのです。
Twitterで流れてきたリンクをタップすると、そのままラジオが聞ける。
とても便利ですね。
総務省の許可のないインターネットラジオは、法整備がされていないために楽曲に制限があります。
やはり、きちんとしたメディアである放送局(コミュニティFM含む)で番組を持つことは大きな意味もありますし、それ自体がブランディングでもあります。
という、大前提の元、お話をすすめて行きましょう。
スポンサーなしでラジオ番組を持つ方法。
まず、ラジオ番組を持つには制作費と電波料が必要です。
それは最初に用意しなくてはなりません。
いわゆる「資本金」です。
スポンサーが見つかるなら支援していただくのもいいでしょう。
私は、いい番組はそれ自体が利益を生む力を持っていると思っています。
その番組が面白くスポンサーがついてくださるなら、それに越したことはありません。
でも、それだけで終わりたくないですよね?
私は2019年10月からコミュニティFMで始めた番組で様々なチャレンジをさせて頂いています。
私のチャレンジを面白がって同意してくれたプロデューサーと出演者、そして局の担当者には感謝しかありません。
そのチャレンジとは。。。
まず、バックナンバーの有料配信です。
Radikoでは1週間聞き逃し配信がありますが、コミュニティFMにはありません。
局にそのような方法がない限り、番組単位でやるしかありません。
そこで、今回は作品配信サイトである「note」を使って、バックナンバーを有料配信しました。
やはりラジオはリアルタイムで聞いて欲しいから、という気持ちもあっての有料配信ですが、それと同時に、いいコンテンツはそれ自体に商品価値がある、ということを示したかったのです。
TVドラマだって、放送後DVDで発売されるでしょ?
ラジオ番組制作者は自信と誇りを持っていいと思う。
ちなみに、楽曲など著作権に引っかかる部分はすべて削除しての配信です。
現時点ではしょうがありません。
それでも、購入者にはご理解頂いています。
そして、有料の公開収録。
ライブハウスを借りての公開収録です。
当然経費が掛かります。
経費が掛るので、入場料を徴収するのはごく当たり前のことだと思うのです。
30分番組ですが、1時間収録を行いました。
ミニライブも行いました。
いらしたお客様がみな喜んでご満足いただけたようでとても嬉しかった。
さて、ここからがまた新たなチャレンジ。
公開収録をして、放送に乗せられなかった音源の面白いところを集めて編集し、有料ネット配信しました。
これは、ファンサービスでもあります。
公開録音を見に来られなかったお客様にも喜んでいただけたのではないでしょうか?
また、スタジオで収録中、公開録音の音源をを聴きながらパーソナリティが何を話していたか?マイクをオンにしてまるごと録音しておきました。副音声風ですね。
これを番外編として、有料配信しました。
つまり、バックナンバーだけではなく、それに付随する番外編系の音源を、有料配信しているのです。
あくまでも押し付けではなくファンサービス。
ラジオで番組は無料で聞けるしそれ自体は完結しているのですから、買いたい人だけが買えばいいのです。
そんな感じで、有料公開録音だけではなく、音声コンテンツそのものが利益を生むというチャレンジをしています。
この方法は、ラジオだけでもSNSだけでもダメだと思うのです。
この2つをリンクさせないと。
利益はもちろん僅かですが「スポンサーがいなくてはラジオは出来ない」と決めつけたくはなかったのです。
尚、ラジオとは関係ありませんが、このチームはライブハウス会場で配信QRコード付クリアファイルを販売するという試みもしました。
スマホでそのQRコードにアクセスすると、専用サイトが開き、楽曲をダウンロード出来るというものです。
iTunesなどのDLでは物販になりませんからね。
ライブハウスでは物販を通してのファンと出演者との交流がとても大切なものですから。
これは、この番組の出演者とプロデューサーのアイデア。
頭が柔らかいなぁと思います。
さすがです。
従来の枠にとらわれないチャレンジ、それが今のラジオ業界に一番必要なことなのではないでしょうか?
それが「ラジオの未来を考える」ということなのかもしれません。