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若い劇伴作家のためのバンド楽器案内 #8
アコギ編 そして最終回
アコースティックギターです。
こちらもいろんなメーカーがあるので、身も蓋もありませんが、プレイヤーの方に相談しておまかせというのが正しいかと。
それを前提にそれでも相談するときの足しになればというようなことを
書いてみます。
最初の分岐はスチール弦のギターかナイロン弦のギターか ですね。
これはまったく違います。
ナイロン弦のギターはクラシックギターとかガットギターと呼んだりもします。ということで、クラシック的な曲にはナイロン弦のギターですね。そのほかボサノバとかフラメンコとかもそうです。
柔らかい、甘い音がします。
指弾きが基本ですね。
こちらはクラシック楽器でもあるので、ぼくにはどのメーカーがいいとかぜんぜんわかりません^^;
エレガットというピックアップがついたものもあって、ポップス系のライブではこちらが使われることが多そう。メジャーなギターメイカーはどこでもつくっていると思いますが、エレガットに特化(じゃないのも出してますが)してる感じのメーカーにGodin(ゴダンと読みます)があります。音いいです。Taylorのエレガットも良いですね。
で、ナイロンと指定しない限り、アコギといえばスチール弦のギターのことになります。フォークギターとよんだりもします。folk guitar って英語で通じるのかと思って検索してみましたが、使わなくはないよう。でもあまり言わないような気もします。劇伴とかロック系の曲とかで使うのにフォークギターを弾いてくれって英語はないかなあ。アコースティックギターですね、きっと。
エレアコや、見た目は完全に普通のアコギなんだけれどピックアップがついているものがあったりもしますが、レコーディングではマイクを立てて録音するのが基本です。ピックアップを使ってのライン録音は、もしやったとしても補助的にと考えたほうがよいかと。使えるくらい良い音の場合もありますが。基本、ライブ向けの仕様ですかね。
ということで、アコギは楽器選びもあるけれど、レコーディングではマイクやマイキングやスタジオの環境による音の違いも大きいかな。
その辺りはエンジニアさんと相談です。
そんなわけで、スチール弦のアコースティックギターについても、楽器選び、マイキングなどなど、ギタリストにお任せしていくのが安心なのですが、それではあまりに無責任だし、ちょっとでも会話が弾んだほうが良いかと思う人もいるかと思うので笑、若干、楽器の話。
前回のベース編の時にちょっと書きましたが、いつものようにざっくり言うとアコギは、
Gibson か Martin か
です。
もちろんその他たくさん良いメーカーありますがおおもとはこの2大メーカーです。ちなみにYAMAHAとかTAKAMINEとか日本のメーカーのアコギもとても良いです。90年代にNYとかロンドンの楽器屋に行って、良いアコギない?って聞くと日本製を紹介されたものです笑
さて、Gibson か Martin か。
どちらも歴史も長く、検索すれば山ほどモデルが出てくると思うので、そこでめげると思いますが、いわゆるGibson のアコギ、Martinのアコギってことで言うと (これも諸説あると思ういますが、ざっくり一つずつ)
Gibson / J-45
Martin / D-28
この二つを覚えておきましょう!
音のことなので、また言葉では説明しにくいですが
J-45はストローク向きな感じ、ロック的なものに合う、バンドサウンドに馴染む、ガンガン弾く感じの弾き語りに合う、レンジが狭い、サスティンが短い印象(まとまってるとも言える) みたいな感じで
D-28 はそれに対して、アルペジオ向き、響きがきれい、でも低音も出る、
オールマイティな感じ
というところでしょうか。
こういう説明も検索するともっとちゃんとしたのがたくさん出てくると思うので参照してください。と言うか、楽器屋さんとか知り合いの楽器とかで実際に音を聴いてみるのが一番良いかと思います。
エレキ系と違って、生で音が確認できるので!
ちなみに J-45 を使っているというか、代名詞的になってるミュージシャンは、(敬称略)奥田民生、斉藤和義をはじめ、桑田さんからあいみょん、桜井和寿、山崎まさよし など、日本のシンガーソングライター系のほとんどって言ってもいいくらい。
海外では、ボブ・ディランとかスプリングスティーンとかポール・ウェラーとかエリオット・スミスとか、やっぱりピックでザクザクいく感じのアーティストが使ってます。
D-28は やはりフォーク系というか 古くは スティーブン・スティルス、ニール・ヤング あとはポールとか、クラプトンとか 指で弾く系のプレイの人が多いイメージ。
ただし、わかりやすく分けてみましたが、おそらくほぼ全員、どちらも所有していることと思われます笑
アコギは個体差も大きいし、ちょっとした基礎知識的に J-45 やD-28などを知っているのは良いと思いますが、よほどのことがない限りレコーディングでモデルの指定とかはしないほうが無難だと思います^^
さて、アコギの話はここまでで、バンド楽器といえばあとはドラムなのですが、わざわざ回を分けるほどの知識もないので、ボーナストラック的にちょっと書いておきます。
ドラムについては楽器を選ぶというよりドラマーを選ぶというイメージが強いかも。もちろん日本のプロのミュージシャンは本当にどんなジャンルでも素晴らしい演奏をしてくれる人ばかりですが、それでもそれぞれに特に得意なジャンルがあるので、そこを相談していくということでしょうか。
例えば、劇伴ではあまりないかもだけれど、ソウル系、グルーブ系がバッチリの人、逆に2バス(一つのドラムセットにバス・ドラムを二つ)のセットで高速のメタルサウンドみたいなのが得意な人(アニメとかゲームとかで必要とされること、あります)とか、そういう判断ですね。
ドラムのメーカーもたくさんありますが、まあ基礎知識的には ビンテージというか、もちろん今もありますが、古くからあるメーカーは、GRETSCHとかLudwig とかSONOR とか、新しいメーカーではDWとか、あとは日本が誇る、というか本当にシェア的にも世界の上位だと思いますが、YAMAHA、Pearl、TAMA など。シンバルに特化したブランドもあります。Zildjianとか。
もうこのあたりはドラマーの方がセットを組んでるのを見学した時に、
あ、DWなんですね!なんて言えるとちょっと感じを出せます笑
もし現場で(あるいは事前に)相談していくとしたら、
スネアの音色、(厚さや素材で違います)、とか キックのサイズとか
シンバルの種類、そして全体のチューニング でしょうか。
ということで、若い劇伴作家の中で割と多いと思われる、バンド系の楽器にあまり馴染みがない方たち向けに ということでレコーディングでのバンド系楽器の選び方みたいな話をしてきました。
まあ単に自分の思考の整理をしただけって感じもするし、文章を書きつつ、たくさん検索もして改めて確認したこともあったりで、まあ楽しかったですね!
読んでいただきありがとうございました。
楽しいレコーディングをしましょう!
若い劇伴作家のためのバンド楽器案内 終了します。