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養分たる夢

その文章を三島由紀夫風に校正してみます。

JOKER2は、一見すると「スタンドアローンコンプレックス」という概念を掘り下げているように見える。しかし、その実態は、攻殻機動隊においてすでに提示された問いの繰り返しではない。それゆえ、既視感にとらわれる。しかし、実際にはJOKER2の主題はスタンドアローンコンプレックスに留まるものではない。ここには、より深遠な人間存在の構図が描かれている。

人は夢を見る――だが、その夢を支える養分は下層社会の人々だ。アメリカの政治的潮流において、ハリスが敗北しトランプが勝利したのも、この構図を象徴している。ハリスが掲げたリベラリズムは理想論に基づいて「かくあるべし」を説いたが、トランプは現実を直視し、下層の怒りと不安を吸い上げた。夢を実現するために、夢を見られない人々が犠牲となる。これは、人間が人間を養分とする時代の到来を意味するのではないか。この危険な時代、私たちはどのように生きるべきなのか。JOKER2は、この問いを法廷という舞台で描き出す。

法治国家において、唯一の守護者は法律だ。友人でもなく、家族でもなく、まして恋人でもない。冷徹でありながら公平な法律だけが、私たちを守る。その法律を司る弁護士を、ジョーカーは解雇する。結果として下されたのは死刑判決だった。裁判所は爆破され、ジョーカーは逃亡を図るが、彼を守る者はいなかった。法の秩序を破壊した者が、その保護を失うのは必然だ。そしてジョーカーは殺された。法が破られたとき、社会は誰をも守ることができないのだ。

こうして、感染は始まった――スタンドアローンコンプレックスという、個の狂気が集合として成立する現象が。

文体と論理の整理を意識し、三島由紀夫風の緊張感を与える形に仕上げました。

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