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良いネーミングの最大のコツは「自分で考えないこと」?(後編)
>> 良いネーミングの最大のコツは「自分で考えないこと」?(前編)はこちら。
【注意事項】
この記事の最後には私自身のサービスの紹介があります。
この記事で展開する主張は間違いなく私の本心も本心ですが、疑り深い方は「自分のサービスを宣伝したり、そこに誘導する意図がある」と割り引いた上でお読みくださって結構です。
「売れるネーミング」を行うための最善手とは?
自己の商品やサービス等について顧客視点に基づいた「売れるネーミング」を本気でやりたいなら、その答えは実に簡単だ。
自分で考えることを前向きに諦め、第三者にネーミングしてもらおう。
これに尽きる。
おそらく、ネーミングに関する本を読んだりセミナーに参加したりすれば、ネーミングの成功事例として一度は聞いたことがあるだろう。
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「鼻セレブ」や「まるでこたつソックス」のネーミング事例。
どちらも、自社や製品開発者自身によるネーミングではない。外部のコピーライターさんによるものである。
後ほどきちんと説明はするが、①他人の商品やサービスをネーミングするのと、②自分の商品やサービスをネーミングするのとでは、設定条件が天と地ほど違う。
だからこそ、繰り返しになってしまうが、他人の商品やサービスに上手なネーミングを行ってきたプロのコピーライターの手法を、そのまま自己の商品やサービスのネーミングに活用することは困難なのである。
もちろん、自社スタッフの発案によるネーミングでヒットした商品やサービスだって数多く存在する。ただ、それらのエピソードを個別に読み込むと、その多くにおいて「偶然」が大きく寄与している。
たとえば、旧「Twitter」。
当初は、誰かがツイートすると携帯電話が鳴ったり震えたりすることから「twitch(携帯がピクッとする)」がサービス名称の最有力候補だった。ただ、「twitch」の単語を辞書で確認したときに偶然その次の言葉「Tweet(鳥のさえずり)」が目に入り、そっちの方がいいじゃないかということでTwitter(=さえずるもの)に決まったと言われている。
お菓子の「じゃがりこ」の命名エピソードも有名だ。
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Q:「じゃがりこ」の名前の由来について教えてください。
A:「じゃがりこ」のコンセプトは、女子高校生がかばんに入れて持ち歩けるような、袋菓子ではない、箱やカップ入りのお菓子を作ろう!と、開発された商品です。
中身も容器も、今までのカルビーのお菓子とは全く違う、新しいタイプの商品が生まれました。
新しくできたそのお菓子を、開発担当者の友人であるりかこさんが、とてもおいしそうに食べている姿を見て、商品名を思いつきました。
じゃがいも+りかこ →じゃがりかこ →「じゃがりこ」
https://faq.calbee.co.jp/faq_detail.html?id=31
このエピソードは、スナック菓子を自社で一生懸命にネーミングしたというよりも、試作品のスナック菓子を食べている友人の様子を何の気なく「じゃがりこ」と表現したら、それが偶然にも商品名としても最高だった……そんなパターンだといえる。
つまり、旧Twitterやじゃがりこの場合、偶然によって作り手側の主観を排除できた結果、第三者ウケするネーミングに辿り着けたともいえる。
逆に言えば、偶然でも起きない限り、作り手が自身の主観を排除して純粋な第三者視点を手に入れるのは不可能に近い……ということだ。
ネーミングを自分で考えることを難しくする「4つの圧力」とは?
自分の商品やサービスにネーミングをつけるのが、他人のそれらにネーミングするよりもなぜ圧倒的に難しいのか?
自分の商品やサービスにネーミングする場合、他人の商品等にネーミングする場合と異なり、実に多くの圧力(バイアス)が発生するからだ。
1.「時間」の圧力
商品開発やプロモーションの準備段階では、さまざまなタスクに追われ、ネーミングに十分な時間を割けないケースがある。
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「とりあえず名前を決めないと、後工程を進められない」
「締切までにアイデアを出さないと、それらの中から1つに決定しないと、広告やパッケージデザインに間に合わない」
こうした状況では、じっくり考える余裕がなくなり、「まあこれでいいか」と妥協してしまいがちだ。その結果、インパクトに欠ける名前やターゲットの心に刺さらない名前に落ち着いてしまう。
第三者(たとえば広告代理店)にだって、提案の期限はもちろんある。
しかし、ネーミングの場合、外部から提案する側はひとつといわず複数提案できる。最後に「コレ!」と決めるのは通常、クライアントの仕事だ。
つまり、いざとなったら適当な候補をたくさん出して、あとはクライアントに投げてしまえば最低限の義務を果たせるのだから(笑)。
だから、第三者には時間の圧力など実質的に「ない」。
2.「商業的リスク」の圧力
ネーミングは商品やサービスの第一印象を左右する。そのため、「名前が悪くて売れなかったらどうしよう」といったプレッシャーを感じることが多々ある。
また、名前を考えたのが上司や経営者であって、しかも、彼らが自身の考えた名前にノリノリであったりすると、たとえより良い名前が部下の頭の中にはあっても、それはなかなか表にでてこない。当然、部下にもリスクがあるからだ。
そして、尖った名前や攻めた名前ほど、このプレッシャーは大きくなる。あの「まるでこたつソックス」だって、うがった見方をすれば、考案者が天下の博報堂で活躍する実績あるコピーライターだったからこそスムーズに提案を通せたのかもしれないのだ。
プロ中のプロが言うんだから、信じよう、と。
もっとも、「まるでこたつソックス」は改名前の売れ行きがイマイチだったようなので、選ぶ側だって「いま以上に下がることはあるまい」というか、ある意味で開き直れたのかも……とは思うが。
3.「思い入れ」の圧力
「この名前には自分の信念やビジョンが詰まっている」「お客様にこう感じてもらいたい」といった思い入れが強すぎると、言葉の響きや覚えやすさといった実際の効果よりも、自分の感情や主張を込めることを優先してしまうことがある。
例1: 商品に込めた思いを長々と説明しない限り伝わらない名前を選んでしまう。
例2: 語呂やリズムが悪くても、「これが自分らしい」と自分を納得させてしまう。
また、この圧力は前述した2つの圧力としばしば連鎖・併発する。
自分の名前についてもう少し考える余地があると内心では思っているが、とにかく時間がないし、結局どんな名前にしたところで失敗のリスクはある。だったら後悔がないように、自分の思いを優先しよう……こんなパターンだ。
4.「固定観念」の圧力
よくも悪くも、自分の商品やサービスに関しては、すでにある程度のアイデアやイメージが頭の中に固まってしまっているので、どうしてもそのイメージから離れるのが難しい。
「こういう名前であるべきだ」と思い込んでしまう。
他のアイデアを排除してしまい、多様性を欠いた名前しか考えられない。
⇒生成AI等を使って機械的に多くの名前を候補に挙げたものの、結局はそれらをよく吟味していなかった……というのもコレに該当。
もっといえば、ネーミングにおける最大の固定観念はコレだ。
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個人や中小企業の商品やサービス、会社名、店名のネーミングは、その事業主や担当者が、真心を込めて行わなければならない……!
![](https://assets.st-note.com/img/1732410390-sR86D2KbPxtaOe0MzvjBATFQ.jpg?width=1200)
……思ってませんでした?
すぐれたネーミングはその多くが第三者によるものだ。「鼻セレブ」も「まるでこたつソックス」も。
もっといえば、書籍のタイトルだって基本的に編集者がつける。作者が持ち込んだ(あるいは賞に応募した)原稿についていたタイトルがそのまま使われるコトの方が少ない。「作者の思い」そのものが商品となる書籍すら、ネーミング(タイトリング)は第三者が行っているのが現実なのだ。
ちなみに、この固定観念バイアスの行き着いた果てが見たかったら、このサイトを見ておくことをオススメする。
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このサイトで、近年人気の高い「異世界ファンタジー」「現代ファンタジー」あたりのジャンルを覗いてタイトル一覧をチェックしてみよう。
どれもこれもみんな同じようなダラダラと長いタイトルがズラッと並んでいて、これらのジャンルを特別に愛好している人でもない限り、似たようなタイトル群の洪水によってゲシュタルト崩壊に至ること請け合いだ。
結論。ネーミングは第三者に委ねることが最適
上で紹介したような様々な圧力が働くのは、結局のところ「自分が作った商品」「自分のビジネス」という近さが原因だ。
そのため、この距離を取るためには、名前を第三者に任せるという選択が効果的。
とはいえ、問題になるのが「予算」だと思うんですけど、
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なんと! 自分がやっている名前募集サービス『namael(ナマエル)』は3,000円で名前募集ができます。
ま、名前募集をいま、まさにしたいという方も少ないと思うので、もう1つ紹介しますけど、こちらでは私自身が自分のサービス名を募集しています。
第三者視点で、良さげな名前をご提案いただけると嬉しいです。
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※些少ですがちゃんと採用報酬もお出しします。
ネーミングの腕を試したい、自分のセンスを試したいという方には、ぜひ挑戦してみてほしいです。
namaelでは名前の「募集」こそ有料ですが、ネーミング案の投稿は完全に無料でできます。
ではでは。