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セッティングはセッション時間内?/part 2

音楽制作の便利帖 【第3回】

で、このポストの本題です。
日本での録音ペースの場合、13時に全員がそろっていて、楽器のセッティングが終わっているくらいが悪くないペースかと思います。それから、音決めが始まってなんだかんだで録音開始は14時近くになるかなあと。「ニッポンの編曲家」という本を読んだのですが、その中でアレンジャーの瀬尾一三さんが70年代のLA録音について語っています。まとめると「LAのミュージシャンは3時間でお願いした中で何曲録っても値段は変わらない。しかも開始時間前に楽器のセッティングが終わり、ミュージシャンがくるとすぐに音が録れる状態になっている。日本ではその3時間の中にセッティングの時間が入るので効率が悪い。プレイについても日本のミュージシャンはテンションがバラバラ。向こうのミュージシャンはテイク1からグルーヴがちゃんと合ってくる。」など。僕はここ数年、海外では大きめのオケのレコーディングを数回やっているのですが、だとえば午前中の10時からのセッションの場合、「10時にダウンビート」と言ったりします。つまり10時開始ということは10時から演奏がスタートできてそれを録音もできる というkとです。100人近いメンバーがきっちり自分の席につき、譜面も間違いなく配られています。そして、もう慣れてしまいましたが、最初に驚いたのはサウンドチェックがないこと。
前日に椅子をすべて並べ、総数で80本くらいにもなるマイクを立て、ミュージシャンがいなくても音決めができるということ。それが当たり前なのです。
日本ではそうはいかない。そしてそれが70年代から解決されていないのだなあということです。
ただし、ぼくがレコーディングディレクターになったのは91年ですが、20数年たって、ずいぶんとスタジオの効率はよくなっているかとは思います。ただし、主に予算の問題だったりするけれど。。そして、効率がよければいい音楽が録音できるかというのも違うかなあとは思います。ただ、集中力が下がるような、無駄はないほうがいいかなあと。
そのためにはやはりディレクターの役割が大きいかなと思います。
事前にきっちり準備をすること。譜面、歌詞カード。どんな録音をしたいかをエンジニアとちゃんと打ち合わせをしておくこと。録音の段取りをみんなにちゃんと伝えておくこと。
そんなわけで、ディレクターも録音開始の1時間前くらいにはスタジオに入ったほうがいいのではないかと思います。
そして、録音の流れを作っていくと。スタジオは楽しくなければいけないと思うので、厳密に13時ダウンビートが必要だと言っているわけではありません。
でもクオリティのためには準備と取り組みに対する心構えが重要だなあと。
自戒をこめて、メモしてみました。

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