【娯楽が】海外生活/海外就職のリアル - 北欧編【ないよ】
みなさんこんにちは。スウェーデンの会社に転職してから、早くも3年半が経ちました。私はキャリアアップ目的に単身日本を飛び出してきたのですが、現在の会社の状況(前回の投稿参照)もあり、最近「そろそろ拠点を移すべきなのかも」と考える機会が増えてきました。
どの国に住んでいても、良い面と悪い面があるのは事実ですし、その時々の自分の気持ちや状況に合わせて「どこに住むか」という決断をすることが、結局は一番正しい選択なのかなと感じています。ここまでで気づいたスウェーデン生活のマイナス面(一人暮らしの視点から)を、少しまとめてみました。
ワーキングカルチャー
これはアメリカで働いている方にはあまり当てはまらないかもしれませんが、スウェーデン人の多く(もちろん人によりますが)は、仕事よりも圧倒的にプライベートを重視する傾向があります。それ自体は全く悪いことではありませんが、休むことやサボるすることに対する情熱が驚くほど強く、仕事の質までに影響が出ていることが多いです。更には傷病休暇をまるでバケーションのように使う人をよく見かけます。(実際、スウェーデン人以外が傷病休暇を取るのを見たことがない)
私はスタートアップ企業で働いているので、1日12時間以上働くこともあれば、バランスを取って少なめにする日もあります。ただ、「あの人がやらないから、真面目な日本人に仕事が回ってきた」というような業務が多いのも事実です。
また仕事のペースが極端に遅いこともあり、バリバリ働きたい人にはあまり向いていない国かもしれません(といっても本当に会社による)。反対に、家族との時間を大切にしたい方や、日本でしっかり働いた後にゆっくりと過ごしたい方には、非常に適した国だと思います。
娯楽が一切ない
正直、これが一番辛いです。娯楽と言えば、公園、カフェ、森…それだけ。愚痴になってしまいますが、こちらはフィットネス文化が非常に盛んで、ジムに通ったりフィットネスクラスに参加している人がものすごく多いです。私も例に漏れず日々筋トレに没頭しています(筋トレ最高)。 なぜなら、
他の娯楽が圧倒的に少ないから。
日本に一時帰国して一番楽しいのは、おしゃれなカフェで最近流行っているアニメについて熱く語ったり、友達のコナン話を延々と聞いたり、居酒屋をはしごしたり、美味しいものを食べに行ったりすることです。日本では、みんなが自分の楽しみや趣味を少なくとも一つは持っているなと感じます。趣味というかちょっとしたワクワク、、と言った方がよいでしょうか。
一方こちらでは、何をするにしてもお金がかかる。だから最終的には誰かの家に集まってホームパーティー、以上、という感じ。休日も特にすることがなくて、日本にいる時は「今日は高島屋に行って買い物して、美味しいラーメンを食べよう!」といったワクワク感がたくさんありましたが、こちらの生活ではその「ワクワク感」がやっぱり少ないです。
アジア人としての扱い
スウェーデンにおいてアジア人は圧倒的にマイノリティです。しかも妙にメディアでも堂々と中国を叩く風潮があり、正直、アジア人というだけで毎日ジャッジされている気がします(気のせいだったり気のせいではなかったり)。アジア人と接した経験がある人たちは、何のフィルターもなく普通に接してくれますが、そういった機会がなかった人たちは、本当に一切目を合わせてくれません。そもそもスウェーデン人は他人と接すること(特に初対面)にアレルギーがある人が本当に多く、人種で避けられているのかどうかよくわからない。
私自身、人生でアジア人差別を受けた経験は数回しかありませんが、道端で「チャイナ!」と叫ばれたり、レストランで良い接客をしてもらえないこともあります。なんだかなあ。
特に、私が住んでいる地域は圧倒的に白人社会なので、ただ歩いているだけでもちらっと見られることがあり、いつも緊張して生きているような感覚です。「アウトサイダーである」ことへの安心感のようなものもある一方で、日本にいるときのようなone of themになる感覚も恋しくなったり、本当にないものねだりですね。
食文化の乏しさ
美味しいレストラン、というものはほとんどありません。理解できないのですが、ストックホルムは首都でありながら美味しいレストランが圧倒的に少ないのです。スウェーデン料理は、正直言って美味しくて旨味のあるものはほぼなく、結局は中華系やベトナム系のレストランに時々行く程度です。しかもそれも高すぎて毎週行けるようなものでもない。その一方で、家で料理を楽しむようになりました。日本では全くしなかった、友人を招いて手料理を披露する、なんていう暇つぶしを休日にすることも増えました。
天候の悪さ
スウェーデンでこれは堂々のワースト1位です。この国は基本的に冬です。特に去年はひどく、2023年9月から雪が降り始め、2024年5月にも雪が降っていましたね。太陽をほとんど見ることができず、特に11月は1か月のうち数日しか太陽が顔を出さない日々が続きます。今年の1月と2月には仕事のストレスも重なり、全く眠れない日々が続きました。
また天候が精神状態に与える影響を身をもって知りました。冬になると寒くて暗く、自然と気分が落ち込みます。ランチの後にはすでに空が暗くなっていて、通勤中も勤務中も退勤中もずっと真っ暗なんです。もう10月なのでもう日が暮れるのも早く、12月の日本一時帰国を希望に生きています。
とはいえ
自然が本当に綺麗で、カフェ巡りも楽しいし、異文化交流も毎回新鮮でワクワクします。スウェーデンで楽しんでいることはたくさんあります。友人や会社の先輩たちも素晴らしく、いつも感謝しています。ですが、一人でこの「冬の国」に住んでいくことに限界を感じることが多く、時々「来年まででいいかな…」なんてふと考えてしまうこともあります。憧れていた海外移住の夢が叶った今、実際に暮らしてみると本当に難しいことが多いなと感じます。