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Rocky Linux 9をデスクトップ用途で快適に使うための方法


注意事項

ここで紹介する設定で起こるすべての問題は、管理者権限等を用いて導入した者自身の責任とする。


意外と扱いづらいRHEL系デスクトップ

RHELやCentOS Stream、RHEL互換Linuxは、日本語環境でデスクトップLinuxとして使うには、若干扱いづらい。
まず、公式リポジトリから提供されるデスクトップアプリが少ない。
かといって、野良ビルドを拾うのはセキュリティ云々で心理的に憚られる。
自力ビルドは更新等の管理が大変だ。


必要なリポジトリを追加する

であれば、サードパーティ・リポジトリを導入するのが一番。
一番安全なのは、Fedoraコミュニティが運営しているEPELリポジトリ。
Fedoraの公式パッケージ並みのアプリが追加されるので、ここだけでも導入する価値があるけど、RHELのバージョンに相当するFedoraベースなのか、若干古い。
そしてもうひとつ、RHEL系環境にとって便利で、安全なリポジトリがある。
それが、Fedora Projectの公式Flatpakリポジトリ。
これがあれば、最新のFedoraと同じデスクトップアプリが手に入る。


新規インストールの場合の導入手順

デスクトップ用途で新規導入の場合、OSのインストール内容でワークステーションを選び、追加アプリを選択しない事をお勧めする。

まず、素の状態で最新のアップデートを適用する。
$ sudo dnf upgrade -y

アップデートの適用が完了したら、再起動。
次に、公式で紹介されているコマンドを実行。
$ sudo dnf config-manager --set-enabled powertools

その後で、EPELリポジトリを追加する。
$ sudo dnf install epel-release

dnfの情報を更新する。
$ sudo dnf update
ここで更新のお知らせが出れば、再度適用する。

Fedora Project公式のFlatpakリポジトリを追加する。
$ sudo flatpak remote-add --if-not-exists fedora oci+https://registry.fedoraproject.org


Mozcの導入

標準のAnthyでも日本語入力はできるけど、文章を打つとき色々と大変なのでMozcをインストールするんだけど、ググって出てくる情報はFedora 34のパッケージを拾ってくるパターンが殆ど。
現在Fedora 34のリポジトリは存在しないので、この拾ってくるパターンは使えない。
しかしEPELリポジトリにはMozcのパッケージが存在するのか
$ sudo dnf instal ibus-mozc

と打つだけであっさりインストール、使用できるようになる。
すぐに使いたいのであれば、一旦ログアウトか再起動すること。


LibreOfficeなどの導入

LibreOfficeやGIMPなど、必要となるデスクトップアプリはFedora公式のFlatpakアプリをインストールする。

ソフトウェアセンター経由ならソースがFedora表示のもの、ソース選択ができるならFedoraを選ぶ。


Flatpakのコマンドが分かるなら、そちらを使ってインストールする。


終わりに

こうした手順を踏むことで、比較的安心できる環境で、最新のFedora Workstationに匹敵するデスクトップ環境が手に入る。
Flathubを追加したらもう少し便利だとは思うんだけど、僕個人としてはうまく動かないアプリがある以上、RHEL系にはあんまり入れないほうがいいと思う。
だから互換性とか動作がほぼ確実なFedora ProjectとFedoraコミュニティのリポジトリに限定して紹介してる訳で。

各種コマンドは各公式サイトの手順紹介を元に実行して、成功したから記事として書いてるので、Alma Linux 9でも同様の手順で導入できる筈。
RHEL、CenOS StreamはEPELの導入手順とか打ち込むコマンドが若干違うようなので、公式の手順紹介をよく読むこと。

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