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商業出版する方法#74〜実態のない未来系コンテンツに編集者は振り向かない。
元KADOKAWAの編集者であり、ビジネス・実用書出版コンサルタントの渡邉です。
実は先日、ビジネス書の著者であり、経営者でもある方のラジオ収録に出演させていただきました。
地方のコミュニティラジオ番組になるのですが、「羽田徹のキキミミ図書館」という番組で出版の極意やオススメ本などについてお話させていただきました。
そのさい、主宰の羽田さんが非常にユニークなことをいってました。
「僕のところにも本を出したい!という方がいらっしゃいますよ。
でも、”◯◯という事業を考えていて、まだこれから立ち上げるのだけど
それに伴い本にしてビジネスを盛り上げたく・・・。。”
なんて言うかたがいらっしゃってて。いやいや、それまだ結果が出てないのに本にするの無理じゃない?って思うことなどもありますね」
と。
私から何も振りをしていないのですが、突如そういうエピソードが出てきてびっくりしました。
そうですね。そういう起業家・経営者の方もいらっしゃいます。
私の出版相談のセッションでも、そのお話される方もいらっしゃいました。
「新しく~なビジネスしたいと思う。それに関連した本を書いて、ビジネスを盛り上げたいんです」
ビジネスを行なっている中で、新たな需要の兆しを発見しました。それが「◯◯」です。このことを伝えていきたいからそのテーマで書きたい。
ただ、まだビジネスとしては成り立っていなくて、顧客もいないんですけどね。でもこのコンテンツを本にして、ビジネスを推進したい・・」
みたいな感じです。
以前にも言ったことあるとは思いますが、ズバリ申し上げます。
商業出版において「これからの未来」に向けての本は出せないです。
出版社は振り向かないです。
編集者も首を縦に振らないし、何より「読者」が納得しません。
ではどういうことかというと。。
これまでの経験と結果・それによる実績しか見ない、、と言った方がいいかもしれないですね。
形になってもない未来のコンテンツに、投資することは出版社にとってリスクです。
昭和の時代であればそれも大いにあったことです。しかし、今の時代では非常に難しいかな、と思います。
まずは、一定の結果を出してほしいです。
実績がないなら「作る」のがビジネスパーソンです。
でもこれって何をおいてもそうじゃないですか?
私は、本業とは別にフリーダイビングを行っています。
通常の「ダイビング」と違って「フリーダイビング」はタンクレスで深度を素潜りしていくスポーツです。
ただここにも、ちゃんと「ライセンス」が確立されています。
誰もが自己流でフリーダイビングはできなくて・・・。
というのもそれやると今の時代はとても危険でして・・・(^^;;
間違えると一瞬で命を失うリスクも高いスポーツだからです。
指導体系が整っているんです。
座学で学んで、プールや海で実技のトレーニングを積み、一定の条件をクリアしないと「フリーダイバー」の認定がおりません。
私は、沖縄へ行って、学んで、実際に実技も終え、条件をクリアしたからフリーダイバーの資格をもらい今では10mの素潜りは余裕になっています。
海で泳ぐために気をつけるべきこと身につける機材や、体調管理の方法、レスキュー手法などのスキルもわかっています。
インストラクターではないので大々的に指導はできませんが、それでもフリーダイビングのことについて「正しい知識や手法を伝える」ことはできます。
なぜなら「フリーダイバー」としての実績を作ったからです。
ね。
実績って、重いものに考えがちですが、小さな一歩でも「作れていく」のです。
だから実績や結果が出ていないなら「作ればいい」だけ。
それを「先にやって」ください。
そののちに本を考えましょう。
ちなみに、新規事業の戦術として「本」を・・とお考えなら、簡単な小冊子やそれこそオンデマンド出版や電子書籍などの自費出版を行い、ビジネスと連動させる方法がむしろ効果は高いでしょう。
あるいは、PDFで簡単なレポートを作って、配布したり動画などのオンラインで教材化したりした方が、儲けに直結しやすいですよ。
実はこういうことを考えるビジネスパーソンの最終目的は、本を売ることではありません。
自分のビジネスを繁盛させたい、ということが最優先。
ビジネスを繁盛させたい、が「コンテンツを幅広く広める」以上に高いことが見え見えです。
編集者としての目線から申せば、もう明白にわかりますし、そういう話は出版社にゴマンと持ち込まれ、現場の編集者も経験豊富なので一眼で見破ります。
あなたのビジネス応援のために商業出版は出せないし、出せませんし、読者も求めてはいません。
あなたの本を出版します!が、商業出版ではありません。
話を戻しますが・・・。
でも、自分が好きなことや得意なこと興味のあることなら実績ってすぐに作れると思うんですよ。
たいそうなことではないです。
実際著者になる人って、いやいや実績作ってませんから。
気づいたら「結果が出てました」って感じじゃないでしょうか。
それが「本になったんです」。がより良い商業本の作り方であり、その方が売れます。
ちなみに羽田さんの先述の言を受けて、私も思わず口について出ましたね。
「ですね。出版社の編集者は、マジで「結果」しか見てませんから」
自分でも辛口だなー!ってほんと思います。
でも、「真実」なので伝えないわけにもいかない。
何も見えない・結果が何も出ていない・ただ「あればいいな」をデザインしている「だけ」の未来系コンテンツに出版社は投資はしません。
投資して欲しいなら、どれだけの収益を見込めるのか、どれだけの本が売れる見込みがあるのが、それらまできちんと説明するのが筋と言えるでしょう。
それさえなく、売り込みされるから、出版社も辟易するし、私も伝え方が厳しくなるわけです。
見える化・現実化することから始めていきましょう!
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