魔王の井上さんと姉 Part2
あー緊張する…
和 : も..もういるのか?
○ : 多分..玄関前にいるかと…
和 : そうか…それはそうと
いい加減 敬語はやめたらどうだ?
○ : わかってますって…
和 : 本当にわかっておるのか?
では2人っきりの時も敬語を外しなさい
○ : 外したいんですけど
無意識に敬語になってしまって…
和 : そうだ!敬語を言う度に罰を与えるのはどうだ?
○ : えー
和 : 安心しろ…1回じゃないぞ
そうだなー…10回で罰執行はどうだ?
○ : 10回か…
10回言ったらどうなるんですか?
○ : 痛いのは嫌ですよ…
和 : てか、今敬語じゃん
罰ポイント〜
○ : え!?もう始まってるの?
和 : 当たり前じゃ…私が提案した時から
もうすでに始まっておる
○ : そんな理不尽な…
和 : まぁ良いじゃないか
安心しろ…痛いのでは無い…
罰ポイントという半ば理不尽なルールが課せられたがそれ所では無い…
奥の方から…
? : おそーい!!
○ : ごめん..お待たせ
“お姉ちゃん”
山下美月
○○の姉
誰もが認める美女
美月曰く私に落とされない男性はいないらしい
恋愛経験は○○と違って豊富
○○に女性を紹介しに来るが、断れるので
恋愛に興味がないのかと心配している
ちなみに弟の事は血が繋がっていなければ
結婚してたと○○の前でよく話している
本人は否定しているが側から見たらブラコンだ
美 : あれ?その子は?
てか、手繋いでるじゃん…
ていうか超美人なんだけど…
私に負けないくらい美人なのなんか悔しい…
○ : この子は…
○○が美月の前で紹介すると
和が颯爽と美月の前まで行き…
和 : 初めましてお姉様
私は○○君と御付き合いさせていただいております
井上和と申します
美 : は..初めまして..山下美月です
(お..お姉様…いいところの子なのかな…)
和 : よろしくお願いしますペコリ
美 : よ..よろしくお願いしますペコリ
魔王って言ってたから…上からしか話せないと
思ってたけど…意外と律儀なんだな….
和 : ○○…罰ポイントね
○ : え!?
今の完全に心の声なんだけど…
(何でバレるんだよ…)
美 : 罰ポイント?
○ : いや..こっちの話だから気にしないでw
美月は首を傾げるが…
美 : それより..よくあんたにこんな
ベスト•オブ•ザ•美人と付き合えたわね
○ : ま..まぁね…
(なんかバカにしてない?…)
美 : 賄賂でも渡したの?
○ : 渡してないわ!!
俺の事なんだと思ってるの?
美 : イケメン童貞
○ : ….
(それを言っちゃおしまいよ…)
和 : フフッ
ちゃんと好きで付き合ってるので安心してください
美 : へーえ…
○○..
美 : この子逃したら多分あんたもう結婚も無理だよ
○ : え?俺の魅力ってそんなになかったっけ?
美 : こんなに礼儀正しくて超美人で
○○の事、好きになってくれる人なんて
美空ちゃんと井上さん以外いないわよ
なんで美空の名前が出てくるんだよ
○ : (というか…早くも姉ちゃんを手玉に…)
和はどうだと言わんばかりの表情をこちらに向けてくる
美 : 井上さん
和 : なんでしょうか?お姉様
美 : お姉様だなんて…美月って呼んで
和 : では..美月さんでどうでしょうか?
美 : 慣れてきたら呼び捨てでいいからねニコッ
和 : はい!ニコッ
では私の事も下の名前で呼んでください
美 : じゃあ和ちゃんね!
和 : はい!美月さん!!
美 : じゃあ和ちゃん!
和 : はい!
美 : ○○とはどこまで済んだの?
ん?
○ : おーい…
急に何言ってんだよ
○ : ここ玄関前…外なんだわ…
○ : もっとオブラートに包めないのかよ…
いや…ていうかカップルに聞くことじゃないぞ
美 : ごめんごめんw
じゃあ…どこまでヤッたの?
アウト…
○ : ちょっと!?
1回 中に入ろうか…
○ : ねぇ…和ちゃ…
井上さん!?
和 : どこまでや…やっ///
和の顔を見ると恥ずかしさからか
耳まで真っ赤になっていた
美 : え?もしかして…
○ : わぁー!!!
○○は近所迷惑と言わんばかりの声量で
和と美月を家の中に入れた
🚪バタン
○ : ハァハァ…ちょっとお姉ちゃん!?
美 : フフッ可愛いw
形勢逆転
今度は和がお姉ちゃんの手玉に転がされていた
○ : と..とりあえず一回リビングに行ってて!
美 : 了解ー!
行こっか和ちゃんニコッ
和 : わ..わかっておる///
美 : おる??
和 : ハッ!
元の口調に戻ってますよ…
○ : 余計なこと言うなよ!
美 : アイアイサー!(*`・ω・)ゞ
絶対わかってないじゃん…
和と美月はそのままリビングへ…
よっこいしょと一言吐いて座った
美 : 和ちゃんもここおいでよ
手招きして隣に座らせる
美 : ○○は手強いよ〜
和 : そ..そんなの分かってます…
美 : まぁ…どこまでいったかは聞かないであげるw
和 : その方が..助かります ///
美 : ゆっくりでいいよニコッ
お互いのペースで進めばいい
美 : 焦っても上手くいくのもいかないからね…
和 : ○○は鈍感というか恋愛に奥手というか…
美 : わかるわかる
○○ってほんと奥手だよね〜
美 : あんなにカッコいいのにほんと勿体無い!!
和 : まぁ…
今も半ば強制的に付き合ってるような感じだし…
美 : そうなの?
和 : はい…
和 : 私から一方的に付き合ったようなもんですから…
美月は驚いたように目を開くが
すぐに元の形に戻る
美 : でもねーあんま心配しなくてもいいと思うよ
和 : というと?
美 : だって好きでもない人と一緒に手繋いだり
しないからニコッ
美 : きっと○○なりに頑張ってるからさ…
多めに見てあげてください
そう言って和の方に向かって頭を下げる
和 : あ..頭を上げてください!
美 : フフッ
ほんと和ちゃんって良い子だね
フワッと微笑んだ顔が和の理性を乱す
和 : そ..そんなことでもないし..ですボソ
美 : それよりさ…良い事教えてあげようか?ニヤリ
和 : 良い事?
————————
美 : お邪魔しましたー!!
軽い足取りで
美月は玄関の方まで行き靴を片方ずつ履いていく
○ : え!?
コーヒーいれたよ?
美 : いいのいいの
2人の甘々な生活を邪魔したくないしね〜
○ : え?同棲してるってわかるの?
美 : そんなの言わなくても私にはバレバレよ
○ : …
(さすが恋愛マスター…)
美 : それより…彼女を大切にねニコッ
普段はヘラヘラして○○をよく困らせるが
この時..一瞬だけ真剣な表情を見せた
恐らく本気で応援してくれてるのだろう
○ : う..うん…気をつけてね
美 : はーい
また来るねーニヤリ
さっきまでの真剣な表情とは違い
また人を嘲笑うかのような顔に戻り
ウインクして出ていった
🚪バタン
○ : 帰るの早くない…
せっかくいれたコーヒーを和と一緒に
飲もうとリビングへ行く
和 : ○..○○///
溢れないようにゆらゆらと波揺れるコーヒーから
視線を和の方へ向けると…
○ : ちょ..いきなり何してるんですか///
普段の和とは違い
乙女な姿を露わにする魔王様
和 : ど..どうだ///
○ : お姉ちゃんに何かいわれたでしょ?
和 : これをすれば..男はイチコロだと///
心の中でナイスお姉ちゃんと思いながら
二度と家には入れないと誓った休日だった…
美 : クスクス
(○○大丈夫かなー)
To be continued
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