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商業出版する方法#89〜プロとしては造作ないことでも、一般的には「驚きの事実」であることを見逃しちゃいかんって話

元KADOKAWAの編集者でありビジネス・実用書出版コンサルタントの渡邉です。

私の出版コンサルティングのクライアントさんで、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの著者としてご活躍の方がいます。
整理収納アドバイザーの水谷妙子さんです。元無印良品の商品企画部で10年以上働いた経験をもとに、独立。
「ものとかぞく」というオリジナリティあふれるコンセプトで、ご活動されていらっしゃる起業家でもあります。

単独著書は2020年の間に2冊上梓単独監修の本や、雑誌・ムックでの取材記事も多数。テレビ出演なども果たし、実用書の新ステイタスの著者として、新たな切り口の片づけの先生として注目を集めています。

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               (↑最新著書 )

今回は水谷さんの出版ヒストリーを追いながら、タイトルの件についてお話ししてみたいと思います。


1)Instagram発信の強み

水谷さんの場合、コンサル・セッションを重ねていくうちに「得意技」、、というべき某メディアをお持ちであることが判明しました。
それがInstagramです。

私と出会った時は、フォロワーが4000人弱。
これから商業出版を目指していく人としては決して多い数とは言えません。ただ、彼女のInstagramを拝見してて、私はピンときてしまいました。

「この人・・・Instagram1本で狙った方がいいんじゃないか」

そして、ただ一つアドバイスをさせていただきました。

「Instagramのフォロワーを伸ばし、それを中心軸に商業出版を狙っていきませんか?」

今や出版界も、SNSのフォロワーをしっかり育てている人を著者として迎える流れや風潮、システムが完成されています。
私の所属していたKADOKAWAなんて、SNSのフォロワーが十分でないと「企画会議に検討さえ難しい」という・・・本を出したい!人・出版プロデューサーの中には、なんともナメた感じだわ!ってな戦略を取っているのですが(今でも、この流れは続いているようです)、逆に水谷さんはこの戦略が生きるな!と思ったわけです。

書籍化になりやすい、書籍化への道にいたりやすいSNSは「ブログ」や「ツィッター」ですが、Instagramも書籍化に導きやすい媒体です。

水谷さんのInstagramを見るにつけ、これはしっかりフォロワーを伸ばしていくだけで、商業本への近道を走り抜けやすいのではないか、と直感的に読んだわけです。


2)企画書を出さないのに、Instagramからの出版オファーがとまらない!

水谷さんには大局的に以下の3点について、アドバイスさせてもらいました。

1、Instagramを集中的にアップ+活用すること

2、Facebookは2000人くらい友達を作っておいてもらえれば問題なし

3、いつでも出版社に提出できるよう、出版企画書は完成させておきますかね


こんな感じ。
この3点に絞って、コンサルを開始させていただきました。

そうすると・・早速にInstagramで華々しい効果が現れ始めました、1ヶ月後には1万人あまりに達し、3ヶ月で4万人のフォロワーを集めていくようになったのです。

これにはInstagramの運用のテクニカルな創意工夫があったのも事実ですが、それ以上に水谷さんの「コンテンツメイキング」の妙も功を奏しました。


3)プロにとってはなんてことないノウハウや思考や行動を、とにかく詳しく細かく手順をおって解説&アップしていただいた!

私は水谷さんにアドバイスしたことがあります。
それは何かというと・・・プロから見たら「造作ない」「大したことない」と思えることを、細かく細かく&具体的かつ具体的に紹介していってください、ってことです。

「あなたは片づけのプロですし、無印良品の”商品企画”で整理収納するモノをガンガン設計していた経験もあるから、いわば片づけの方法や技術など”当たり前”と思えることが多いと思います。しかし、そんなプロの”手順”を細かくみさせられると、一般の人間からしたら”超驚きのノウハウ!”に見えることが多い。
だから”こんな些細なこと、SNSでアップしてもいいのかな?”という点を見逃さずぜひ積極かつ細かくアップしてください」

水谷さんのInstagramはどんどん劇的に変わっていきました。Instagramは10枚の写真・動画がアップできるシステムもあり、10枚を全部使って、ご自身の片づけのノウハウや、日頃活用している片づけに使える「モノ」をその活用方法と合わせて、詳しく詳しくアップしていってもらえたのです。

それこそ、石鹸をただモノに刺す!という「だけ」のところまで見せてくれ、さらに詳しい解説を文章にて細かくアウトプット。

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(詳しい内容はこちらからご確認ください)

もちろん、この石鹸の具体的な商品名や、石鹸を使った後の感想まで詳らかに「プロの目」から紹介していただいております。

でね。
この「えー、なんてこないノウハウだろう」と思えることこそが、むしろ「新しい」し、これでコンテンツが一つ出来上がる。

もともとこの投稿は「石鹸は浮かせると使いやすいから、マグネットソープホルダーがいいですよ」というプロからのアドバイスが、テーマになっており、、

その後、商品の解説から詳らかな使い方までを「水谷さんがどう使っているか」という視点をずらすことなく紹介することで、お役立ちコンテンツが生まれているし、そのコンテンツのオリジナリティが高くなっているわけです。

これを毎日のようにアップいただいたことで、何が起こったかというと・・

>フォロワー数の増加もそうだが、コメント欄でのユーザーの声が多く書き込まれるようになった→ファンが増え始めた

そして・・・

出版社から続々と取材や執筆のオファーが入り始めた!

ということなのです。


4)プロとして「え、そんな単純な(簡単な)ノウハウやスキルをSNSでアップするのですか?」という事象を、”詳らかにアップできるか”が、個性あふれるコンテンツメイキングのカギになる

Instagramの運用方法はもっとテクニカルな事情もあるのですが、特に出版やメディアへの露出・実用ネタをメディアの商品や情報にのせていくには何よりも「コンテンツがあるか」「それが溜まっているか」「そのコンテンツがSNS内でもいいから話題沸騰感が高まっているか」が明確化されていることが重要なわけです。

水谷さんの場合、コンテンツは溜まるわ+普通に見てても面白いわ+役立つ情報もいっぱいだわ+ファンは増え始めるわ・・・で、結果的に良い形で昇華していったというお話。

一応セッションで出版企画書も作ったのですが、特にどちらにも提出することなく、続々と監修本や単独著書のオファーがきて決まってしまったので、やはり昨今のSNSの効果たるや絶大であることがお分かりになるでしょう。
(そして、最近の出版社やメディアの編集者・エディターはSNSに張り付いています。良いコンテンツメーカーとなりうる著者の卵の獲得に躍起になっているのは紛れもない事実です)

また、水谷さんにとって「え、そんな簡単なことを載せていってもいいんですか?」と思えることを、詳らかにSNS上で公開するだけでコンテンツになったワケです。

プロであるあなたからすると「大したことないんだよな」ということでも、その業界外・一般の人からすれば「驚きのノウハウ!」「スゴいスキル」になることが多々あります。
下手な謙遜や自分勝手にヒエラルキーを作るのではなく、まさに「自分らしさ」「シンプルに自分がやっていること」を飾らず気負わずストレートに伝えてみてください。

意外にもそれが「ユニーク」なコンテンツになるし、ビジネスにだってなるし、ひいては出版のための内容に至ることもよくあります。

簡単なことだけど、詳らか(細分化して)解説する。
ここを怠らず発信することです。加えてさらに注意喚起するとすれば「詳らか」が足りない人が多い。当たり障りないことを言ったって、伝わらないし影響力も高まらないし、ほんとしてのコンテンツとしても弱いです。
浅いことは誰でも言えるし、借りてきた智慧も誰だって伝えることができる。再現性や汎用性がもたらす障害は「個性」を奪うことです。
でも本の場合は何よりも「著者らしさ」「著者ならではの独自ノウハウやスキル・体験談」だったりします。
だからこそ、自分がやっている・自分がやったことを紹介する、が限りない個性を生み出します。


何かスゴい人になろうとしてはいけません。
あなたが今やっていることを、ただシンプルにそれでいて細分化して伝えるだけで、誰でもスターになれるし稼げるのが今の社会の良いところだと思うので、ぜひ果敢に挑戦してほしいと思いますね。


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