図14

~自由度を制限することで自由になれる!?~

こんにちは。

毎日、忙しくも充実した日々が続いております。

KNERCにきて、改めて感じることがあります。

それは、

「動くためには動かないことが大切である」

ということです。

ん??どういうこと??ってなるかもしれません。

脳卒中により運動麻痺を呈した方は

「もっと楽に手足を動かせたらなぁ」

「思うように手足を動かしたいなぁ」

という、「動かない」ことに悩みを抱えておられます。

そんな時に、手足を動かす練習はもちろん大切ですが、姿勢制御の観点からみると、「動かない」能力も大変重要です。

どういうことか。例えば、


これを読んでくださっているあなた。


「手をパーにして90°前に出してください。」

「そして、人差し指を動かしてください。」



この時、どうですか?

人差し指を動かすことはあなたが”意識”して行ったことだと思います。

では、人差し指以外の4本の指はどうですか?

動かないように意識していましたか?

その時の手首や肘は?

動かないように意識してましたか?

おそらく、多くの方は意識することなく人差し指以外の4本の指や、手首、肘などが動くことなく留まっていたのではないでしょうか?

つまり、意識して動かすためには、それ以外の身体部位を無意識に制御しておくことが必要です。

これが”姿勢制御”です。

多くの患者さんは、手足を意識的に使おうとすると、腕や足全体を塊のように使いますよね?

これは動かしたいところ以外の場所を留めておく能力が乏しいからです。

※もちろん手足自体が動かない麻痺の問題もありますよ。

ですので、治療の発想としては本当に「動かしたい」部位、以外は「動かない」ようにしてあげることが大切です。

動かないところがあるので、動くところが分かります。

そして、これが選択的な感覚入力(手足だけ動くというような感覚)に繋がります。

手足全部がひと固まりに動くのはトータルな感覚入力にしかなりません。


治療ではMobilityよりもStabilityをどのように生み出すかを優先して考えることが多いです。

ですので、このように自由度を制限することで、自由に動ける感覚入力を促します。

セラピストが随意運動(意識して動かす運動)を出させることは難しいです。随意運動を出すのはあくまでも、本人です。






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はらかずみ
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