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新鮮な味わいを多角的なデザインで全国へ|北海道白糠町シラリカいくら ブランディング

RightDesignInc.のnoteでは、これまで弊社が携わってきたプロジェクト事例を紹介していきます。今回ご紹介するのは、北海道白糠町のいくらブランド立ち上げプロジェクト。本記事では、ロゴデザイン、パッケージデザイン、WEBデザイン、ムービーからポップアップイベントのインテリアデザインまで総合的にブランディングとプロモーションを担当してきた裏側を紹介していきます。

いくらとともに伝える白糠町の魅力

北海道白糠町は、地元特産品の魅力を広く世界に発信することを目的に、厳正な審査を通過した白糠町の特産品を集めた「シラリカブランド」を立ち上げました。その商品の第一弾として選ばれたのが「シラリカいくら」。白糠町は日本有数のいくらの産地として知られていますが、なかでも高い水産・保存技術により、醤油漬けにしなくとも消費者の元に届けられる「生いくら」が特徴です。

シラリカとは、アイヌ語で「岩磯のほとり」を意味することば。

ふるさと納税において白糠町のいくらは元々一定の人気を誇っていました。しかし、他自治体のふるさと納税の返礼品同様に、いくらそのものへの関心はあるものの「町」そのものへの関心は薄く、そもそも存在感すら希薄なものでありました。

ブランディングにあたり、私たちはコピーライトやパッケージデザインを通じていくらの魅力を伝えつつ、同時に「町」の存在を感じさせることを狙っていきました。

海を中心とした自然豊かな生活と文化を持つ白糠町。そんな白糠町の自然が一粒のいくらに凝縮されているというイメージを「自然そのものを、一粒に。」というキャッチコピーに込めています。

パッケージデザインにおいては、押し付けがましくないかたちで町の地図をグラフィックに落とし込むことで、パッケージを通じて、白糠町という地域から直接届いた感覚に陥る体験をデザインしました。ロゴ部に箔押しを施すことで高級ブランドのような品質感を表現し、生いくらを白、醤油漬けを紺色の箱として共通のエレメントを用いつつデザインすることで、商品ラインナップの存在を意識させ、これまであまり一般流通してこなかった生いくらの存在も際立つように設計しています。

シラリカいくら パッケージ


一粒のどでかいいくらが輝く、アイコニックなデザイン

メインのビジュアルは、紺色の背景に一粒のいくらを大胆に配置し、その輝きを際立たせるもの。このビジュアルは、パンフレットやWebサイト、コラボ商品との展開物など、さまざまなメディアに展開されても一目でわかりやすく、いくらの魅力を力強く伝えることを目指しています。

メインビジュアル
シラリカいくら Webデザイン


「単純明快さ」と「上質さ」を両立させる空間設計


ブランドイメージを構築し情報発信をしていくために、北海道から離れた地でも「シラリカブランド」・「シラリカいくら」の認知を獲得していく必要がありました。そこで昨年東京・下北沢で行われたのが、「シラリカいくら」を実際に体験できる期間限定イベント「シラリカいくら食べ比べ亭」です

私たちはインテリアデザインを中心にイベントの空間設計を行いました。空間設計において大切にしたのは、“単純明快さと上質さ”の両立。認知拡大の場としていくらのイベントであることが一目で分かるように設えつつも、いくら本来の品質の高さを表現するためには安っぽく見えない上質さを兼ね備えた場を創る必要がありました。

それが最も表れているのが、いくらをモチーフとした412個の天井の提灯です。一般的な水性塗料では和紙に塗装すると透過性が高すぎて提灯のボリュームが感じられず軽い印象になる可能性がありました。そこで、和紙との相性が良い朱液(朱色の墨汁)を用いることで、高い発色と適度な透け感を実現。数百個の提灯が集まり、圧倒的な存在感を創りだしました。

今回使用した会場は、普段はライブハウスとして用いられています。一般的なイベントスペースではないものの、舞台装置として用意されていた照明器具を利用し光を細かく調整することで既存の設備を活かしながらより魅力的な空間をつくりだしています。

本イベントでは、会場全体の照明をいくらをモチーフとした提灯を通じた光とし、舞台照明用のスポットライトを定位置にとどめず緩やかに動かしながら提灯に当てています。その結果、海中から見える波に揺られる太陽光が表現され、海の中にいるかのような没入感も生まれています。

シラリカいくらを実食する机には無塗装の無垢板を天板と木製の作業台を使用、スツールは切り出したままの無垢材を用いました。これは「自然そのものを、一粒に。」というコンセプトに合わせ、白糠町のいくら本来の「上質さ」を表現するものでもあります。

会場のファサード部分には、道行く人たちの目に止まるように横幅5mのシンボリックな特注暖簾を設置しました。入り口には段差があるため、通りがかる人の視点からは見上げる形で会場内の天井のいくらがちらりと見える設計にすることで、屋内だけに留まらず屋外からも期待感を生み出す広告効果を生んでいます。

ブランドのコンセプトからコピーライティング、キービジュアル、ウェブサイト、そしてプロモーションイベント──さまざまな表現をブランドと合致させることで、本プロジェクトは一体感のあるブランド体験を生み出すものになったと言えるでしょう。


「シラリカいくら食べ比べ亭」2024実施!

そして、連日大行列の大盛況で昼すぎには完売となった「シラリカいくら食べ比べ亭」が今年もパワーアップして帰ってくることが決定しました。

屋内では昨年に引き続き「シラリカいくら食べ比べ御膳」を提供。生いくら、醤油漬け、塩麴、オリーブオイル、ラー油の5種類の味わいを一度に楽しめる贅沢な御膳は、シラリカいくらの魅力を存分に味わえるものです。今年は屋外にも座席を拡大し、特別メニュー「シラリカいくら食べ比べおにぎり」も登場します。醤油漬けと日替わりの(塩麴、オリーブオイル、ラー油のいずれか)2種類が提供され、開放的な空間で手軽に「シラリカいくら」を楽しむこともできます。

さらに会場内には、白糠町のふるさと納税コーナーを新設。その場で寄付を行い、「シラリカいくら」を通じて地域貢献をすることも可能です。いくらを楽しむだけでなく、白糠町の未来に貢献できる特別な体験をお届けします。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください!

開催期間:2024年10月10日(木)〜10月14日(月)
営業時間:屋内 11:00 〜21:00(20:30 L.O.)屋外 19:30(19:00 L.O.)
    ※10日(木)屋内 13:00〜21:00(20:30 L.O.)屋外 19:30(19:00 L.O.)
    ※14日(月)11:00〜18:00(17:30 L.O.)
会  場:下北線路街 ADRIFT(下北沢駅・東北沢駅より徒歩約5分)
座  席:屋内56席・屋外22席
住  所:東京都世田谷区北沢3-9-23

さらに、都内では飲食店コラボも実施中。「シラリカいくら」を用いたメニューが期間限定で提供されています。今回のプロジェクトを通じて、私たち自身もすっかりシラリカいくらのファンになってしまいました。ぜひイベントや飲食店コラボに足を運んでいただけるとうれしいです。

第1弾
開催期間:2024年9月23日(月)〜 10月6日(日)
営業時間: 各店舗の営業時間などの詳細は店舗ページにてご確認ください。
対象店舗: しらす食堂じゃこ屋、PEZ、KABEAT
第2弾
開催期間:10月15日(火)〜 11月3日(日)
営業時間: 各店舗の営業時間などの詳細は店舗ページにてご確認ください。
対象店舗:下北線路街 賛同飲食店(8店舗)
     おともさんbyダイタデシカ、合心酉庵、YOYO、
     胃袋にズキュン、BONA BONA PÉTIT、
     TDM 1874 下北沢、はしり、立てば天国


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