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笑福亭鶴瓶さんに憧れがあるという話

“自分がMCをする立場だったら”と仮定したうえで、どういうタイプの芸人さんになりたいかを友人と考えたことがある。

いろんな方に思いを馳せたのだが、最終的に私は“笑福亭鶴瓶さん”がいいなと思った。

誰にでもフランク。
親しみやすさ。
案外毒も持ち合わせているけれど、それを一見感じさせない柔らかい物腰。

私も自分で番組を持つ(と仮定した)なら、Aスタジオや家族に乾杯、きらきらアフロみたいな番組がいいなと考えていた。

ところで先日、地元の小さい集落で餅撒きに参加した。
基本的に私より年上のおじいちゃんやおばあちゃん、おじさん、おばさんしかいない集落なのだけれど、そこでウン年ぶりにひとつ年上の先輩に久しぶりに再会したのである。

「おお、久しぶりやん!」

突然、声をかけられた私。
一瞬でいろんなことが頭を駆け巡った。

小学生の時は普通にタメ口だった、絶対に。
中学校、高校ではどうなんだったけ?
敬語?
そもそも先輩って呼んでたことあった?
中高の喋り方を思いだしたとて、今もその喋り方でいいの?
わからない……
わからない上になにも思い出せない……

約一秒の短くて長い間。

「お、お久しぶりです」

がちがちの苦笑い。
マスクがあってまだよかった。
しかし絶対に伝わっている緊張感。
陰キャを遺憾なく発揮してしまった。
私ってやつは本当に──

餅撒きの最後、大量のお餅とお菓子を拾っていた私に
「めっちゃ拾ってるやん」
と笑いながら声をかけてくれた先輩に
「へっへー!」
と返事することはできた。
陰キャの割にはよく頑張ったほうだと思う。

私が笑福亭鶴瓶さんになるには、まだまだ先が長そうである。

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せんぱい が とびだしてきた!
 たたかう
 じゅもん
 どうぐ
▶にげる

──にげられない!!
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