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商業出版する方法#37〜3年後に出版します!という意識は遅すぎる。
元KADOKAWAでビジネス・実用書出版コンサルタントの渡邉理香です。
最近ある女性の方で「3年後か5年後に出版を目指しています」という方の相談を受けました。
ただこの発言は大変残念ながら出版の世界では危険です。
なぜか。
遅いんです。3年後という日程が。遅すぎる。
よく考えてみてください。まずは、ここ10年の社会と人の変わりようが「劇的」でなかったと言えるでしょうか?
また、昨年からはたった1年で、新型コロナウィルスにより、あらゆる行動も劇的変動を余儀なくされましたよね?
誰が「始終マスクをしないといけない」社会になると予想したでしょうか?
誰が「ソーシャルディスタンスを取らないとよくない」生活になると想定したでしょうか?
誰が「ZOOM」というネットのテレビ通話システムがこんなに普及すると考えたでしょうか?
誰が「気軽に旅行や温泉にいけない」暮らしになると予想したでしょうか?
このように「時代かわれば人の変容も劇的」な時代に我々は生きています。
そのスピードたるや、過去を振り返ってみても、10倍速くらいではないか、と思わされるほど。
それに伴い出版の世界も、トレンドはどんどん変わっていきます。
ある程度の「一定法則」はあるにせよ(10年前に流行ったキーワードやテーマの本が今また流行り始めるとか。「1分で〜」という言葉の本も、ちょうど10年前にそのブームが合ったので、リバイバルとしかいうほかない)、基本は時代と人々の変容を受けて、本として出ていく「コンテンツ」もどんどん変化していくものです。
「過去はそのテーマ売れていたけどね・・・今は全然読者つかないんで、出せません」
てな話は、よくあるし、そういう会話を編集者はやっています。
ビジネス書や実用書にも無論、ロングセラーはあります。でも、大事なのは「出す旬を逃さない」ということ。
そして、そのスピードは早ければ早い方が、いいのです。
3年とか言っている間にあなたが伝えようとしていた事象など、他の誰かがささっと本にして伝える可能性も非常に高い!
本は執筆から出版化まで最低期間でも6ヶ月はかかります。本を作るだけでもこれだけ時間を要します。
おまけに今は本が1日300冊も出ているのですから、ほんと悠長なことを言っていると、他の作家がすでに同テーマで出して、あれよと売れてしまい「あれは、昔私が考えていたのに!」と悔し紛れな発言をせざるを得なくなるでしょう。
でも、それは、あなたがやはり悪いのです。
企画を温めすぎなのです。
ビジネス書・実用書の編集者としてKADOKAWAで働いていた時でも、3年企画を寝かせているようなことをしている編集者はいませんでした。
出すなら、さっさと「出す」、それに向けて早く行動することがやはり大事なのです。
出した後からブームがきたら、その本を増刷して販売すればいいだけです。商品になっているのだから、売れば利益になる・増える。
でも、ベビーステップが過ぎて、悠長に構え過ぎて「本を出していない」状態だと、売りの機会が来た時商品がそもそもないので、大きなチャンスを逃しますよ!と言っても過言ではありません。
正直、出している方が「勝ち」なのですよ。
本を出したいな、と思うのであればもう即動きましょう。この1年で決める!という決意のもと、情報を集め、セミナーへいき、それこそ出版塾やコンサルを受けたり導入したってて構いません。
あらゆることに打ち手を投じておくのも全然いいのです。
大変なのは、やってしまった、ことより「まだまだ先!」と思って、後回しにし・先延ばしにするのが、一番厄介です。
こういうことをする人ほど「あの時本出しておけばよかった」とため息つきます。でも、その決断が遅すぎるのです。
本を出したいなら旬を見逃さず、そしてどんどん変容する社会や出版の世界を観察しながら、活動を行うことです。
それこそ3年後だって、本の世界もどうなるかわからないですよ。
あと私も、出版に携わっていない可能性だっておうおうにあるのです。人と社会は”変わる”し、何がおこるかわからない。
いつまでも未来永劫”今”が続き続ける・・・ことを前提にしない方が、かなり得策です。
出版社も、吸収合併も多くなり、それまでよく聞いていた名前の出版社がいきなりなくなる!ってことも増えています。
ビジネス書や実用書の世界で大事なのは「今ここ」の精神です。最長であっても1年先くらいまでです。それ以降は予測がつきづらい。何が売れるのかがわからない。
かつては人気だったテーマやジャンルも、3年後も同じように人気かどうかかは一切予測がつかない。
3年という、今ひとつイメージがつきづらい先の目標を掲げるのではなく、みて欲しいのはむしろ「この1年」ではないか、と私は率直に思います。
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