JAZZを聴くきっかけになった男の話;結局こういうこと?
横浜のdown beatで2時間ひたすら聴き込むということをやったあと、県立図書館に戻る途中、Jazzってこういうこと?と、友人に聞いてみた。
「あのさ、曲のテーマというかタイトルフレーズがあってさ、最初それ演奏するよね、でもってさ、その後はコード進行は基本同じだよね。」
「でさ、そこから先は例えば32小節とか64小節、リード楽器がそのコード進行にのってアドリブで演奏するでしょ、でその後はまた別の楽器だったりパートだったりがやっぱりアドリブで演奏する。」
「ここからは、ベースソロねとか、その後はドラムソロでいこうとか、で最後はタイトルフレーズを皆で演奏して終了。見たいな感じなの?」
「そうそう、そんな感じよ」
「なるほど、ってことはだ、教科書的なフレーズを再現するというよりも、その時その時の演奏者の感性だったりその場の雰囲気だったりして演奏は変るわけね。ってことは全くおんなじ演奏ってのもはほぼ存在しないと・・」
「そういうこと、そういうこと」
「ってことはだよ、レコードに録音されたものはもちろん同じ演奏を聴けるけど、生演奏の場合、リハーサルをしても本番では全くおんなじように演奏しようってわけじゃないんだよね。毎回違う演奏になっちゃうわけよね」
「そうなりますね」
「おぉ、これさ、めちゃくちゃ楽しくない!演奏している人とかお客さんのノリとかで変わるって面白いよね」
「そうそう、そこなのよ・・・」
「なるほど、なるほど、そういうことか・・・だからなおさら難しく感じたんだなぁ。おんなじこと練習してそれを再現するってことしか俺やってなかったかならぁ。凄い世界だね。」
なんてことを話していたんじゃないだろうか。
いずれにしろ1回目のJAZZ喫茶で、その面白さに嵌りだしたのだ。
そうはいっても全く知らない世界。どこから入っていったらいいのかが分からない。
「どの辺から入っていったらいいのかなぁ?」
「そうねぇMJQとかいんじゃない。」
「なにそれ?」
(手元にレコードが残っていた・・・)
「Modern Jazz Quartetの略。4人組でメインがビブラフォンで演奏しているんだよ。ジャンゴって曲が有名だよ」
「なるほど MJQね・・・」
もしかしたら初めてJazz喫茶に行ったときに聴いていたのかもしれない。しかし早い段階で聞いたはずで、ビブラフォンの綺麗な音と演奏者のやりとりみたいなものが音を通して目の前にイメージが浮かんでくるような感覚を味わったのだった。
面白い。それから色んなアルバムを聴いてみたい気になっていった。
誰を聴けばいいの?なんて曲?なんてことを色々質問していったのだ。
彼はサックス奏者だったから、やはりサックス奏者のアルバムなどを教えてくれた。
アート・ペッパーやジョン・コルトレーン、ソニー・ロリンズといった巨匠たちのアルバムを最初のころはよく聞いた気がする。
ピアノではやはりビル・エバンスを良く聞いた。
「もぉねぇ、ビル・エバンスって行っちゃっててさ。薬やりすぎで死んじゃったんだよね」なんてことも教えてくれた。
それからしばらく横浜のJAZZ喫茶に通うことになる。
最初に行ったdownbeatしかり、また横浜でとにかく有名な「ちぐさ」にも行った。
勉強と称しては、桜木町に行って・・・
これじゃぁ大学が遠のく訳だ。