Bo3における自然エルフの立ち位置(VECアディショナル追加後)
初めまして。Pooh所属のRightという者です。
今日、初めて大阪のShadowverseオフライン大会に参加したのですが、私は自然エルフと自然ビショップを持ち込みました。その時、自分がどういう意図で自然エルフを持ち込んだのか、自分なりの考えをまとめました。
自分の頭を整理するためにもメモ程度に書いたものですので、クオリティは低いですがご了承ください。この記事が、少しでも皆様の参考となれば幸いです。
(1)VECのBo3環境考察(2019/12/7現在)
現在のBo3対戦では、自然ビショップ+α、という組み合わせが主流となっております。私が今日対戦した4人のうち、自然ビショップ+自然エルフが1人、自然ビショップ+アマツエルフが1人、自然ビショップ+自然ドラゴンが2人でした。直近で行われているJCGやミリオンカップでも、ファイナリストのビショップの採用率は100%です。
VEC環境でBo3をやるなら、自然ビショップを使わない理由がないと言っても過言ではないでしょう。ムニャール、フェザーフォルク、ラット、アニエス等の顔を詰める優秀な札が複数存在し、アグロムーブで早期に決着をつけるポテンシャルを秘めつつも、ミュース、鐘、ジャスティスマナを使った持久戦も強く、ぶっ壊れAoE代表こと狂人クルト、母なる君、カラトによる盤面制圧力も非常に高い。「これぞTier1デッキ」と言わんばかりのデッキパワーを有しており、某攻略サイトでは、現環境に存在するどのデッキにも不利がつかないデッキとして紹介されています。RoG環境の機械ウィッチと似ていますね。特段の事情がない限り、Bo3の一つのデッキは自然ビショップで決まりでしょう。
フェザーダッシュ採用の有無や飢餓の枚数など、細かな調整の違いがあるものの、ほとんどの人が自然ビショップを持ち込んでおり、自然ビショップのデッキの練度は当然勝敗に大きな影響を及ぼします。ですが、それと同様に勝敗に大きく影響するのは、「自然ビショップの相方に何のデッキを持ち込むか」だと私は考えています。
セカンドデッキとして候補に挙がるのは、以下のデッキです。
自然エルフ、リノエルフ、アマツエルフ、レヴィオンロイヤル、機械ロイヤル、自然ロイヤル、潜伏ロイヤル、魔道具ウィッチ(?)、自然ドラゴン、自然ネクロ、自然進化ヴァンプ、機械ヴァンプ、AFネメシス……etc
ランクマでも見かけるデッキを思いつく限り挙げてみましたが、この中でも直近のBo3で特に採用されがちなデッキは、
自然エルフ、リノエルフ、アマツエルフ、レヴィオンロイヤル、潜伏ロイヤル、自然ドラゴン
の6デッキだと私は認識しております。デッキパワーは自然ドラゴンが一番高いのですが、リノエルフや潜伏ロイヤル等の対話拒否デッキと、アマツエルフやレヴィオンロイヤル等のアグロデッキには弱いです。自然エルフは、これらの対話拒否デッキやアグロデッキには強いのですが、自然ドラゴンに弱いです。よって、今のBo3のセカンドデッキは
①自然ドラゴン<②対話拒否・アグロデッキ<③自然エルフ<①自然ドラゴン<……という三角関係のメタの回り方をしていると言えるでしょう。
このような環境の中で私が選んだのは、タイトルの通り「自然エルフ」となっております。
(2)自然エルフを選んだ理由
自然エルフを選んだ理由は以下の3点です。
1.自然エルフが大好きだから
2.エルフはデッキタイプが多く、型が読まれにくいから
3.自然ドラ、自然ネクロ以外に明確な不利デッキが存在しないから
以下、それぞれ詳しく説明していきます。
1.自然エルフが大好きだから
私は元々、エルフが大好きです。カードイラストがとても綺麗ですし、プレイ枚数やフェアリーの枚数などを計算して、テクニカルに戦うのが大好きです。特に好きな点が、エルフのパワーカードに単体完結したものがほとんどない、という点です。例えばオムニス。7ターン目に必ずフルパワーで使うためには、事前にアミュレットを盤面に並べて置いたり、ウィスプや0コスベイルを手札に抱えておいたりする必要があります。他のカードとのシナジーを考え、次のターンの動きも考え、自分が今どの択を取るのが最善なのかを考える。エルフは考えなければならないことがたくさんあります。それこそが、エルフの面白い部分だと私は思います。
自然エルフは、そんなエルフの面白い点を詰め込んだような、本当に素晴らしいデッキだと思います。メイやアイリーネ等のプレイ枚数で起動するギミックが豊富にあり、ブルームやラティカのお陰でフェアリーも強く使えます。何より、デッキパワーがそこそこ高いのが魅力です。その動き一つだけで試合を決することはできなくても、少しずつリードを作りつつ相手のライフを削って、粘り勝ちを狙うスタイルは、私の性格に非常にマッチしています。これまで沢山のデッキを触ってきましたが、これほど手に馴染むデッキはありませんでした。
このままだと、自然エルフの魅力を無限に語るだけの記事になってしまうので、この辺りで終わりとさせていただきます。自然エルフのことが大好きな同志の方はいつでもTwitterの私のアカウントにDMをください。自然エルフについて語り合いましょう。
2.エルフはデッキタイプが多く、型が読まれにくいから
現在、エルフには、①自然、②リノ、③アマツ、④機械の四つの軸があり、それぞれの軸を合わせられることも考慮すると、エルフはとにかくデッキの種類がたくさんあり、型を読まれにくいことが大きな特徴となっています。ただし、機械軸や複合軸はそこまで流行っておりませんので、今回は①自然、②リノ、③アマツの三つのデッキをよく見るエルフデッキとして考えます。
デッキの種類が複数あることのメリットとしては、相手のマリガンミスを誘発することができる、という点が挙げられます。ビショップvsエルフの対面におけるマリガンを例に考えてみましょう。相手が自然エルフやアマツエルフだと仮定すると、小粒を大量展開をされても盤面を返すことができるフォロワー、具体的にはクルトをキープしたい対面になります。ですが、もしも相手がリノエルフであれば、クルトは腐ってしまいます。自然、アマツ、リノ、それぞれが全く違うアプローチで勝利を狙いに行くデッキなので、「このクラスにはこのカードが刺さる」といったような統一した対策が取れない点が、相手のマリガンミスを誘う理由となっています。
だからこそ、エルフは最初の一戦が非常に大事です。型バレしていないうちに、相手の意表を突く形で試合を決めに行くことがベストです。
3.自然ドラ、自然ネクロ以外に明確な不利デッキが存在しないから
自然エルフを使う一番の理由がこれだ、という人もいるのではないでしょうか。自然ドラや自然ネクロといった通称蓋デッキ以外であれば、自然エルフはどんなデッキに対してもそこそこ戦うことができます。詳しいことは後述しますが、プライマルギガントのお陰で、アグロ耐性が格段に上がり、かつ少ない手札消費で大量展開ができるようになったので、相手の手札ないしデッキを枯らすコントロールプランやコンシードプランが取りやすくなったのです。
※コンシード……concede(敗北を認める、相手に譲歩する)の英単語に由来。相手の展開を除去しつつも展開し、相手の疾走札を守護で受けきって、相手を詰ませてリタイヤを狙う考え方。コントロールとの違いは、こちらに明確なフィニッシャーがいない点にあります。今流行りのポケモンで例えるなら、ドヒドイデや輝石持ちガラルサニーゴ等の耐久力が高いポケモンで敵の攻撃をいなす、受けループのパーティが近い概念です。ここまでの説明を聞いてもわからない人は、私がTwitterにアップしたこのツイートを見てください。相手のデッキアウトまで戦った自然ビショップ戦を見ることができます。https://twitter.com/Right24463474/status/1203479267339907073?s=20
(3)実際に私が持ち込んだ構築
上記のデッキが、実際に私が大会に持って行ったデッキです(見切れはプライマルギガント×2)。構築が迷走したせいでデッキが見切れてしまったため、少し見にくくなっていますがご了承ください。
ちなみに、このデッキの戦績は、自然エルフミラーで1勝、自然ビショップに2勝1敗、合計3勝1敗となっております。そのうち、自然ビショップの1敗は、相手の上振れに轢き殺された形になりました。自分で言うのもなんですが、かなり良い戦績を残せたのではないかと思っています。このデッキはかなり自信作です。各カードの採用理由を話す前に、このデッキがどのようにして勝ちを狙うのかを説明します。
(4)自然エルフで狙う勝ち筋
自然エルフには、大きく分けて四つの勝ち筋があります。
①序盤のアグロムーブやブルーム展開、ラティカの6/6フルスタッツで顔を詰め、オムニスや愛の軌跡の疾走でリーサルを目指すアグロプラン(リーサルターンは6~7ターン目)
②シヴァの効果の8t目の4点バーンやオムニスから出てきた大狼を育成することで試合を決めるミッドレンジプラン(リーサルターンは8~9ターン目)
③ベイル、シヴァ、愛の軌跡の美女、アイリーネの守護で粘り、プライマルギガントの展開で決めるコントロールプラン(リーサルターンは10~11ターン目)
④コントロールプランでも試合を決めきれなかった時、相手の山札や手札を枯らして、相手のリタイヤを狙うコンシードプラン(リーサルターンは10ターン目以降、相手が詰むまで)
ただし、これはあくまでリーサルターンによって一定の区分を決めただけであり、厳密にここまで明瞭な区分があるわけではありません。特に、①と②のアグロプランとミッドレンジプランはかなり似通っています。相手の除去と自分の展開の具合に応じて、①→②→③→④と段々とリーサルターンが遅くなっていきます。
自然エルフは動き方によって、アグロ、ミッドレンジ、コントロール、コンシードと姿を変えることができるデッキです。オールレンジで戦うことのできるこの柔軟性こそが自然エルフの強みであり、そして自然エルフを回すのが難しいと感じる最大の理由だと思います。除去を意識しすぎたせいでなかなかリーサルが見えなかったり、逆にリーサルを見るために盤面を無視して顔を詰めると、逆に相手にリーサルを取られたり……。どの勝ち筋を通して、どのようにリーサルを見るのかを考えずにプレイすると、勝つことは難しくなります。
そこで、自然エルフを回す際には、「相手のデッキタイプと自分の手札の状況から、自分が①~④のどのプランで勝利を狙うのがベストか」を常に意識し、柔軟に試合を組み立てていく必要があります。どの動きを狙うかを意識するだけで、勝率はグンと跳ね上がります。
(5)Bo3における自然エルフの立ち位置
さて、いよいよ本題に入ります。私は、自然ビショップと自然エルフをデッキとして選びました。自然ビショップと組ませる自然エルフを、どのような意図で調整を施したかを説明します。
結論から言いましょう。私は、「コントロールプランを通す」ことを意識し、通常よりも少し遅めの自然エルフを組みました。仮想敵は「アマツエルフ、レヴィオンロイヤル等のアグロデッキ、そして自然ビショップ」です。これらの早期に顔を詰めてくるデッキに勝つことを目標にしたデッキ構築とプレイングを意識しました。ただし、それ以外の部分は通常の自然エルフとほぼ同じ構築にし、従来の強力なミッドレンジプランを取れるようにもしてあります。
自然エルフの盤面処理能力と耐久力は、他のデッキと比べてもかなり高いものと言えます。ロングゲームを戦い抜くことができるその力を最大限に活かし、顔面を守り抜いて勝ち抜くデッキを作ろうと考えました。ただし、この戦い方をするうえでネックになってくるのが自然ドラゴンです。いくら試合を長引かせようが、影の侵蝕のバーンダメージによって試合を強制終了してきます。そこで自然エルフが苦手な自然ドラゴンを、相方の自然ビショップに倒してもらう、という考え方でずっと戦っていました。
相手がビショップとドラゴンだった場合、相手は99.9%自然ビショップから入ってきます。その自然ビショップに自然エルフを合わせて勝利し、残った相手の自然ビショップと自然ドラゴンのどちらかをこちらの自然ビショップで倒す、という算段で戦っていました。ちなみに、それ以外の場合ではビショップから入っていました。
補足ですが、対話拒否デッキのリノエルフや潜伏ロイヤルに対しては、アグロプランを通していきます。潜伏ロイヤルの除去は非常に強いので、アグロプランを通すことが難しい場合があります。その際は、メイのファンファーレ4点や、ラティカ進化時に加わる「大いなる回帰」による除去を目指しましょう。リオードを三枚消すことができたら勝利です。
(6)各カードの採用理由
お待たせしました。各カードの採用理由を一枚一枚説明していきます。また、そのカードが①アグロ、②ミッドレンジ、③コントロール、④コンシードの4つのプランの中で、どのように役に立つのかを説明していきます。
ちなみにマリガンですが、基本2/2/2のナテラ生成フォロワーを全力で狙うことになります。5コスト以上は余程の理由がない限り返してください。
1.アクティブエルフ・メイ:①②
三積み確定枠。マリガンでは流します。1コス帯で最強クラスの除去札。展開+除去を両立した、前寄りの動きをサポートするカード。除去に進化権を割く必要がなくなるのが強い。遅めのプランを通す予定なので1ターン目に素引きしても出さないが、アグロプランを通す必要があると感じたときは1ターン目に素出しするのもあり。ただし、メイを使用した後は、盤面ロックされがちなので要注意。ちなみに、手札にフェアリーが残っていない時は、メイをオムニスのバウンス要員としても使うことができます。ファンファーレ4点を飛ばすつもりがなくても、4プレイで呼び出しておくと、実質デッキ圧縮にもなるので強いです。
2.フェアリーサークル:②③
自由枠。マリガンでは流します。ラティカのファンファーレ起動用に必要なフェアリーを供給したり、中盤のプレイ枚数稼ぎにも貢献する、意外と器用な一枚。ただし、多すぎると手札圧迫してしまうのと、フェアリー供給は萌芽だけでも間に合っているので一枚のみ採用。今回のデッキの中だと、一番要らないともいえるカード。ワンコに差し替えてもいいだろう。
3.対空射撃:①②
自由枠。マリガンでは流します。序盤の除去と、中盤のプレイ枚数稼ぎに貢献します。今回の大会中には、プライマルギガントで蘇生したオムニスを回収するというワザップもやってのけました。蘇生したオムニスを回収したのは今回が初めてですが、前のターンに投げて盤面に残ったままのオムニスを、殴ったのちに対空で回収する択が見えると強いです。他にも、盤面から大樹を回収した後に案内人を出して、大樹を案内人に出させることもできます。人呼んで、ワザップの宝庫。面白い使い方ができるカードです。ただし他のカードで除去は間に合っているので1枚のみ採用。
4.ナチュラル・マナ:②③④
三積み確定枠。マリガンでは流します。中盤と後半の動きを支える強力なカード。5ターン目より前は極力開きたくない。5ターン目から優秀なプレイ枚数補助のカードになり、10ターン目からはリソース回収の鬼になります。0コス2ドローは素直に壊れ。コンシードプランを可能にする一枚です。
5.荒野の案内人:①②
三積み確定枠(私見)。マリガンでは単キープ。自然エルフに荒野の案内人を採用するかどうかは、人によって意見が分かれるところではありますが、個人的には三積み安定だと考えています。自然エルフは高コストカードが多く事故率が高いので、事故回避するためにも2/2/2の大樹供給カードはできるだけ多く採用したいところ。進化権を切れば、ナテラを投げて手札を回せるようになるのも好印象。
6.荒野の休息:②③
自由枠。マリガンでは流します。今回はコントロール軸で組むため採用しましたが、普通の自然エルフには入らないことが多いです。2点回復はそれなりに強いのですが、大きなテンポロスが発生してしまうのが玉に瑕です。自然エルフが苦手とするドラゴンに更に不利になってしまいますが、前述の通り今回は自然ドラゴンと自然エルフが対面しないよう意識して立ち回ることを決めていたので、今回はその不利対面を考慮しないものとします。
7.スケアリートレント:①②
三積み確定枠。マリガンでは単キープ。こいつがいるだけで序盤の動きは安定します。自然エルフはこいつを引くところからスタートと言っても過言ではないです。2プレイ以上でフェアリー一枚加えるので、手札のフェアリーを補充したい時にも役に立ちます。
8.ブルームスピリット:①②
三積み確定枠。マリガンでは、ナテラ生成フォロワーとセットキープ。そうでないなら基本流します。頭ワンドリカード筆頭。先攻4ターン目にこいつを2体投げればEasy Winできます。また、中盤に相手のAoEで盤面が更地になった後の展開が非常に楽になります。守護裏やラティカ等のクソデカスタッツの隣に立てておくと強いです。ただし、ブルームスピリットの使うと盤面が埋まりやすくなり、相手に盤面ロックの択を与えてしまうため、中盤以降の取り扱いに注意(特に潜伏ロイヤル対面)。
9.萌芽の化身:①②
三積み確定枠。ブルーム同様、マリガンではナテラ生成フォロワーとセットキープ。序盤の盤面の取り合いで強く出られるカード。3/3/3や3/2/3フォロワーとトレード出来たら強い。ただし自然ビショップのフェザーフォルクが飛ばしてくる大樹のダメージで倒されるのが一番おいしくないので、2ターン目に出すのは極力避けたいです。
10.ワンダーコック:②③
自由枠。マリガンでは、先攻かつ2/2/2フォロワーがが見えている時のみキープ。2ドロー効果は確かに強いものの、3ターン目に置くには弱い。あまりにも大樹生成カードが引けなくて、事故回避のためにアイリーネを減らしてピン差ししたカードだったのですが、アイリーネを減らしてまでこのカードを採用する必要はなかったと考えます。前述の通り、フェアサーの枠をこれに変えればよかったと、今は思っています。
11.豊穣の闘志・アイリーネ:①②③
三積み確定枠(のはずでしたが、事故にビビって一枚ワンコに変えてしまいました)。マリガンでは、2/2/2フォロワーが見えている時のみキープ。強い。何も言うことがないぐらいに強いです。一枚抜いてワンコにしたことを本当に後悔しました。後攻3ターン目に置くと相手を処理に回せますし、残った場合はそのまま8点を顔面に入れることができます。また、後半も無料進化で盤面を取りに行けるのが強いです。おまけに守護が付いています。序盤、中盤、終盤隙がない性能で、3積み安定だと考えています。
12.愛の軌跡:①②③
三積み確定枠。マリガンでは流します。万能カード。序盤に野獣でムニャールを上から踏むもよし、2プレイした後に4/5守護を出すもよし、エンハンスで疾走するもよし、とにかく万能です。かなり厳しい条件になりますが、6ターン目に0コスを2枚投げて、2プレイエンハンス愛の奇跡をする動きが強いです。6ターン目にこの二面を処理するのはかなり難しいです。母なる君は美女に阻まれて野獣に触れませんし、もし野獣が次のターンまで残ったら10点、前のターンに進化していれば14点ライフを削ることができます。ちなみに私はシャドバの中ではこのカードが一番好きです。イラストアドが高いし、フレーバーテキストが最強にエモいので、気の向いた人はフレーバーテキストを読んでみてください。
13.回帰する抱擁・ラティカ:①②③
はいきた、最強、可愛い、強い、俺の嫁。
……失礼しました。ラティカが可愛すぎるあまり、思わず取り乱してしまいました。反省します。
基本的には三積み確定枠(二枚採用の理由は後述)。採用枚数には諸説あるものの、この子は本当に強い。わかりやすいぶっ壊れカードです。ファンファーレで4点飛ばしながら無料進化、しかも、進化時に除去+プレイ枚数補助ができる最強カード「大いなる回帰」を手札に加えてくれます。この子の進化後6/6スタッツがそのまま残れば、そのまま試合を決するレベルの圧力をかけることができます。ただ、ファンファーレで4点飛ばすために、フェアリーを2枚手札確保することが意外と難しいです。ただ、最悪4点飛ばせなくても無料進化するだけで十分強いので、ファンファーレ4点はおまけ程度に考えましょう。
また、今回アディショナルで追加されたプライマルギガントに対して、「大いなる回帰」を打つことで、場を離れた際の再展開効果を打ち消し、被害を最小限に抑えることができます。自然エルフミラーでは回帰を温存しておくことを強くお勧めします。今回二枚採用にしているのは、後述のシヴァを2枚採用する関係上、コストの重いフォロワーを削りたかったためです。通常の自然エルフであれば、ラティカ3シヴァ1がスタンダードな構築だと思います。
14.シヴァ:②③④
自由枠。全体1バフと相手への4点ダメージはミッドレンジプランに、リーダー2点回復はコントロールプラン及びコンシードプランに貢献します。自然エルフは持久戦をする都合上、ターン経過とともに効果が発動するこのカードと非常に相性が良いです。通常の自然エルフであれば、ピン差しされるカードなのですが、このデッキでは、必ず6ターン目までに引き、6ターン目に置きたいカードとなっているので、複数枚採用することにしました。しかし、2枚目以降はただの6/5/6守護になってしまうので、3枚採用は見送り、2枚採用にとどめています。以前、シヴァ3枚採用の自然エルフを回していた方が誰かいらっしゃいましたが、そこまでとがった構築にする必要はないと感じています。
15.煌刃の戦士・ベイル:②③
三積み確定枠。マリガンでは流します。ローテ落ち前最後の三か月、ようやく日の目を浴びたカードです。エルフには珍しいコスト軽減カード。ブルームの展開をAoEで除去されると、一気にコストが下がります。6ターン目に、0コスベイル×2+エンハンス愛の軌跡をすると、相手はほぼ返せません。また、オムニス展開にベイルを合わせる動きも非常に強力です。オムニスに合わせるベイルを進化させると攻撃力が6になり、母なる君が守護裏の大狼を除去できなくなるワザップがあるので覚えておきましょう。
16.始祖の大狼・オムニス:②③
三積み確定枠。エルフの最強カード。こいつが来てくれたお陰で、ローテエルフは救われました。言わずもがな、大狼を2体出し、盤面を制圧しながら4点を顔に飛ばす動きは非常に強いです。コスト踏み倒しのオンパレード。エルフ版ヘクターの二つ名は伊達じゃないです。できれば顎の下の柔らかそうな毛をもふもふしたい……。
実際、プライマルの着地を待たずしても、こいつで試合が決まってしまうこともあります。オムニス展開にベイルを絡めると、更に大狼が盤面に残りやすくなり、大狼育成ゲームで試合を終わらせることが可能です。試合が早く決するに越したことはないので、積極的に7,8ターン目にオムニスを立てたいです。9ターン目にプライマルを着地させる予定なら、8ターン目までに盤面の大樹を必ず回収しておきましょう。
17.プライマルギガント:③④
2積み以上は確定、3枚目は要検討。お待たせしました。このデッキのキーカードです。コントロールプランやコンシードプランを取る際に、非常に重要な働きをします。このカードが発表された当初、「こいつは完全にネタカード。専用構築を組まなければまともに活躍しないだろう」と思っていましたが、そんなことはありませんでした。このカード、控えめに言って頭おかしいです。このカードがあるお陰で、エルフはロングゲームにより強くなりました。
まず、アクセラの4点回復が非常に強いです。アグロデッキや自然ビショップに体力を削られ過ぎてしまった時、1コスト払って回復することで、強制的にゲームを長引かせることができます。ついでにプレイ枚数も稼げるので、メイの直接召喚にも貢献します。
そして、9コストのフル展開。出てくる可能性があるのは、1、2、3、4、5、7コストのフォロワーです。盤面がフルで開いているのなら、ここの中から選ばれた4つのコストのランダムなフォロワーが出現します。これが本当に強い。エルフの弱点として、「展開する時に手札のリソースを大量に消費しなければならない」ことが挙げられるのですが、その弱点を完全に克服しました。ロングゲームに強くなったというのは、耐久力が上がったことに加えて、手札のリソースを温存できるという点が大きいです。この大量展開を綺麗に返すことができるのは、カラトや母なる君を複数枚採用した自然ビショップと、大いなる回帰を持った自然エルフぐらいだと思います。自然エルフミラーでも、先攻9ターン目にこいつを叩きつけるだけで、かなり試合を優位に運ぶことができます。
ここまでプライマルギガントのことをべた褒めしてきましたが、それでも3枚積むほどではないと考えています。確かに遅延性能は高いですが、リノエルフ等の対話拒否型デッキには腐りますし、自然ビショップでも手札に打点を溜め込んで一気にバーストを狙ってくる動きをされると、どうしても4点回復が腐ってしまいいます。そもそも、プライマルギガントに頼らずとも試合が決まることも多く、頼る試合も1枚置くだけでそのままゲームエンドになることがほとんどなので、事故回避のためにも2枚採用にとどめました。9ターン目以降に1枚引くことができればいいかな、程度に考えています。
一応補足程度に、不採用カードについてもまとめておきます。
・自然の導き:別にバウンスしたいカードもない上に、手札が溢れやすく、なおかつドロソも豊富になったことも考えて不採用。
・清き泉のエルフプリンセスメイジ:RAGEで優勝されたさわちゃん選手が3枚採用していたカードです。進化時効果で加わるウィスプを手札に抱えておくと、7ターン目にウィスプと盤面の大樹を回収して最速フルパワーオムニスができるようになるのが強いです。2/2/2で2ターン目に置いても最低限の仕事をしてくれる、デッキの潤滑油のような存在。ドラゴン対面では、イアンケアでウィスプを吐いて五面埋めて相手に盤面返すことも有効です(現在はティラノのアクセラで一面処理して盤面を開けてくるので、刺さらないことがままある)。ただし、今回のデッキは遅めに組んでいて、7ターン目の最速フルパワーオムニスを目指すデッキではないこと、進化権が切れた後にただの2/2/2になってしまうこと、プライマルギガントを置いた時にウィスプが蘇生されるのだけは避けたいことから、採用を見送りました。
・水晶の指揮者・リリィ、ルナールツインズ・リナ&レナ、スピアーエルフ等のアグロギミック:アグロプランを後押しするために採用される方がいますが、今回はコントロールプランを通すことを主軸に置いているため不採用。
・神鉄圧錬法、フェアリーブレイダー・アマツ、悪戯の精霊等のフェアリー疾走ギミック:これらをセットで採用し、「自然アマツ」なるものを作る人もいますが、今回はコントロールプランを通すデッキであること、そして、アマツデッキ自体がかなりトップ依存のデッキになるため、デッキの安定性が下がると判断し不採用にしました。
・無窮の輝石・カーバンクル:シンプルに枠がなかったのと、プライマルギガントで出てくる候補のフォロワーをこれ以上増やしたくなかったという理由が大きいです。できれば、4コストは大狼だけに絞っておきたいです。ただ、カーバンクルの進化時効果の回復や、煌めきの回復+ドローは遅延性能が非常に高く、ロングゲームを見る力はとても高いので、採用の余地はあります。自然エルフミラーでロングゲームになった場合にかなり刺さる印象です。ただ、それ以外の対面で欲しいと思ったことがないので、不採用。
・木立の精霊・ドリアード:自然ネクロに対しては刺さるカードですが、現在自然ネクロはあまりBo3環境では見かけないこと、そして母なる君に弱いことも考え不採用。正直このカードを入れるぐらいなら、ラティカを積む方が強いと思っています。ラティカと比べて唯一優れている点は、プライマルで蘇生された時に、ラティカよりも盤面に残りやすい点のみです。
・クイーンセイバー・シンシア:アグロプランを後押しするカード。6ターン目に盤面にフォロワーが残っていないと投げづらく、また、それ以降のターンに進化付与しても一面しか触れないので、とにかく使いづらいカードです。9ターン目にアイリーネ+シンシアで2面処理しつつ圧力をかけることも一応できますが、アイリーネは自動進化できるし、プライマルを出したいターンでもあるので、様々な点を考慮し不採用。だが、アグロプランを通す自然エルフなら、採用は全然ありえます。
・マシンランスエルフ:プライマルを採用するデッキにはよく入ってくるカード。確かに、プライマルで蘇生するのは強いのですが、7ターン目に一面しか触れることができないのがつらい。そして、このデッキはプライマル特化であるわけではないので、これ以上事故率を上げてまでこのカードを採用する気にはなれませんでした。
・ヴォジャノ沼のヌシ:よく自然コントロールエルフにピンで刺さっているカードです。確かに、前環境と違って、潜伏をはがすカードがあまり飛んでこない今の環境では、ヴォジャノは刺さる可能性を秘めていますが、8ターン目にヴォジャノをポン置きする余裕があるかと言われたら、疑問が残ります。ヴォジャノの利点は、9ターン目にヴォジャノ進化+オムニスで18点叩き込んで、9ターン目に試合を決められることだと個人的には思っているので、ヴォジャノを入れるのであれば、リザで確定サーチし、9ターン目に絶対リーサルを決めるつもりの専用構築を組んだ方が戦いやすいのではないかと思っています。
(7)まとめ
いかがでしたでしょうか?採用カードの説明で半分ぐらい取ってしまいましたが、個人的には満足のいくノートが作れたのではないかと思います。
今期からチームに入り、シャドバのオフライン大会に興味を持って、初めてBo3の調整に取り組んでみたのですが、本当に面白かったです。不利デッキをもう一つのデッキで抜く、ということができるので、ランクマよりもメタ要素の強いゲームで、実力の差がが如実に表れると感じました。
Bo3における自然エルフの強さが伝わるような記述を常に意識していました。確かに、自然エルフはドラゴンに弱いのですが、それ以上に他のデッキにあまり不利を取らない万能さが魅力的だと思っています。どんなデッキが相手でも柔軟に対応し、ある程度のパフォーマンスを発揮してくれるので、Bo3の自然エルフは本当に強いと思います。
最初にも触れましたが、リノやアマツと言った別タイプのエルフデッキが強いというのも、自然エルフの強さを押し上げているように感じます。ある対戦相手の方からは、「まさか初手に自然エルフを投げられて、自然ビショップが倒されると思ってなくて焦った」と言っていただきました。また、別の対戦相手の方と繰り広げた、自然エルフミラーの試合は超激熱でした。私が劣勢で負けそうな時、9ターン目にトップからプライマルギガントを引いた時は、思わず声が出そうでした。そのプライマルギガントのお陰で、なんとか試合に勝つことができました。あれ以上の神トップは、今後ないだろうと思わせるぐらいに強かったです。ありがとう、プライマルギガント。
もし、今後ランクマやグランプリで自然エルフを回したいと考えている方がいましたら、荒野の休息の枠をエルプリに、ピン差しワンコをアイリーネに差し替えてお試しください。エルプリが入ることで、アグロプランやミッドレンジプランを通しやすくなり、ワンチャンドラゴンにも抗えるようになります。ランクマはBo3と違い、苦手なデッキを他のデッキに潰してもらうということができないので、不利対面のデッキに対してもある程度の対策をデッキ内に用意しなければならないのが難しいところです。
自然エルフは癖が強いデッキなので、最初は手札を燃やしてしまったり、上手くプレイ枚数を稼ぐことができなかったりしますが、結局使ってなれるのが一番速いので、皆さんには是非自然エルフを触ってみて欲しいと感じています。
自然エルフの構築やプレイングについて何か質問等あれば、TwitterのDMやリプ欄にメッセージをください。自分の答えられる範囲で、なんとか質問に答えてみようと思っています。
それでは、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!皆さんの自然エルフの構築の参考になれば幸いです。今まで自然エルフを触ったことがなかった人も、これを機に自然エルフを使い始めてみませんか?
Right (https://twitter.com/Right24463474)