見出し画像

【棚橋弘至vs鈴木みのる】プロレスに正解はない

今回は新日本プロレスを紹介します。
まずこちらは2012年10月8日に行われた試合の煽りVTRです。

日本のプロレスは前回のアメリカンプロレスとは違い独特な緊張感を醸し出しています。
それは日本プロレスが長年スポーツとして認知されてきた結果ではないでしょうか。

新日本プロレスにおいて行われたIWGP選手権試合、棚橋弘至と鈴木みのるの一戦は、個人的にはこれ以降のプロレス界において特別な意味を持つ試合となったと思っています。
この試合に至る経緯、両選手の立ち位置、因縁、試合内容、そして煽りVTRについて詳しく考察します。

試合に至る経緯


2012年、棚橋弘至は新日本プロレスのトップレスラーとして君臨していました。
彼はIWGPヘビー級王者として、数々の名勝負を繰り広げ、プロレス界の顔とも言える存在でした。一方、鈴木みのるは、そのキャリアの中で数々の強豪と戦い、「鈴木軍」として知られるユニットを率いていました。
彼は自身のスタイルを貫き、ヒールとしての立ち位置を確立していました。

この年の棚橋は、かつての栄光を取り戻すために防衛回数を重ね、奮闘していましたが、鈴木みのるの挑戦を受けることで、再びその存在感を際立たせることとなります。
鈴木は、棚橋に対して「お前がやっているのはプロレスごっこだ。俺より弱い奴と、俺より弱いやつが戦って何が最強だ。お前の時代は終わった」と挑発し、両者の間に因縁が生まれることになりました。
この一戦は、ただのタイトルマッチではなく、両者のプライドがかかった戦いとなるのです。

棚橋弘至と鈴木みのるの立ち位置

当時の棚橋弘至は今現在と同じく「新日本プロレスのエース」としての地位を確立し、ファンの支持を受けていました。
一方の鈴木みのるは、格闘技とプロレスを融合させたファイトスタイルで、冷酷さと独特の試合運びで知られており、相手の心理を読み、試合を支配する技術に長けていました。

この二人の立ち位置は、まさに対照的でした。棚橋は「光」であり、鈴木は「影」。それぞれのスタイルが衝突することで、試合はより一層の緊張感を生み出しました。

プロレスごっこvsプロレス

事の発端は防衛を果たした棚橋に対しての鈴木みのるの挑発でした。
鈴木みのるは「今のプロレスはサーカスだ曲芸だと言われてる、それはお前がチャンピオンだからじゃないのか?」と言い放ち、棚橋のプライドを挑発。これに対し、棚橋は「俺が勝って黙らせてやる」と反発したことでIWGP選手権試合が決まり、両者の遺恨が深まったのです。

気になる試合の結末

試合当日、会場は熱気に包まれました。
鈴木みのるは開始早々から棚橋に襲いかかり、試合の主導権を握ろうとするが、棚橋も負けじと反撃し、技の応酬が繰り広げられました。
鈴木みのるのゴッチ式パイルドライバーや、棚橋のハイフライフローといったお互いのフィニッシュホールドが意識される中、棚橋が大きく動きます。
逆方向へのドラゴンスクリューを始めとした脚攻めを展開。
4の字固めを決めるシーンでは技を受けながらも『折ってみろ!』と挑発する鈴木みのるが印象的でした。


脚を引きずりながらも走ろうとする鈴木みのるの姿にファンから漏れるため息。
しかし一瞬の隙をつき鈴木みのる渾身のドロップキック!
流れが鈴木みのるに傾き始めます。


しかし最後は棚橋が最後の力を振り絞り、ハイフライフローを決めて勝利を収めました。
私が注目すべき点はこの試合、最後の必殺技が決まるまで1度もフォールがなかったということ。完全に相手を倒すまでカウントを取らない、それは両者に共有する信じてきたプロレスの意地だったのだと思います。

煽りVTRの考察

この試合前に放送された煽りVTRでは、鈴木みのるの過去の試合映像やインタビューが流れ、彼の冷酷さと勝利への執念が強調されました。
一方で、棚橋弘至の華やかな試合映像も交えられ、彼のエースとしてのプライドとファンとの絆が描かれました。
特筆すべきは棚橋のインタビューがなく鈴木みのるのインタビューのみが流れたということです。これについて私の憶測ですが、光のチャンピオンを倒そうとする影の実力者にスポットを当てることで両者の印象をイーブンにしたかったのかなと思っています。
棚橋のインタビューがあればきっと観ている人は『光が正しいんじゃないか』と本能的に思ってしまう。だからあえて『お前はプロレスごっこ』と言い切った鈴木みのるの覚悟に対して焦点を絞ったほうが視聴者は感情が揺さぶられます。
当時の棚橋は絶対的なスターであり王者。
ならどうしても反体制派、アウトローな選手が求められやすくなってしまう。
その感情を逆手に取り、鈴木みのるという影のスターを印象づけたのではないでしょうか。

この煽りVTRは、ただの対立構造を示すだけでなく観客に感情移入させる力を持っていました。


観客はこの戦いがただのタイトルマッチでなく、深い感情とプライドが交錯する戦いであることを理解し、試合への期待が高まったことでしょう。

棚橋弘至 vs 鈴木みのるのIWGP選手権試合は、プロレス界の中でも特に印象深い試合として記憶されています。因縁、立ち位置、試合展開、煽りVTR、すべてが絡み合い観客に強烈な印象を残しました。

プロレスごっこ、本物のプロレス、この辺りのテーマを放つことで世の中のプロレスファンは色々な角度から議論を交わしますが正解はないと思います。


ですが好きなものに対する理想をぶつけ合うこと、これこそがファン達にとっての贅沢な時間だとも思えるのです。

この試合は、プロレスの魅力を再確認させるものであり、今後も語り継がれていくことでしょう!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
↓現在このような【煽りVTR風結婚式ムービー】を制作しております。

興味のある方はぜひこちらからご依頼くださいませ!



いいなと思ったら応援しよう!