商業出版する方法#64〜編集者が見ているのは「結局、行動しているかどうか」である。
元KADOKAWAの編集者であり、ビジネス・実用書出版コンサルタントの渡邉です。
本を書きたい!出したい!
いつか出版してみたい!
そういう人は後を経たないし、そういう声はもう私が出版の世界に足を踏み入れた20年前くらいから頻繁に耳にしてきました。
ふむふむ、人はなぜ本を書きたい、出したいのでしょうね。
スペイン人のモットーと呼ばれるものにこういうのがあります。
人生で大事なことは3つある。
1:子供を育てなさい
2:木を植えなさい
3:本を書きなさい
これは、昔出版関わらせてもらったスペイン在住の日本人男性から聞いた話。
いかにもスペインらしいというか何というか。。でも、ぶっちゃけ「正式出典」は不明なのですが(笑、人が生きるうえでやっておいたらいいことを簡潔に言い表しているなあ〜と、個人的には思います。
でですね。
商業本の編集者的観点からいえば、、
本を書きたいなら書きなさい。
本を出したいなら、出しなさい。
商業本だろうが自費出版だろうが、関係ないよ。
伝えたい想いがあるなら、表現したいことがあってそれを1冊にまとめたいなら、なんでも「形にすれば」いい。
電子書籍だろうが、オンデマンドだろうが、紙の本だろうが、関係ないよ。
って話なんです。
人って、打算や損得が働きやすいから、やれコンテンツの資産化だの、やれ自費出版はダサいだの、商業本でないと権威性やブランディングに不利だの、電子出版は自費出版とはいえリスクも低くて集客にもビジネスにも役立つ!とか、、何とか・・言いがちだけど。。
そんな打算とか計算は一旦おいておいたほうがいいんじゃない?
計算して戦略立てて、上手にうまくやるタイプの人ならまた別だけど、だけどそうやって出した本って、やっぱ「ビジネス臭」がぷんぷん何ですよね。
個人的には「狙ってんなー」って感ぷんぷんするのですわ。
そんな「狙ってんなー」感がするものは、電子だろうが何だろうが逆に見向きもしないかな。
でもなあ、超見向きして、スカウトする編集者もいるとは思うけど(笑。
よく電子書籍で売れれば、商業本も出せるんじゃ!なんて話もチラチラ見聞きしますが。。
まー、それをしたいなら、じゃんじゃんやってどんどん行動してみればいいじゃないですか。
ただ、電子書籍って販売数やDL数がわかりづらかったり、それを正確に把握できていない人も多いんですよね。そこが出版社からすると、厄介なんですけどね。
ただ、、本にしたいなら、やりたいこと、やったらいい。
そういうことなんです。
大事なのは「許可をもらわない」ことですよ。
「〜ってやった方がいいんですかね?」とか探りを入れないことです。
出したいなら、出す。
伝えたいないら、伝える。
まとめたいなら、本にまとめる。
電子出版だろうが、自費出版だろうが、編集者にとっては「型」は関係ないのです。
結局「あなたはどんな行動を起こして、どんな結果を得ているんですか?」というところを見ているだけなので。
その辺も「実績」として出版社はカウントするだけなんですよね。
で。結果を見る、というとシビアになりがちだけど、私としては本を出したい!本にしたい!と言いながら、何も形にしていない人よりも、自費だろうが電子本だろうが、何か形にして思いをまとめている人の方が、好意的に思います。
「お。やってるなー」
「伝えていく、ことに本気(マジ)なんですね」
って思うから。
そしてそこから、つながるご縁やタイミング、運なんかもありますからね。
やりたいことをやらせてあげる。
本を出したい!というなら、その思いをどんな方法でもいいから「自分で叶えさせてあげる」。
この意識と行動が全てだと思いますね。
私の場合、残念ながら電子書籍からスカウトして商業本に・・という経験やそういった著者を担当したことはありません。
電子本の世界と商業本の世界は、「業界違い」でもあるので。
だから安易に「電子本でうまくいけば商業本出せますよ」とかは言えないです。ぶっちゃけその確率も今現在極めて「低い」としか言いようがないですからね。
電子本出さなくても、商業本出す著者はゴマンといますからね。
電子本出さなくても、商業本出す人も、その中でしっかり行動に移していますよ。
行動していきましょう。