文系陰キャが地方日系企業からスウェーデンで海外就職。遠回りだけど確実な方法をまとめました。
0. 自己紹介&まとめ
こんにちは、皆さん。現在、スウェーデンの大手企業で採用担当をしている者です。私は静岡県生まれ、愛知県(名古屋市郊外)育ちの日本人です。今回は、私がどのように海外就職を決め、一人で海外移住するに至ったのかを、少し噛み砕いてお話ししたいと思います。
結論から言うと、「遠回りをすることが大切」です。特に、日系企業からいきなり海外での就職が難しい職種の場合、少しずつステップを踏んで近づいていくことが重要です。私の場合は、「日系企業(3年半)→留学(1年)→外資系企業(3年半)→現地海外就職(3年半経過)」という流れでした。具体的なプロセスを以下にまとめましたので、皆さんの参考になれば幸いです。
1. 日本での経歴: 大学から1社目就職まで
大学では国際政治を専攻していました。その理由は、大学2年生の時に約8週間、カナダに短期語学留学をした際、政治の知識が全くなく、恥ずかしい思いをした経験があったからです。この時点では、「英語が少しでも話せれば就職に有利かな」という程度の気持ちで、TOEICの勉強をしたり、英会話スクールに通ったりしていました。そのため、仕事で使えるほどの英語力は全くありませんでした。
最初の就職先は、地元の自動車部品メーカーで、完全に最初の挫折経験でした。文系にもかかわらず、総合職として生産技術部に配属され、技術実習や現場実習など、多くのことを学べる機会がありました。しかし、田舎の日本企業らしく、女性にとって働きやすい環境とは言えませんでした。(実際、セクハラが横行している職場でした。)3年半お世話になりましたが、最終的には逃げるように退職することになりました。その間、職場環境が辛く母親に泣きつくこともよくあったのを覚えています。
2. 社会人留学: 予算内でのオーストラリア留学
いわゆる文系の事務職として社会人生活を最初の3年半過ごした私は、「スキルが何もない」「転職しようにも使える武器がない」と強く感じていました。1社目での仕事があまりに辛かったため、毎日社会人留学に関するブログやウェブサイトを見ていました。その中で、自然と「英語を習得すれば転職に有利かも」「履歴書に箔をつけたい」という気持ちになり、大学とインターンシップがセットになった留学プログラムを提供するエージェント、ICC留学にたどり着きました。記憶は曖昧ですが、合計で300万円から400万円ほどかかったと思います。エージェントの費用はやはり高かったので、もし今私が20代に戻れるなら、間違いなく自分で直接大学に申し込んでいたと思います。(ですがエージェントのサポートは本当に素晴らしかったです)
オーストラリアのブリスベンに到着し、エージェントのコンサルタントさんに言った一言を今でも覚えています。「私は何のスキルもないので、ある程度英語を話せるようになって、地元の自動車メーカーに転職したいです。」今振り返ると笑ってしまいますが、当時は最初の企業で自己肯定感が完全に失われていました。
詳細はまた別の記事で書きたいと思いますが、社会人留学の1年間では、学位(Graduate Certificate)の取得と3か月のインターンシップを経験しました。この留学には全く後悔しておらず、今振り返ってもこの経験があったからこそ、その後の外資就職→海外就職が可能になったと思っています。
「海外留学」と「インターンシップ」と聞くと、完璧な英語力が求められるように思うかもしれませんが、実際は全くそんなことはありませんでした。私自身、スピーキングはボロボロで、リスニングもギリギリの状態でした。アジア系の学生には、英語力は低くても大学院に通っている人が多かったです。そのため、英語力が低いという理由だけで夢をあきらめるのは本当にもったいないと思います。
3. 外資系企業に転職: 東京にて2社目
日本に帰国する頃には、「一度日本を出たのだから、選択肢の多い東京で就職してみよう」という気持ちが芽生えていました。最初は名古屋や東京の日系企業に片っ端から履歴書を送っていましたが、途中で違和感を感じるようになりました。自分が嫌で逃げ出した日系企業と面接していると、なんとなくもやもやした感覚があったのです。企業と面接する際の直感は本当に大切だと思います。私の場合、「あれ?あの縛られる感覚が嫌いだったのに、なんでまた同じ環境に戻ろうとしているんだろう?」と気付きました。
そこで一気に外資系、というより「英語で求人を出している会社」に絞って転職活動を再開しました。そして、インド系企業の採用担当として3年半働くことになりました。外資系企業といっても様々で、日系企業と同じような会社もあれば、半分以上が外国籍の従業員という会社も多いです。私が勤めたのは後者で、日本語と英語が半々の環境だったので、少しずつビジネスで使う英語にも慣れていったように思います。
4. 海外現地就職: LinkedInの重要性
当時スウェーデン人の事実婚パートナーがおり(大昔に破局)ストックホルムに旅行で滞在することが多く、LinkedIn(ビジネス用のFacebookのようなもの)でも居住地を東京だけでなくストックホルムにも設定していました。その時、現在の上司から連絡が来たのです。一歩日本の外に出ると、特に欧米諸国ではLinkedInが転職活動には必須で、むしろLinkedInがないと転職は難しいレベルだと感じます。そこから4回ほど面接を受け、転職、そして労働ビザが下りるのを待ち、移住という流れになりました。
「なぜ日本人の私が?」と思う方もいるかもしれませんが、特に製造業では、日本の技術や技術者が求められる分野もあります。ですので、どんな人材がどのような会社で求められているかを調べるのも一つの手です。私が入社した時は日本人や韓国人のエンジニアが求められていたので、採用担当者も日本/韓国在住のバイリンガルの方にお声がけもしておりました。
実際にスウェーデンの製造企業で働いてみると、こちらで活動している日系企業の方々もよく見かけます。そういった面から、海外でシェアの高い企業の営業職など、意外にも海外で活躍するチャンスは多く存在していると日々実感しています。
最後に
今回の記事は以上になります。どうだったでしょうか?今後は社会人留学や海外で働くことについての記事をアップしていきますので、何か書いてほしいこと等ありましたらお気軽にお問い合わせください。MENTAで英語学習や海外就職の相談に乗っております。(https://menta.work/plan/4017?ref=mentor_profile)