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Photo by
sorasagano
植物に生き方を学ぶ
最近、よく植物の気持ちを考えます。
私は、植物を対象に研究を行っています。
大学に進学し、研究活動を始めるまでは、植物に魅力を感じていませんでした。
花を見れば綺麗だとは思うけど、心を動かされるようなことは無いような人間でした。
しかし、実際自分で植物を育てて、毎日植物に触れていると植物の偉大さ、賢さを実感します。
栄養が少ない,水が少ない,暑い など、生存に不利な状況になった時、植物は栄養を探して根を伸ばしたり、気孔を閉じて体の中の水が出て行かないようにしたりと様々な応答を示します。
植物には脳はないし、考えることはできない。
動物と違って動くこともできなくて、たとえ根ざした場所が過酷な環境でもそこで生きて行かなければいけない。
だからこそ、植物は外部の環境を繊細に感知し、それに対して対処する能力を持っているのだろうと思います。
私は大学にいて苦しい事や不安な事、考え事があると植物を育てている部屋に行きます。
もう疲れたな、消えてしまいたいなと思った時、ただただ純粋に一生懸命生きている植物を見ると少し救われます。
私は人間なので、過酷な環境で死にそうになるほど苦しければそこから逃げる事ができる。
逃げることを決断することは大切なことだと思います。
それでも、私は逃げずに戦ってみたい。
真面目にやっている人よりも、ズルをしてでも要領がいい人が認められるようなこの世界で、ズルをせずに何事にも真面目に誠実に取り組みたい。
真面目であることを辞めたくない。
自分に与えられた環境が過酷でも、そこにあるものを全て使って懸命に生きていく。
たとえ結果的に花を咲かせる事ができなくても、咲かせるために必死で生きる。
そんな植物の強さを見習って生きていこうと思います。