【HHHvsHBKvsベノワ】その後のプロレス界を変えるWWE決死の挑戦!
この一戦が歴史を変えた。
今回はWWEの煽りVTRです。
こちらは2004年のレッスルマニアで行われたメインイベント
HHHvsショーン・マイケルズvsクリス・ベノワの三つ巴戦の煽りVTRです。
画質が悪いですがこれしかありませんでした。
プロレスはリアルとファンタジーの間が一番面白いと思っています。
そこで出されている感情は本物なのか、それとも演出なのか。
その間が不明瞭であればあるほど抗争はより深くなっていきます。
凶獣
挑戦者のクリス・ベノワ。
彼はカナダで生まれ、ブレット・ハートたちが育ったハート道場で鍛え上げた体と技術で新日本にも上がり、日米、いや世界中で確かな地位を築き上げました。
日本ではペガサスキッドやワイルドキッドとして有名です。
その後WCWやECWを経てWWEへ。
クリップラーの異名を持ち、活躍をしていたものの長年便利屋としての扱いが目立ち、これといった大きな功績はないままでした。
ところが2004年のロイヤルランブルマッチで1番手から最後まで残っての優勝という快挙を達成しレッスルマニア20のメインイベントへ駒を進めました。
当時の王者はHHH。長期政権を築くHHHの前についに立ちはだかった時、事件は起こりました。
ショーの主役
時を同じくしてロイヤルランブル当日、ベノワが優勝した試合の前に行われたのは世界ヘビー級王座戦。
挑戦者として出場したのはHBK(ハートブレイクキッド)の異名をもつショーン・マイケルズ。(以下、HBKとします)
90年代のWWEを牽引したスーパースターであり、試合に出れば自分も相手も輝きベストバウトを生み出す【ショーの主役(ショーストッパー)】と呼ばれていました。
その男がロイヤルランブルの大会では王座戦に出場。
HHH vs ショーンマイケルズ。
王者と挑戦者には長い歴史があります。
2人は若い頃からプライベートでもリング上でも仲良しであり時にはぶつかりながらも切磋琢磨してきました。
その2人が2004年、再び王座を賭けて戦います。
試合形式はラストマン・スタンディングマッチ。10カウント立ち上がれなかったら敗北、立っていた選手の勝利。
凶器攻撃や反則攻撃もアリな過酷な試合、勝ち抜いた選手は……
いませんでした。
技の相打ちから両者10カウント以内に立ち上がれず試合はドロー。ベルトの移動もありません。
当然納得のいかないHBK。
ロイヤルランブルマッチで優勝し挑戦表明をするベノワの前に立ちます。
王者は高みの見物
調印式にサインをしようとするベノワに『俺に挑戦権を譲ってくれ。納得いかない。』と詰め寄るHBK。
しかしベノワの答えは当然ノー。
その瞬間、HBKのキックがベノワを襲います。倒れるベノワを尻目にHBKは調印書に自分のサインをしてしまいました。
これが認められるわけもなく、ベノワとHBKは一騎打ちに。
しかし、試合中王者であるHHHが現れベノワを挑発。
気を取られたベノワにHBKのキック(スイートチンミュージック)が炸裂しHBKが勝利。
リングに入ってきた王者はHBKに必殺技ペディグリーをお見舞いしKO。
王者でありながら姑息な手段を取るのがHHHのやり方です。
挑戦者となり得る2人を奇襲で倒し、意気揚々と帰るところに現れたのが当時WWEのGMとして番組を仕切っていたストーンコールド・スティーブ・オースチン!
『めんどくせぇ!まとめて3人でやりやがれ!』
たったこれだけでレッスルマニア20のメインは3人が同時に戦う三つ巴戦に決定してしまったのです。
レッスルマニア、1年で最も大きな大会のメインイベントで三つ巴が行われたのは今大会が初。つまりWWEは新たな挑戦に踏み切りました。
プロレスファンの間では三つ巴や四つ巴は好評ではなく、あくまでエンターテイメントの範疇を超えないとされてきました。
それなのに祭典のメインに持ってくるという異例の事態!
20周年記念大会という節目で新境地を切り開くWWEの胆力にもアッパレです。
試合の行方
さて、当日の試合ですがハッキリ言って好勝負ではありませんでした。
歴史に残る名勝負でした。
中盤HBKとHHHが結託する場面もあり、大流血してしまうシーンもあり、ベノワが感情を爆発させ2人を追い詰めるシーンもありました。
観客はどうかと言うと、HHHとHBKの長年の遺恨より、ベノワのデビューから今に渡っての全ての努力が昇華する場面を見たい!そんな感情が会場に波を生み、彼を後押ししていました。
終盤、HBKを場外に落としたベノワを捕まえたHHH。必殺技にいこうとした瞬間、くるりと体勢を入れ替えベノワの必殺の関節技、クリップラークロスフェイスが決まります。
ロープに指がかかりそうになったものの、ベノワが体を上手く動かしリング中央へ戻します。
HHHはたまらずタップアウト!
この瞬間、クリス・ベノワの勝利そして王座戴冠が決定したのです。
開催地マジソン・スクエア・ガーデンの天井が爆発しそうなほどの大歓声に包まれ、ベノワは涙を流しながらベルトを手にします。
そこに現れたのは古くからの友人、エディ・ゲレロ。
彼もまた長い間日の目を浴びることがなかった苦労人です。
2人は抱き合い、紙吹雪が舞う中、最高のエンディングを迎えました。
しかし、この2人はこの数年後若くしてこの世を去りました。
エディは心不全、ベノワは一家心中という悲しい最期を迎えます。
この話はいずれまたしようと思います。
煽りVTRについて
WWEの煽りVTRはインタビューなどでなくスキットという試合と試合の間で行われるマイクパフォーマンスの映像が度々使われます。
こうすることでリングで起こっている事にフォーカスをあて、あくまで演出としての盛り上がりに徹しているように思えます。
しかしながら今回ベノワの半生が反映されたのはそこに至るまでのプロセスや活躍をファンが長年見てきたからです。
つまりベノワがランブル優勝からベルト戴冠までのストーリー、ではなく
選手の生き様や人生がWWEのストーリーに影響を与えたということだと思います。
そして、この試合以降、王座戦が三つ巴になることが多くなりその影響は日本のプロレスにも与えることとなりました。
エンターテイメントではWWEの右に出るものはいないと思っています。
だからこそ、どんどん真似をしていったらいいのではないかと言うのが私の見解です。
これからもファンが唸るような、興奮するような煽りVTR が生まれることでしょう。
そこに選手の人生が投影されるような熱い作品も紹介していきます。
次回もお楽しみに!
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