レッスン(1)内容公開
こんにちは、フランス在住日本語教師のリカです。
私はPreplyでレッスンをしていますが、一回目のレッスンは、「トライアルレッスン」と言って生徒さんに続けてもらえるかが決まる、とても大切なレッスンなので、私も気合いを入れて教えています。
はじめに
先生によって教える順番やペースが違うと思いますが、今回は私が良いと思う教え方を紹介します(^^)
トライアルレッスンまでの流れや大切なポイントは下の投稿にまとめていますので、今回は実際に教えているときに使っている資料の一部を紹介しながら、内容に重点を絞って書いていこうと思います。
25分のトライアルレッスンの場合は、自己紹介、質問、レッスンの紹介をして時間が無くなることがありますが、50分の場合は、実際のレッスンを受けてもらうことになります。
教えること
(1)日本語の書き言葉の仕組み
読み書きの勉強は必要ないと生徒さんが言ったとしても、生徒さんが拒絶しない限り、ひらがなだけでも勉強するように勧めます。ひらがなの音が分かると発音がうんと良くなりますよ★
相当発音が悪くない限り、授業内では、一緒にひらがなを読み上げるというようなことはしないで、ひらがなの動画などを自宅で観てもらうようにしています。
ひらがな
カタカナ
漢字
ローマ字
英数字
この5つをサラッと説明して、「普通の日本語の文」を見せます。
ここで絶対聞かれるのは、「ひらがなとカタカナは何が違うの?」とか「どういう時に漢字を使うの?」というような質問です。
キーワード
小学校で初めて勉強するのがひらがな
カタカナは外国から来た物/人や、音を表すときに使う
漢字を使う決まりはなく、勉強して使えるようになったら使う
漢字は日本人も全部知っているわけではない!(笑)
ひらがなやカタカナの歴史のページを準備してありますが、読み書きにそこまで興味がなさそうな場合は家で読んでもらいます。
(2)基本的な挨拶
一回目のレッスンは基礎的なことが多いので、正直あまり文法はなくて、"Repeat after me" が多いです。もっと文法をガッツリ勉強したい生徒さんや、独学で日本語を勉強している生徒さんには面白くなく感じるかもしれないので、その旨を伝えます。
おはようございます
こんにちは
こんばんは
おやすみなさい
いただきます
ごちそうさまでした
げんきですか?
ごめんなさい
すみません
どうぞ
さようなら
またあした/らいしゅう
ありがとうございます/ました
「いただきます」を"Enjoy your meal" "Bon apatite!" だと思っている生徒さんは結構います。日本語の「いただきます」は食べ物や、それが出来上がるまでに働いてくれた人への感謝の気持ちを表すものなので、少し違いますよね~
日本に旅行したい生徒さんだったら、レストランから出る時は「さようなら」じゃなくて「ごちそうさま」の方がナチュラルっていうのも忘れずに。
「すみません」はマジックワード★ 道をあけてほしい時とか、道を譲ってもらった時とか、ちょっとぶつかった時とか、なんにでも使えて便利(笑)
英語が母国語の生徒さんが「ら行」の言葉がうまく発音できないことがあります。ひらがなが読めない人のためにアルファベットを書いていますが、英語読みしてしまうことも多々。初期の段階で発音がガッツリ訂正しましょう。
(3)レッスンで使う言葉
実際、日本語と英語のオンオフが難しくて、私自身、あまり使うことはないのだけど…一応(笑)
はい/いいえ
わかりますか?
○○さん
はじめましょう
おわりましょう
おねがいします
もう1どおねがいします
「もう1どおねがいします」は初心者には長めのフレーズなので、やっぱり言えない生徒さんが多いですが、必死に覚えてきて、次のレッスンで使ってくれる生徒さんもたまにいます。
(4)自己紹介
日本語で自己紹介をするというのが1回目のレッスンの1番大きな課題。挨拶は知っていても、実際に日本語のフレーズに触れたことがなくて、自己紹介が出来ないという生徒さんが多いです。
2回目の授業で「わたしは~です」の文法を勉強するので、この自己紹介では多めに取り入れていますが、自己紹介はいろいろなパターンがあって、紹介しているのは一部であることを伝えています。
ひとつずつ読んで、生徒さんの情報を一緒に入力した後で、私が自己紹介の例を言ってみせて、そのあと生徒さんにも自己紹介をしてもらいます。
これ以外の自己紹介の仕方(趣味とか、特技とか)を知っている生徒さんが居れば、どんどんアレンジしてもらいましょう!
はじめまして
わたしは「名前」です
「呼び名」とよんでください
わたしは「国」からきました
わたしは「年齢」です
わたしは「仕事」です
よろしくおねがいします
「はじめまして」と「よろしくおねがいします」は英語にすると、どちらも"Nice to meet you" になり、ちょっと難しいです。
「はじめまして」は初めて会う人に使う一番最初の挨拶です。2回目の人には使いません。「よろしくおねがいします」は自己紹介の最後に使いますが、日本では色々なシチュエーションで使うことができますよね★
(5)数字
数字は4回目のレッスンで時間/お金に触れるので、それまでに勉強してもらいます。週1回のレッスンだと4週間かかるので、だいたいの生徒さんは1~10まで覚えることができます。
このレッスンでは、1~100まで教えます。ただ数字を暗記してもらうのではなく、1~10の数字だけ覚えてもらったら、他の数字も言えるように、数字の組み立て方を教えます。日本語の数字は算数ができれば結構簡単です。
11=10+1
12=10+2
20=2×10
21=2×10+1
ですが、1回目のレッスンで数字を勉強するもう一つの理由は、自己紹介で年齢を言うフレーズがあるからです。最初の頃は、20を「じゅうに」と言ったり、21を「にいち」と言ったりする生徒さんが多いですが、ゆっくり覚えてもらいましょう!
(6)仕事
これはおまけみたいなものですが、自己紹介で仕事を言うフレーズがあるので、いくつかのメジャーな仕事をまとめています。だいたいの人は「会社員」か「学生」に当てはまります(笑)
一度、仕事も勉強もしていない生徒さんが居て、反応にとても困ったのですが、サラッと飛ばしました。こういう時のために趣味を言うフレーズを追加しようと思ったことがありますが、「趣味は~です」は結構先で習う文法なので、余計な質問を増やさないように省いています。
まとめ
以上、1回目のレッスンでした。もうすでに色々知っている生徒さんだと、スピードが速くて、2回目のレッスンの内容に入ってしまう方もいますが、だいたいの場合は50分でキリ良く終わることができます★
コツは焦らず、一方的に話さず、「質問はありますか?」と聞いたり、生徒さんにある程度話をさせる時間を作って、時間を稼ぐことです。
参考になると嬉しいです。2回目のレッスンの内容を知りたい場合は「すき」をお願いします。50個以上集まったらまとめますね~