見出し画像

港のある街で

「この島に来た理由」
というのを毎日色んな人に聞いてもらえる、そんな出会いの多い日々が続いている。

場面や相手に合わせて、伝え方の切り口を意識しているつもり。

主に、
・観光に興味がある
・規模の大きい自治体では掴めないような社会の仕組みを、島で学びたい
・2024年も休学をするため時間がある
・島暮らしを体験したい(ご近所付き合いとか、農・漁など)
などであるが、

今日不意に「逃げたかったんです」っていう言葉が口をついた。
そんな自分に驚いたが、紛れのない本心である。だからより動揺した。

『港町マルムスク』

去年の今頃の時期に『港町マルムスク』という短編映画を観た。

フランス南部マルセイユの旧港の街を舞台にした作品だった。
家から脱走してしまった飼い猫を捜す女性ヴィルジニーと、スマートフォンを通して夫に盗聴・盗視をされているのではないかと疑う女性エリナとのやり取りを中心に、ストーリーが展開していく。
エリナは、夫に内緒で他の男性と連絡を取っている事を人に相談したいが、そのような会話の内容は誰にも聞かれてはならないため、ヴィルジニーとともにカヤックを漕いで海に出る。
海の上にいると、誰にも明かしたくない秘密の心境であっても、本音を織り交ぜながら語り合うことができるようである。
本作品にとっての「海」は、ヴィルジニーとエリナを現実世界の騒ぎから一時的に遠ざける、安全地帯としての意味合いが持たされていると印象に残った。


私にとっての島体験は、まさにそういう「海」なんだろうなと思った。

陸(=これまで過ごしていたフィールド)から離れて初めて冷静になることができ、自分自身を徐々に認識するようになり、行動を考え直すことができるのかもしれない。

私は海に逃げ帰り、海に救われるのかもしれない

と、最近の生活や出会いを通して、
また、沖縄にいる時から大好きな海を通して
悶々と考えていました。

My FFFが始まる

去年の今頃自分が書いた映画のレビューが、こんなところで使えるとは思っていなかった(一時期とても熱心に書いてました)。

明日からオンラインのフランス映画祭「My FFF」が始まる。だからなんとなくワクワクしていて、それで映画と結びつけて何か書きたいなと思い、急いで投稿してます。

海辺から海を望む人々のゆったりとくつろぐ空間や、時間の流れの心地よさ、陽光を浴びる幸福感。そのような『港町マルムスク』のような風景は、今の海士は見られないかなあ。。。

夏まで、いや、1年くらいここに居てみても面白いだろうなと思ったり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?