若い劇伴作家のためのバンド楽器案内 #2
エレキギター編 その2 / Gibson
一回目はフェンダーの話になりました。
*ざっくりポイント① FenderかGibsonか。
ということで今回はギブソン。
そしてFenderかGibsonかというのは実は
*ざっくりポイント③ ピックアップが シングルコイルかハムバッキングか。
とほぼ同義だったりします。
つまりエレキギターでGibson使って欲しいということはハムバッキングを使って欲しいということを意味します。もちろんGibsonにもシングルコイルの名器もありますが、わざわざ指定もないのにそれを出してくるのは多少ひねくれているギタリストである可能性がかなり高めになります。
そして、エレキギターでGibson = ハムバッキングを使うという場合は「Les Paul」を使うということとほぼ同義でもあったりします。こちらもFenderと同様にいろんな名器がありますが、劇伴のレコーディングという場面で、Firebird や Flying V などをわざわざ用意する人は、劇伴の打ち合わせの現場に羽織袴で登場するくらいの何かしらの信念があるのかと思われます。思われないか。
さて、エレキギター界においてストラトと双璧とされるのが、Les Paulです。
1952年にGibson社からギタリストであり発明家でもあるレス・ポール氏の名をつけたソリッドギターとして発売されます。
この辺り、のちの権利関係とか、レス・ポールさんが関わった内容だとか、レスポールが人気なくなって生産中止になった時期があるとかそういうのは検索してみてください。
(いつもそんなですみません(苦笑) でも僕が検索してまとめていると本題が進まなかったりするので。。。)
ちなみに初期のモデルにはP-90という大型のシングルコイルピックアップがついてます。
1957年モデルから(P.A.F.)と呼ばれるハムバッキングのピックアップが採用。ノイズ軽減がメインの目的とされています。
結果、ハムバッキング独特のサウンドがレス・ポールのキャラクターとして
浸透していくわけです。
P90のレスポールももちろん良い音だし、ヴィンテージものの価格はとんでもないです。音は良いのに不人気になった年代のレスポールはそもそもの生産台数が少ないので、家が買えるくらいの値段になっています。
で、ハムバッキングのピックアップの特徴はシングルコイルの逆と前回書きました。つまり、低音が充実、暖かい、厚い、重い みたいな感じで、構造上シングルよりもパワーがあるので歪ませやすく、太い音を作れるというようなのが特徴でしょうか。
テレキャス、ストラトが枯れた音とか渋い系のプレイとかを想像されがちなのに対して、やはりレスポールはハードロック系だったりします。
なんといっても、Jimmy Page! (テレキャスで検索しても出てくるけど笑)
僕の年代だとDeep Purple派かツェッペリン派かでストラトかレスポールかという選択の判断になったりもします。もちろん本物ではなく、日本製しか手にできませんでしたが。僕が初めて手に入れたエレキギターもGreco製のストラトでした。
その他、Gary Moore、Joe Perry、Randy Rhoads、Slash、などなどぶ厚いサウンドの人が
検索すれば、山ほど出てきます。
日本だとやはりBzの松本孝弘さん、奥田民生さん とかがレスポール使いとして有名ですね。
ハードロックとかヘヴィメタルとかのギタリストは
ストラトをちょっと尖らせたようなフォルムのギターを使う人が多い感じがしますが(偏見だったらすみません!あまり通ってこなかったジャンルなので)フォルムはストラト系でもピックアップはレスポール系(ハムバッキング)だったりすることがほとんどかと。パワーのある厚い熱い暑いサウンドです^^
チャカチャカしたカッティングとかに向いているのがシングルコイル、
ダウンビートの重いパワーコードとかに向いてるのがハムバッキング、
みたいな印象もあります。ギターソロの方向もギターで変わりますね。
やっぱり自分が出したいサウンド、出して欲しいサウンドを作っているアーティストがどんなギターを使っているかを意識するのが手早いと思います。
ちなみになんかの youtubeとかでみた話ですが、最近の日本の若者バンドではあまりレスポールは人気ないとか。音色的にあまり分厚い感じのギターが必要なサウンドのバンドが少ないからか。形的にストラトの方がかっこいいと思うからか。レスポールはめちゃ重いからか笑
まあほんとかどうかはわかりません。JazzMasterを使っている人も多いかな。多分ルックス重視かと。
逆に、けいおん! とか ぼっち・ざ・ろっく! の主人公・メインのギターボーカルの女子はレスポール使ってます。そういうアニメが流行るとレスポールも売れるらしいです^^実際のバンドでメインのギターボーカルがレスポール弾きってこと、結構少ない気がします。
さっきルックス重視と書きましたが、そのルックスについての判断も、時代で変わるのかなと。JazzMaster がかっこよく見えるのは90年代初期以降、オルタナティブ・ロック系のアーティストが好んで使っているのをみて、自分の好きなかっこいいアーティストが使っているからそのギターもかっこよく見えたという面があるのではないかと思います。僕も今やJazz Master、とてもかっこいい!と思いますが、エレキギターに興味を持った80年前後、Jazz Masterを使っているのはサーフロックをやっているおじさんバンドとかの印象だったので、多分、ただでもらっても人前では弾かなかったと思います笑
一説によると、なんでオルタナバンドの人がJazzMasterを使ったかというと中古屋で不人気で安かったので貧乏でも買えたから、、とか笑
さて、Gibson = ハムバッキング=レスポール と話を単純化してきましたが、実はGibsonには ES-335 というハムバッキングを搭載した名器があります。さらには ES-175 という重要な楽器も。
これには、
*ざっくりポイント② ソリッドボディギターかホロウボディギターか。
が関係するので、そこは次回またまとめてみたいと思います!
そして *ざっくりポイント④ セミアコかフルアコか (でもエレアコじゃないよ) が登場する予定です。
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