ワーケーションで自治体の課題を解決させようとするな。
ワーケーションを時々やっている、右ねじと申します。
タイトルの件、自治体が企画しているワーケーション事業によくあるものとして、「ワーケーションで来た人に、地元企業と交流会させる・グループワークさせる・自治体が決めたスケジュールで色々体験させる」というものがあります。
これについて、利用者側からの意見として言っておきたいと思います。
私がやりたいワーケーションは、ワーク(自分の仕事)+バケーションであって、
ワーク(自治体が求める仕事)+バケーションではないです。
自治体が設けている優先度が企業誘致や、移住者の獲得の方が高い、というのはわかります。投資した事業が税収増につながるのが一番嬉しいですもんね。
でも、その内容って私たち利用者から見て嬉しい!ってなると思います?
利用者の仕事をする時間を削って自治体の仕事して、利用者のやりたいことをする時間を奪って自治体の推したい観光をさせられる、しかも参加費が取られるってどういうメリットが利用者にありますか?
「ワーケーション」に意味を持たせ過ぎている
この辺りの誤解については、日本テレワーク協会のHPにある、ワーケーションの定義というものが、かなり自治体やビジネス目線によった内容を書いている影響があるのではないかと思う。
テレワークには「休暇型」と「業務型」があり、旅先で自分の仕事をするのが「休暇型」、グループワークをしたりするのが「業務型」の方になる。
日本テレワーク協会の記述が「業務型」もしくはそれを拡大解釈して移転・移住まで含んでいるのに対し、Wikipediaやコトバンクで調べてみると、「休暇型」がワーケーションであると記載しているという違いがある。
というか、「業務型ワーケーション」をやらせたい人はいても、やりたい人っているの?業務型ワーケーションのどこがバケーションなの?
ワーケーションを実践してる人だったら、この二つを同じ言葉で表現しなかっただろうと思う。
そもそもの話、ワーケーションだから遊んじゃえ〜みたいになれる人だったら、普通に有給取って遊べるからワーケーションしなくていいです。
それができないから、リモートで自分の仕事は片しながら少しでも休暇を楽しむんです。人によっては家族や会社から離れて、1人静かにリモートワークに打ち込める場所でもあるんです。
連休が取れないから、せめて少しでもリフレッシュしたくてやるような人が、業務型ワーケーションやると思います?
そういう人がワーケーションという文字に期待してURL開いたら、「地元でもない知らん土地の課題を解決」なんて書いてあるとかどんな地獄ですか?
このワーケーションという言葉を、業務型の文脈で使わないでほしい。
ワーケーションの注目度に群がるインプレゾンビだよ。
ついでに言わせてもらうと、実はワーケーションって、ちゃんと仕事するとどこかに観光しに行く時間を作れるほど暇じゃないです。
土日祝や有給を1日はさむなどして、時間を確保してようやく遊べるわけで、
「せっかく来たけど食事くらいしか観光らしいことできてないなぁ」みたいな、実質ホテルで景色見ながら缶詰になるだけみたいなことも多々あります。だから温泉で一息つけるようにしてるんですよ。
観光地といっても地方だから、飲食店が18時には全部閉まってるなんてよくある話で、ちゃんと計画してないと食事も逃しかねない。
世間からの印象で、「結局ほぼ遊んでるんでしょ?」みたいな印象を持たれがちなワーケーションですが、その実態は、綿密なスケジューリングを前提としていることに気づいてください。
自治体の担当者の皆さんへお願い
自治体がやりたい企業誘致や移住者獲得は、それぞれ交流会やU・Iターン・移住相談会など的確な言葉があるでしょう。そっちの名称で企画してください。
業務型ワーケーションについて
「地方創生ボランティア」に改名してください。
以上