温かな休息所
The White Lounge in CINEMA.
初日舞台挨拶中継にて参加。
本公演及び映画化、そのメッセージや特性について。
ツアー中と比べ余分な着色が無く、とても良い形で映画に落とし込めていると思う。
それにも関わらず、より大衆に伝わりやすいものになったと感じる。
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TWLツアー中
実際のライブとして同じ空間で行われること、事前情報が無いこと故の衝撃から少し厳かで、またコアなファン層が集まりやすい仕組みから曲の歌詞を改めて反芻させる、何か彼からの啓示とでも言うような「伝えたい」を感じさせる雰囲気だった。
複雑に散りばめられた要素やストーリー性に小さな変化やこだわりから、体感することの心地良さに加え僅かな違和感、まさに本ツアーの初期構想である「リミナルスペース」で感じるような不気味さを味わえる。
公演後に残る数々の疑問を解くために参加者は様々な考察を行わされる。その過程で自然とこの公演のメッセージや歌詞の意味を反芻していく。
自然と歌詞を読みながら公演での光景を思い出し、
その歌詞がどんな世界観の中に落とし込まれたものなのかを何度も何度も追体験し直すように。
実際、初めて鑑賞した時には
「こんな世界観のこの場面が当てはまるよなぁ、
こんな感情を意図して書いたのかなぁ」
と想像していた歌詞の世界観が目の前に映し出されたような感覚を覚えた💭
"彼らはこのツアーに明確なひとつ限りの意味を持たせたい訳では無い。"
何か不思議な体験をさせたい、さらに大元を辿れば「自分達が面白いと思えるもの」を作りたい。そんな思いから生まれたものであって、結果としてこの真新しさと古から伝わる「歌詞」のメッセージ性を上手く混じり合わせたツアーが生まれた。
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映画化
映画になった所感は冒頭に記したように、
「余分な着色が無くとても良い形で映画に落とし込めながら、より大衆に伝わりやすいものになった」
というもの。
追加シーン
完全新規の要素もあれど、大半がツアーという実際の空間で表現するには足りなかった、曲前後の世界観の構築がより明確になるようなものだった。
近距離の撮影ではツアー中遠くの席からは見られなった各々の表情の変化や仕草が見え、その時にはどんな感情や思いを表していたのかをさらに分かりやすく示されていた。
そして完全新規の映像。答えを言うのではないものの、後に繋がる演出がどう言った意図なのか思いを巡らせやすい映像だった。
また、実際のライブに入るまでのテンポを空けることで、実際の会場より状況を理解し目の前のことを受け入れ噛み砕いていく時間を作る役割も果たしている。
映像
普段の映像作品との違いとして、The White Lounge in CINEMAでは歌詞が常に表示されていた。
実際のツアーよりもライト層向けに、映画になったことを考えればそれこそミセスのコンテンツで1番開かれたものに躍り出たことを考えれば、曲や歌詞を知らない人は大勢いるはず。
彼らも自然と歌詞の意図やそれを拡張した世界観を味わいやすいような演出と言える。
そして意外だったのが、CGが1曲でふんだんに使われていたこと。CHEERSのMVを思い浮かべてもらえるとかなり近い。
このような表現は、一見今回のツアーには見合わないが悪目立ちすることも無く、このツアーのアイデンティティを失わせずに見やすいものになったのでは無いだろうか。
映画
途中に書いたように、ミセスのコンテンツで1番開かれたものになりながら、彼らの本質を1番届けられる形でありながら、見やすい作品に収められた印象。
歌詞を如何に届け、体感し、1人でも多くの人生をより豊かに、少しでも温かいものにするために。
勇気を持って、ドアを開け歩いてゆけるように。
独りじゃないと思えるように。
それを叶えるための彼らの最適解が、このツアーの映画化なのではないだろうか。
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