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本の紹介(1)

今回は,言語学の本紹介をしていきたいと思います.
とはいえ,この学問自体がいろんな範囲に及んでいるので,1回では到底やりきれません.なので,今回は「英語学概論シリーズ」としてご紹介いたします.


1. 日英対照 英語学の基礎

 私が読んだ中で最もわかりやすく,基礎的な内容が丁寧にまとめられていたのが,こちらの本です.
 具体例も多く掲載されており,我々日本人の母語である日本語と英語を対照して話が展開されているので,読みにくさもありません.さらに,各章の最後には,Further Readingとしてその章の内容をさらに深く知りたい人向けの文献紹介などもあります.
 特に「語彙意味論」という章は,他の英語学全般を扱っている本にはあまりない章で,この分野に興味のある方には嬉しい内容になっています.
 おそらく「英語学概論(入門)」のような授業にて,多くの大学で採用されていると思われます.本書の各章の内容をきちんと理解し,自分の言葉でおよその内容を誰かに説明できるようになっていれば,言語学系の大学院入試に対応するための下地はできていると言えるでしょう.

2. 日英語対照による英語学概論

 こちらの本は,1で紹介した本よりも分厚く,その分各章の内容が充実している印象があり,難易度もやや高いかなと思います.
 Further Readingの項目もきちんと設けられており,今後研究を進める上で参考になる文献の情報も得られます.
 そして,最後の方に「英語史」の章も設けられています.これは1で紹介した本にはなかったものなので,英語の歴史に興味があるという方には一読の価値があると思います.
 個人的には,1を読んだ後にこちらを読むことをお勧めします.というのも,いきなり分厚めの本を読んで挫折するよりも,易しめでかつ分量もそこまで多くないものを先に読んでから,徐々に負荷をかけていく方が良いと思うからです.

3. 実例で学ぶ英語学入門: 異文化コミュニケーションのための日英対照研究

 かなり最近出たものになりますが,この本も読みやすくておすすめです.
 肝を据えて英語学の諸分野を勉強する!というよりも,タイトルにもあるように身近な実例を交えながら英語学の門を叩こうかなと考えている方におすすめです.
 内容は主に認知言語学と社会言語学,語用論で構成されており,ディスカッションで使える課題も掲載されているので,1人で勉強をする時だけでなく,複数人で勉強会をする時の本としても活躍すると思います.
 全部で164ページと,そこまで分厚くもないので,1冊読み終えるまでにも時間はあまりかからないと思います!
 特に上で述べた3分野(認知言語学,社会言語学,語用論)に興味がある方は非常に楽しみながら読めると思います!

まとめ

今回は英語学の入門書(英語学概論シリーズ)として3冊の本を紹介いたしました.今後新たにこの系統の本が出て,面白い!と思ったものは,こちらに追加していきたいと思います.
ではまた.

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