ロシアの情報戦 その78:鮫島浩@SamejimaH


【概要】

元職は朝日新聞で、新聞協会賞を受賞したことがあるそうです。現職は独立ウェブメディア『#SAMEJIMATIMES』の運営。以下の記事にコメントしてみます。

1本目:米国の覇権を守るために犠牲となるウクライナと日本
2本目:「新しい戦前」を考える

【1本目コメント】

<鮫島氏の主張①>
米国は中国との覇権争いを制するために日本を戦略的に利用することしか考えていない。岸田政権が日本国憲法の専守防衛を逸脱する「敵基地攻撃能力の保有」を打ち出したのは、日本列島を周辺国の攻撃から守るためではなく、米国から巡航ミサイル・トマホークを大量購入して国内に配備し、米国の軍事オペレーションの選択肢を広げるためであるーー。

<私のコメント①>
鮫島氏はウイグル・ジェノサイドを知っているのだろうか?悪魔化した中国共産党の浸透をこれ以上放置するわけにはいきません。アメリカが戦おうが戦うまいが、日本は台湾と共に台湾有事に対応する必要があります。

++++++++++++++++++++++++++++++++

<鮫島氏の主張②>
さて、ここからが本題だ。米国の覇権争いに利用されている存在として、白井さんや中島さんは日本とウクライナを重ね合わせる。「アメリカは自らの犠牲を最小限に抑えながら、ロシアの力を大きく削ぐことに成功しつつある」「自軍から犠牲者を出すことなく、従属国に血を流させて敵対的な大国を弱体化させる戦略」と指摘したうえ、「これを東アジアに応用し、中国に対する覇権争いを展開しようというのがアメリカのもくろみだ」というのだ。

<私のコメント②>
プーチン政権ロシアによるウクライナ侵略を「米ロの代理戦争」と捉えることには、反対です。そもそもロシアはNATOのライバルではないので。

中華人民共和国が台頭した2023年時点の東アジアの情勢において、懸念される台湾有事が米中間の代理戦争の様相を帯びる、というならそれはそうだと思います。

米国が戦おうが手を引こうが、日本には中華人民共和国の支配を受け入れるという選択肢はありません。中共は甘言を弄して浸透を試みるでしょうが、これも突っぱねる必要があります。放置すれば政治/官僚/経済/メディア/警察への浸透が続き、抵抗できなくなった段階でジェノサイドに晒されることになります。

++++++++++++++++++++++++++++++++

<鮫島氏の主張③>
一方、ウクライナのゼレンスキー政権が米国に従属し、米国から武器を大量購入することで隣国ロシアとの軍事的緊張を高めて軍事侵攻を誘発し、停戦合意をめざすどころか逆に米国への軍事的依存を深めて戦争を泥沼化させていることも事実である。バイデン政権が描く①ロシアを挑発して開戦に踏み切らせ、ロシア包囲網を構築して米国優位を確立させる②米国の武器を大量支援して米国軍事産業を潤わせるーーという国家戦略に、ゼレンスキー政権は組み込まれて利用されてしまったのだ。

<私のコメント③>
マイダン革命~クリミア強奪~ドンバス紛争の経緯をご存じない様子です。プーチン政権ロシアがウクライナに対して覆面介入で低強度紛争を強制してきています。それに対応するために、米国がウクライナに対して軍事支援をしてきています。

プーチン政権ロシアによるウクライナ侵略は、大国コンプレックスを深層の動機とする侵略であり醜悪無比なる犯罪です。この出来事について、「米国の軍事支援がロシアの反発を招いた」との珍妙なる解説を流布することは、ロシアの責任を米国に転嫁するプロパガンダになります。

++++++++++++++++++++++++++++++++

<鮫島氏の主張④>
ロシアの暴挙は許し難いにせよ、ゼレンスキー政権が米ロとの外交を通じて開戦を防ぎウクライナ国民の命を守るという政治の究極の役割に失敗した事実を見逃してはならない。重要なのは米国への依存を深める軍備増強ではなく戦争を未然に防ぐ平和外交だったのだ。

<私のコメント④>
「プーチンが悪い。しかしウクライナも・・・。」という語り口は、ロシアのプロパガンダに加担する輩の常套文句です。下手な芝居ですね。

「プーチン政権ロシアとウクライナが戦争状態に陥ったことは、ウクライナ側の外交の失敗にある」との主張はコミカルですね。「ナチだから」といって軍事侵攻してくる馬鹿者を相手にどんな外交が可能だったというのでしょう?プーチンは最初からやる気だったのです。この記事、小学生新聞なら「頑張ったで賞」すら取れないでしょうね。

反省すべき点は、力の信奉者であるプーチンに「ウクライナを侵略できる」と思い込ませてしまった点にあります。といっても、ピクニック気分でキーウに侵攻してきて反撃を喰らい大損害を出して撤退するような判断能力の持ち主に対して、「簡単に侵略できる相手ではない」と認識させることもまた難しいのではありますが。

更に言うと、広くは語られていませんが、事ここに至るまでプーチンを甘やかし続けた国際社会も反省するべきです。クリミア強奪の際には、日本もまたプーチンを増長させる外交を展開しています。

++++++++++++++++++++++++++++++++

<鮫島氏の主張⑤>
米国が流布する「ロシア=悪、ウクライナ=正義」の善悪二元論を信奉し、ゼレンスキー大統領を英雄視している限り、国際政治の冷徹な現実を見抜くことはできない。ウクライナ戦争は第三世界の台頭に怯える米国が自らの覇権を守るための戦争なのだ。

<私のコメント⑤>
このロシアのウクライナ侵略に関しては、善悪二元論で語ってよいと思います。「ウクライナも悪い」などと言える要素がない。

殺人/拉致/洗脳/女性への暴力/都市破壊/窃盗/地雷埋設/脱糞/敗退。別の動物かと見まがうほどの醜態をロシア軍は繰り返しています。

鮫島氏が見ているのは「国際政治の冷徹な現実」ではありません。見ているのは世間知らずな50代男性の妄想です。

++++++++++++++++++++++++++++++++

<鮫島氏の主張⑥>
ゼレンスキー政権を全面支持して米国が操るウクライナ戦争に加担した国会決議やゼレンスキー大統領を英雄視したマスコミ報道は間違っていたと総括しない限り、岸田政権の対米追従路線を食い止めることはできない。与党だけではなく野党もマスコミも共犯である。リベラル層はその事実を直視しなければならない。さもなくば私たちはウクライナと同じ道をたどることになろう。

<私のコメント⑥>
鮫島氏はウイグル・ジェノサイドを学ぶべきです。悪魔化した中国共産党の浸透をこれ以上放置するわけにはいきません。アメリカが戦おうが戦うまいが、日本は台湾と共に台湾有事に対応する必要があります。

【1本目まとめ】

プーチン政権ロシアによるウクライナ侵略は、冷徹な計算でも覇権主義のぶつかり合いでもなく、大国コンプレックスと妄想と性悪な根性の発露です。

鮫島氏は、ドンバス紛争の経緯を理解していないまま妄想を交えながら記事を書いたのでしょう。見るべき主張はなにもありません。

中国とロシアという共産主義を経験した国が、なぜ同時期に独裁者を生み悪魔化していったのか、何等か共通の要因があるのかは分かりません。プーチン政権ロシアがウクライナで繰り広げる醜悪な犯罪は異常です。そして、習近平政権がウイグルで繰り広げるジェノサイドの悪魔性は、ウクライナ侵略を上回ります。

日本はこれから台湾と共に台湾有事に備える必要があります。政治/官僚/経済/メディアに対する浸透はすでに始まっています。こういった側面も、鮫島氏はおそらく見えていません。

【1本目の補足:1 外交の失敗】

<概要>
プーチン政権ロシアによるウクライナ侵略について、鮫島氏はウクライナ側の外交の失敗を指摘していました。これに対する著名Twitterアカウント各位の指摘を紹介します。

①軍事ライター・JSF氏の指摘は以下の通りです。

②ウクルインフォルムの編集者である平野高志氏の指摘は以下の通りです。

【2本目コメント】

<鮫島氏の主張①>
ロシアがウクライナに軍事侵攻した昨年2月以降、「ウクライナ=正義、ロシア=悪」という善悪二元論が日本社会を席巻した。

<私のコメント①>
ロシアのウクライナ侵略は絶対悪です。すべて嘘。異常な残虐。醜悪の極致。

++++++++++++++++++++++++++++++++

<鮫島氏の主張②>
国連の常任理事国であるロシアが自ら軍を動かして国際秩序を崩すことは断じて許されない一方、ウクライナ政府が国内のロシア系住民を抑圧し、米国の軍事支援を受けてロシアとの軍事的緊張を高め、開戦を招いたのも事実である。外交努力を尽くして戦争を回避し、ウクライナ国民の生命と安全を守る国家としての責務を果たせなかったゼレンスキー政権の政治責任は免れない。

<私のコメント②>
ロシアが提示する虚構をそのまま喋っています。鮫島氏の言動はロシアによるプロパガンダへの協力であり、虐殺への加担です。

ドンバス紛争自体がロシアが意図的に起こした謀略です。ウクライナを影響圏内に置こうとした帝国主義的野心が動機です。三流国家の大国コンプレックスです。ドンバス紛争の停戦協定であるミンスク合意は「ロシアの覆面介入を明記していない」という嘘が含まれています。そしてミンスク合意を破棄したのもロシアです。ロシアはすべて嘘。

クリミア危機を糾弾してこなかった国際社会の甘い対応もプーチンの増長を招きました。日本外交にも問題があったのです。ゼレンスキー政権の外交が侵略を招いたなどという主張はただの放言です。

++++++++++++++++++++++++++++++++

<鮫島氏の主張③>
戦後日本に当たり前のように定着してきた「言論の自由」が崩壊している現状が露見したのだ。

<私のコメント③>
民主主義国が尊重する「言論の自由」を悪用するのがロシアの作戦です。ロシアは虐殺を繰り返しては嘘を繰り返します。そして民主主義国の平和主義者に「言論の自由を守れ」と吹き込みます。

ロシアの嘘の相手をすることは、相手の術策にハマることです。掲げている主張はすべて嘘です。「撤退しろ。謝罪/賠償/処罰についての話し合いはそれからだ。」とだけ言えばよいのです。侵略が継続中の時点でそれ以上のことを言う必要はありません。

++++++++++++++++++++++++++++++++

<鮫島氏の主張④>
私は国会が与党一色に染まって反対意見を抑圧する戦前の「大政翼賛体制」が復活しつつあると『SAMEJIMA TIMES』で繰り返し警鐘を鳴らしてきた。それがさらに具現化したのが今年の国会である。

<私のコメント④>
民主主義国は議論を尊重するので、異論の出ない状況を本能的に警戒します。

相手がロシアの場合は「主張は全部嘘/やっていることは虐殺」なので異論がほとんど出ない状態が正常です。日本では麻原ショウコウに対する死刑判決にほとんど異論が出ませんでしたが、別にそれで民主主義が危機に陥っているとは思いませんよね。それと同じです。プーチン政権ロシアによるウクライナ侵略は絶対悪です。

異論が出ないことを批判するのは不適切です。プーチン政権ロシアが実施している侵略と虐殺を擁護するなら、具体的に主張しましょう。

【2本目まとめ】

ロシアの情報機関は国外の平和主義者もインフルエンス・エージェントとして活用するそうです。

「ロシアは平和を望んでいる。冷戦終結以降の西側の対応には問題があった。ロシアの言い分に耳を傾けよう。」みたいなことを吹き込んでくるのでしょう。その平和主義者がその通りの記事を書いてその国の対ロシア世論が軟化したら、ロシアとしては大成功なのです。

ロシアはこうして国際世論を混乱させ、その間に虐殺を繰り返します。鮫島浩は虐殺に加担しています。

いいなと思ったら応援しよう!