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悲しきガストロノームの夢想(58)「我が愛するハンバーガー」

 ハンバーガー好きです。でも、一個千円二千円出して食べる気にはなれません。こだわって作られたハンバーガーが美味しいのは本当に分かりますので、巷で頑張っておられる独立系のハンバーガー屋さんには、これからも頑張ってくださいとエールを送ります。
 けれど、私にとってのハンバーガーは「気楽に作り気楽に食べるもの」なので、おそらく世の中のハンバーガーの定義からズレているのかもしれません。
 たまに手作りハンバーガーを食べたくなることがあり、「どうしても食べたいの?」と自問自答し、それでも「食べたい!」と結論が出ると、スーパーへ買い出しに出かけます。
 先ずは、パテ作り。牛肉100%のミンチか、もしくは牛肉の塊を買わねばなりません。塊の場合は包丁を両手に握り、カタカタカタとざっくりミンチにしていきます。さて、その牛肉ミンチに加えるのは、カリカリに焼いたベーコンを細かくしたものと、黒胡椒のみです。それを手でざっくりと混ぜ合わせ、1センチ弱の厚みのものに手で成型します。成型と言っても美しく円にするのではなく、なんとなく円な感じが美味しく思えるから不思議です。この時に、硬くもなく柔らかくもなく成型するのもポイントです。ま、お好みですが。焼きは、強火で両面をザッと焼きますが、中心部分を生っぽくするのは好きではありません。中心部分の赤みに熱が通った瞬間がベストです。
 フライパンに残った油にウスターソースとケチャップ少々を入れ、油で煮るように沸々とさせ、ソースが少し焦げたところで火を止めます。
 バンズは、ふんわりしたものよりも安っぽい、どちらかというとカサカサした方が好きです。さらに、甘いのはNo!厳禁です。
 さて、バンズには、レタスと玉葱のスライスは欠かせません。トマトは好きですが、バンズが水分を吸いくちゃくちゃするので、トマトは入れません。
 そして、チーズはチェダーチーズに限ります(写真のはチェダーチーズがたまたま冷蔵庫になくて、普通のスライスチーズになりました)。
 少しトーストしたバンズの上にレタスと玉葱、そして焼いたパテを乗せ、ソースを垂らしてからマヨネーズを絞り入れ、バンズで蓋をします。
 これで完成です。
 ここまで私の好きなハンバーガーの話ばかりになりましたが、アメリカでも日本でも、あれこれ食べる機会があり、独立系のハンバーガー店の努力には頭が下がりますし、美味いなぁと思ったこともしばしばありました。
 ただ、繰り返して恐縮ですが、「気楽に作り気楽に食べるもの」が私のハンバーガー感なのです。つまり、我が愛するハンバーガー、です。中嶋雷太

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