ホラー 夜更かしのわけ
前書き
こんばんは。お疲れ様です。
文章を書く力をつけるべく、1日に短い作品を1つ作ることにしました。
自分の日記帳に、ガラスペンを使って適当に書き散らし、少し添削や推敲を加えたものです。続くかはわかりませんが………。
夜更かしのわけ
夜更かしが身体に良くないことは分かっている。
寝るためにしなければいけないことがあるのも分かっている。
それでも早く寝ないのは。
「スマホを辞められないから」
「面倒くさいから」
いや、それらは言い訳。根本的な理由はそうじゃない。
そもそも「早く寝られない」のではない。
朝が来るのが嫌だった。
寝てしまったら、次に意識が戻る頃には朝になっている。
朝が来たら、1日が始まってしまう。
重い身体を引きずって、眠いまなこで働いて、動かぬ頭で失敗して、人と比べて落ち込んで、至らぬ自分を消したくなって、そうしてまた1日が終わっていく。
その繰り返しが嫌で、苦しくて、抜け出したかった。
けれど、眠ってしまったらまた始まってしまう。
早く寝てしまったら、また重い身体を起こさなきゃいけない。
このスマホから手を離したら眠ってしまう。
けれども瞼は重くなる。
眠ってしまえば心地良い。
起きてしまえば朝が来る。
ここは真っ暗で苦しくない。
ずっとここにいたい。
身体の怠さも重さもない。
嫌な人も、誰もいない。
痛いことも、悲しいこともない。
何もない
嫌だ戻りたくない
戻れない。
翌朝、彼は遺体で発見された。
死因は、過労と日頃の不摂生からくる心臓発作と見られる。
眠っている間に発病し、亡くなったと思われる。
夜更かしのわけ 了
※この物語はフィクションです。実際の人物・事件・団体とは一切関係ありません。