息子のオシャレ
ここ最近になって、息子の鏡を見る回数が増えた。
お風呂上がりに裸のまま、何度も変わらない髪を整えてみたり、
少ない持ち服で組み合わせを考え、鏡の前で見え方を確認したりしている。
最近のブームは、体操着の上にパーカーを羽織ること。
(今までは学校のジャージを着ていた)
手袋は指先が空いたものをすること。
もしかすると、息子だけのブームではなく、クラス、あるいは学校でのブームかもしれない。
思えば自分の頃も、謎のブームが存在した。
私が小学生の頃は、“男子は上下メーカーのジャージ” を着るのがイケてる証拠だった。
校則の厳しかった中学でも、謎の流行りがあった。
オーバーサイズのジャージを着る事。
ハイテクスニーカー(靴だけは、自由だった)を履く事。
チャックのツマミ部を壊し、カラークリップに変える事。
雁字搦めの決まりの中の、ささやかな余白で精一杯『オシャレ』をしていた。
これまで服への要求は「楽であること」「着心地がいいこと」だけだった息子のオシャレへの目覚めが、嬉しくもあり、ほんの少しだけ、寂しくもある。