手紙を書くように
喜多川泰さんの『手紙屋 〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜』を読んで。
〇〇さんへ
(このnote記事を開いてくれたあなたへ)
こんにちは。Rikaです。
気づけば9月も中旬に差し掛かり、朝晩は心地よい涼しさも感じられる季節になりました。とはいえ日中はまだまだ暑いですね。夏の疲れが身体にあらわれる頃かもしれません。季節の変わり目、どうかご自愛ください。
さて、〇〇さんは、『手紙屋 〜僕の就職活動を変えた十通の手紙〜』という本をご存じですか?
就職活動に出遅れてしまった大学生の主人公諒太が、喫茶店で『手紙屋』を名乗る不思議な広告と出会ったことをきっかけに謎の人物手紙屋との文通を始め、「働くこと」や「人生」について学び、短期間でみるみる成長していく。そんな物語です。
今日はこの本について書いてみようと思います。この先は共感しながら、あるいは、ほー、そんな感想を持つ人もいるのかと楽しみながら、ふむふむ、どんな本なんだろう?と思いながら、読み進めていただけたら嬉しいです。
この本の大きな魅力は、何と言っても主人公諒太君の成長です。やっぱり、人の変化や成長というのは、人を一番ワクワクさせますね。オーディション番組やドキュメンタリー番組に大きく心が動かされるのも、きっとそのためですよね。おそるおそる手紙屋への一通目の手紙を書いていた諒太君と最後の手紙を書いている諒太君はまるで別人で、短い期間でも過ごし方次第で人は大きく成長できるんだな、と思えます。
それから、"手紙屋は一体誰なのか"、"明らかになるのか"という推理要素も楽しいです。その正体は予想外で(推理小説をよく読む人なら予想できてしまうかもしれません)、正体に気づいたとき、驚くと同時に胸が熱くなりました。
手紙屋は、手紙を通して毎回新たな視点を与えてくれます。価値観をぐいぐい広げてくれます。ひとことで表すと、"面白くてためになる一冊(十通)"です。
中でも特に印象に残っているのは、「どんな出来事も自らを成長させる糧に変える」という考え方です。まるで初耳という言葉ではないですが、物語の中で、諒太君への手紙という形で綴られた言葉を通してこの考えに触れると、とても納得感がありました。そして、本心でそう思うことができたら、人としてかなり強くなれるだろうな、と思いました。
それからもう一つ、「目標を持ったときから自分の人生が始まる」という言葉です。この言葉は一見、「目標を持たないことには自分の人生は意味を持たない」みたいな厳しい言葉のように思えます。でも、「目標を持った瞬間なんてまだ始まったばかりなんだからいきなり上手くいかなくて当然」というあたたかい激励の言葉にも聞こえてくるのです。
働くとは。この本を読んでいると諒太君と一緒に、つい深く考えてしまいます。そして、いつかの暑い夏の日、シャトレーゼの駐車場で誘導係をしていたおじさんのことを思い出しました。
猛暑の中、アイスクリームを求めてシャトレーゼへ行ったときのこと。車を停め外に出ると、にこやかに「暑いですね〜、たくさん涼んでいってくださいね〜」と。買い物を終えて店を出ると、「ありがとうございました〜。涼めました??どうぞお気をつけて。ありがとうございました!!」(超深々お辞儀)と。それはもう、にっこにこでくっしゃくしゃの満面の笑みで。
もしこの日、私が駐車場の誘導係をしていたとしたら、心の中は「暑い、しんどい、帰りたい、はぁーーーーー」の無限ループで、ギリギリ笑顔と言える(言えない)顔で「いらっしゃいませー」「ありがとうございましたー」(ちょいぺこ)と最低限の対応をすることで精一杯だったと思います。。
この後しばらく、私たち家族は車の中でにっこにこでした。笑顔って、本当に伝染するみたいです。こんな風に、笑顔や幸せの連鎖を起こすことが働くことの本質なのかな、なんて思いました。
私は就活中の学生ではなく、本格的に転職活動をしているわけでもない社会人3年目の会社員ですが、帯に書かれた「働く意味を教えてくれる」という言葉を見て、つい手に取ってしまいました。悩みもがいている今読めてよかったと思える一冊です。
〇〇さんは、学生さんですか?社会人の方ですか?毎日どんな風に過ごされていますか?
この本は、どんな生き方をしている人にとっても、気づきや学びがあって前向きになれる本だと思います。でも、響く言葉や内容は人によってきっと違いますよね。
さいごに。本編と同じくらいかそれ以上に印象に残った、あとがきの内容について共有させてください。
著者の喜多川さんは常日頃から執筆しているわけではなく、どうしても伝えたいことがあって、それをどうしても伝えたい人がいるときにだけ作品を書かれているそうです。今回も、仕事を手伝ってくれていたとある大学生に向けて書き始めたのだとか。だから、一見綺麗事だと感じて斜めから見てしまいそうな内容ばかり綴られていても、すっと心に入ってきて、しっかり響いたのかな、と思いました。
私も、「書く」ときは、誰・どんな人に宛てて書くのかを意識して、伝えたいことや共有したい気持ちをよく整理して、丁寧に言葉を選んで、その人の心に届けられるようになりたいです。その人に手紙を書くように。
思ったよりも長くなってしまいました。
目標を持って、どんな出来事も糧に変えて、"あの日のシャトレーゼのおっちゃん"を心に据えて、日々を笑顔で過ごしていきたいと思います。
〇〇さんの明日が笑顔溢れる一日になることを願って。
それではまた。
p.s. もうすぐお月見ですね。
2024.9.12
将来に思い悩むひよっこ社会人のRikaより