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グローバルリーダーシップ~ビジネスリーダーの絶対要件

2020年11月26日(木)のMBA Essentialsのレポートです。

今回は、大滝令嗣先生による、
「グローバルリーダーシップ~ビジネスリーダーの絶対要件」
です。

大滝先生については下記を参照ください。
https://www.waseda.jp/fcom/wbs/faculty-jp/6069
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%BB%9D%E4%BB%A4%E5%97%A3

今回の講義で重要だと思ったのは下記の点です。

・リーダーシップの基本3要素を押さえること
・経験を積むことにより基本3要素を大きくしていくこと
・企業としてどこを目指すのかを明確にして採用・育成戦略を立てていくこと

〇 リーダーシップの基本3要素を押さえること
リーダーシップの基本3要素とは、

・Videon / Direction (ビジョンを作り、伝える力)
・Community (巻き込む力)
・Values (オーセンティシティ)

の3つです。

以下一つ一つ説明していきます。

* Vision / Direction (ビジョンを作り、伝える力)
ビジョンとは、

「組織の理想的な将来像を明確にし、人をワクワクさせ、奮い立たせるメッセージ」

のことです。

大滝先生も、
「数字を語るとみんな下を向く」
「夢を語ると生き生きとする」
ということを経験として語られていたので、みんなを生き生きとさせる夢、と捉えても良いと思います。

ただ、ビジョンづくりにもコツがあり、下記のガイドラインが紹介されていました。

・長期的なゴールをイメージする
・ゴールはなるべく高く、到達可能なものにする
・なぜ(Why)我々はこれを目指すのか、が1番
・どんな状態(What)に到達するか、が2番
・どう(How)到達するか、が3番

また、ビジョンはスピーチではなく、「物語」で伝えることが重要、ということもおっしゃっていました。
なので、Whyの部分が余計に重要になってくるのだと思います。

* Community (巻き込む力)
こちらは、人(フォロワー)を巻き込んで実現していく力のことですが、ここで重要なことは

「フォロワーが全員、盲目的な支持者でないことを自覚しておくこと」

です。

大体、下記のような形になり、抵抗者もいれば、傍観者が最大だったりします。

・支持者: 20%
・抵抗者: 30%
・傍観者: 50%

ここで重要なことは、

・支持者を過大見積もりしない
・抵抗者を過小見積もりしない
・傍観者の扱いに細心の注意を

ということです。

傍観者は、状況を観察していて、支持者にも抵抗者にもなりうるので、注意をして扱う必要があります。

その中で、どう動けば良いか、ということですが、

・支持者を熱狂的にする
・シンボリックな抵抗者に力を使う

というあたりをおっしゃっていました。

抵抗者に関してはこういうことは別のところでも言われており、抵抗者のボスと分かりあえれば、みんな見方になってくれる、という話は自分も幾つか聞いたことがあります。全方位作戦ではなく、戦略的に進めていくことが重要、ということだと思います。

また、適応課題(=根本的な価値観の転換を必要とする真の課題)の重要性についても触れられており、

・俯瞰して物事を見る
・適応課題に気づき、明確にする
・自分事になるように促す
・少数意見、提案に道を開く

といったアプローチを通じて、フォロワーと対話を通じて適応課題の解決をしていく、ということの重要性が語られていました。
技術的課題は、学習によって解決することが可能ですが、適応課題は、価値観の転換が必要なため、対話をしながら導いていくことが重要なのだと思っています。

* Values (オーセンティシティ)
オーセンティシティとは何か?というのは説明がちょっと難しいのですが、下記の記事が参考になったので貼っておきます。

http://www.yuzuwords.com/2017/11/29/authenticity%E3%80%80%E8%87%AA%E5%88%86%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%95/

講義では、下記のような文章で紹介がされていました。

「不確実な時代に成果を継続的に出し続けるためには、リーダーはいろいろなものや、いろいろな人にならなければならない。うまくやる秘訣は、自分自身に忠実であり続けながらそれをやってのけることだ」

簡単に言うと、

「やらなければならない」ことと、「私がしたい」ことを一致させ続けること

ということです。

なぜかというと、これが出来ていないと、リーダーが言行一致しなくなってしまい、信用できなくなってしまうからです。なので、リーダーは、自分のことを深く知り、本当に自分が情熱を持ってやりたい、ということをベースにビジョンを語る必要がある、という風に自分は解釈しています。

〇 経験を積むことにより基本3要素を大きくしていくこと
〇 企業としてどこを目指すのかを明確にして採用・育成戦略を立てていくこと
こちらはまとめて一緒に説明していきます。

まず、企業として、グローバル化のゴールをどこに設定するのか、というのが重要となります。
そのため、下記のような分類が紹介されていました。

グローバル化は、世界的統一性とローカル市場対応力の2軸で捉えた4象限とした場合に、下記の4つに分けることが出来ます。

・インターナショナル企業 (世界統一性: 低 / ローカル市場対応力: 低)
こちらは、輸出モデルで、海外展開の初期段階によく表れるスタイルです。日本で売っている商品をそのまま海外に輸出するようなパターンです。

・マルチナショナル企業 (世界統一性: 低 / ローカル市場対応力: 高)
こちらは、各国に支社を置いて、開発や販売なども支社に任せてしまうケースです。

・グローバル企業 (世界統一性: 高 / ローカル市場対応力: 低)
こちらは、統一された商品・サービスを各国で販売しているケースです。コカ・コーラなどが該当します。(ローカル対応もしてはいますが、基本は)

・トランスナショナル企業 (世界統一性: 高 / ローカル市場対応力: 高)
こちらは、同じブランドを世界で展開しながらも、積極的なローカル化を行なっているケースです。Nestleなどが該当します。

講義では、後者の2つに関してGBL (グローバルリーダー)の採用と育成について語られていました。

・グローバル企業
本社採用でグローバルリーダーを育てることが一般的で、現地採用からGBLになることはほとんどない、とのことでした。世界統一性を重視するので、これは自然なことに思えますね。

・トランスナショナル企業
こちらは、GBL候補の人を現地の人も含めて採用して、多国籍なGBL人材を育てていく形になります。最終的にはかなり細かなローカル市場対応をする必要があるため、現地人材を重要視していることが分かると思います。

企業としては、どういったグローバル企業を目指すのかによって、採用や育成の戦略が異なってくる、ということですね。

また、細かい違いは色々あるものの、グローバルリーダーとして育っていくためには、上記のリーダーシップの基本3要素を踏まえて、下記のステップとなってきます。

・リーダーシップスキルの習得
まずは、最初に述べたリーダーシップの基本3要素を備えた人材になる、というところが最初のステップです。

・リーダーとして国内での成功体験
上記のスキルを得た上で、国内で成功体験を積みます。この過程で、基本3要素の枠を大きくしていきます。(より大きなビジョン、より大きなCommunity、よりオーセンティックに)

・グローバルリーダーシップの獲得
その上で、他国文化に対するインテリジェンスや、特に英語でのコミュニケーション力を上げていき、最終的にグローバルリーダーシップを発揮できるようになっていきます。

ここで重要なことは、色々な経験を入れながら、リーダーシップの基本3要素を大きくしながら成長していくことだと思いました。

〇 まとめ
まずは、リーダーシップの基本3要素のスキルを得ていくことが最も重要で、それを大きくしていきながらグローバルリーダーになっていく、という形が本講義で語られていた内容かな、と思います。
ただ、基本3要素も難しいことではあるので、書かれているような適応課題を自分自身に対しても解決しながらやっていくことが重要なのだと感じました。課題があることにすら気づけなかったりするので、自分自身に対して謙虚になる必要がある、という風に思います。

大滝先生、多くの学びをありがとうございました。

次回は2020年12月2日(水)「イノベーション」(根来龍之先生)です。

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