ビーチ・カントリー・マン・ダイアリー(20):「雲母の輝き」
昔々、地理学を専攻していた私の知人が「何故、宝塚なのか?」という論文を書いていて、その理由を説明してもらい、なんとなく納得したのを覚えています。確か、朝鮮通信使など瀬戸内海を西から東へと航行する旅人から見ると、兵庫県の宝塚あたりがまるで宝があるように輝いて見えたはずで、そのあたりには雲母が大量にあったからだ…とかだったと薄く記憶しています。
口紅などのキラキラした材料として雲母はあちこちで使われており、雲母が大量にあればかなりキラキラしているはずですから、宝塚あたりに雲母が大量にあれば彼の論拠は正しかったのかもしれません。その後、特に調べていないので確かなことは分かりませんが。
今朝、干潮時の浜辺を歩いていると、海水がひいた直後の濡れた渚が雲母でキラキラと輝いていました。足下から視線を上げて数キロ続く海岸線を遠望してみると渚がキラキラと輝いていました。その輝きは派手なものではなくて、雲母の粒一つ一つのとても小さな輝きの塊でした。
晴れた日に海辺に来ると、海も浜辺も輝いて見えると思いますが、おそらく、この雲母たちの輝きも重要な役割を果たしているのだと思います。
この夏も、雲母たちは精一杯輝いて、海辺の夏を演出するのでしょうね。中嶋雷太(写真は江ノ島側から見たトンボロ-陸繋砂州-です)