ライターが｢……｣｢——｣に頭を抱えた話

文章を書いている皆さん、「……」と「——」って正しく使えていますか？

「なんとなくで使っていました！」

って感じの方、多いのではないでしょうか。

ライターの仕事では、基本的に「自分が理解できていない言葉を使わない」って心掛けている私。当初は「……」と「——」もそれぞれの意味や違いがわからなすぎて、避けていました。（仕事以外では使っていたけれど）

そして数年前、担当する媒体の特性上、いよいよ活用すべきときが来て。頭を抱えたのです。

まず読み方がわからなかった

いざ、「……」と「——」の意味や違いを調べようと思ったのだけれど、まず読み方すらわからないことに気づいて愕然としました。

それでライティング関係の書籍をいま一度かき集めて、「……」と「——」について掲載されているところをピックアップしたり、パソコンに打ち込んで検索したりしたのですが。

「なんか、よくわからないなぁ」

というのが正直なところで。

実際、調べてみてもらうとわかると思うのだけれど、一発で理解できなくないですか？ 「え、けっきょくどう使えばいいの？」みたいな。「諸説あり」なんですよ。

でも、そうやって知識や情報を集めてから、実際に他のライターさんの使い方を分析したり、さまざまなメディアで使われている箇所に注目したりするうちに、自分なりに理解が深まっていきました。

困っているライターさんに届けたい

「……」と「——」の使い方なんて、マニアックすぎて、検索する人も少ないかもしれないけれど。でも、だからこそこの記事を書きたかったんです。

もしも困っているライターさんがいたら、よりどころにしたくて。

「いまさら誰にも聞けない」

って思って、一人で時間かけて調べているライターさん、いるかもしれないから。真面目で不器用で頑張り屋さんな方、多いじゃないですか。

そういう方々に、どうかこの記事が届きますように。

そして、この記事を読んで「もっとこういう使い方があるよ！」「私はこう使い分けているよ！」「別の解釈があるよ！」などご意見のある方は、ぜひぜひその知恵をお貸しください（コメントを）！

一緒にこのページづくりに協力していただけると嬉しいです！

「……」と「——」の私の解釈

では、「……」と「——」について、いろいろ調べて実践してきた私の解釈をここにまとめさせていただきますね。

▶︎読み方

「…」：リーダー（三点リーダー）
「—」：ダッシュ

▶︎使用ルール

下記のように、単独でなく2個並べて使います。

・「…」→「……」※テンが6つになる
・「—」→「——」※ヨコボウが2つ（長い線みたい）になる

SNSなどでは、「…」が単独で使われているのをしょっちゅう見かけます。「はぁ…」とか、「やってしまった…！」とかね。

私もライターになるまで知らなかったし、プライベートではまったく気ならないのだけれど。仕事モードのときは、かなり気になるようになってしまいました。

つまり、文章に関わる仕事をしている人はコレ気になるポイントなので、ライターが仕事で「…」や「—」を使うときは、2個並べて使うのが無難かなと思います。

▶︎主な意味

◎「……」の主な意味と例文

・言いよどみ
（口ごもったり、言いかけてためらったり、ゴニョゴニョした感じ）
「実は秘密があって……」

・沈黙や思考
「……わかった」

・続くものの存在
「いちご、りんご、みかん……」

◎「——」の主な意味と例文

・前後の言葉の言い換え
「これを読んでいるあなた——未来のライター候補の——に届けたい」

・間（ま）
「聞いて。——いい音でしょう？」

・余韻・スピード感
「もう誰にも止められない——」

▶︎2つの違い

続くものの存在は「……」、言い換えは「——」っていうのはわかりやすいけれど、沈黙や間（ま）みたいなものを表現するときは、どちらを使うべきか迷いますよね。

そんなとき私は、

・ゴニョゴニョと表現できそうな間（言葉を濁したり、複雑に考えたり）
→「……」
・ハッと言葉を失うような感じの間（驚いたり、耳を澄ましたり）
→「——」

と使い分けています。

以上のような解釈で使って、今のところクライアントから何か指摘されたり、修正を求められたりしたことはありません。

自分のルールを言語化しておこう

こういう「諸説あり」な文章ルール、困っちゃいますよね。

執筆のときに迷い始めると時間がもったいないので、あらかじめ自分なりのルールをざっくりとでも考えておくといいと思います。

例えば、小説などを読むときに、気にしてみるといろいろ面白い発見があるはず。「……」や「——」がどんな風に感じ取れたか、メモしておくといいかも。

あと、「迷ったときは使わない」というのも一つの手かなと思います。1記事に「……」や「——」がありすぎると読みづらくなることもあるので。使わなくてもニュアンス伝わるかな？っていうのも試してみてください。

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。