【空想レポ#1】天空郵便局
みなさんいかがお過ごしですか?
彩堂かおるです。
突然ですが、みなさんには、もう会えない大切な人はいますか?伝えたかったけれど行く先が無くなってしまった思いはありますか?
今回、故人に手紙を届けてくれるという「天空郵便局」に行ってきたので、レポしたいと思います。
1ヶ月ほど前、叔母が急逝しました。昔相当お世話になったのにここ数年会えておらず、夫の紹介も出来ていませんでした。
いつ会いに行こうか、と思っている内に時間が過ぎてしまい、とうとう会えずじまいとなってしまいました。
話したかったことがたくさんありました。ここ最近会えなくてごめんなさい、ということや、いいひとに巡り会えたことも伝えたかったです。後悔しきりでした。
そんな行き場の無い思いを晴らすべく、故人と意志疎通できる方法が無いかとネットの海を彷徨っていると、なんと亡くなった人に手紙を届けてくれる郵便局があるというではありませんか!
その名も「天空郵便局」。
あの世は天にあるという訳か、と思って詳細を見てみると、とある山の上にあることがわかりました。物理的に天空に近いんですね!
さっそく、行ってみることに。
手紙に思いをしたためて封筒につめ、宛先はどう書けばいいかわからなかったので保留にして、差出人のところにだけ住所と名前を書き、いざ出発。
電車とタクシーを乗り継いで、某県某市のとある山までやってきました。
険しい山道を行くかと思いきや、ロープウェイがあったので意外と楽にたどり着けました。
目的地にはたどり着いたのですが、肝心の郵便局の姿が無い!あるのは1本の柱とそこに取り付けられた電話だけ。
場所を間違えた?
いえいえ、ちゃんとここで合っています。
実はこの電話をとってとある番号を押すと、局員さんが出て郵便局までのルートを教えてくれます。
そのルート通りに行かないと天空郵便局まではたどり着けないそうです。
なかなか複雑だったので、行くときはメモを持っていった方がいいと思います。
※詳しいルートは公開NGということでしたので、番号と併せて非公開です!ごめんなさい!
教えられた通りの道を行き、またしても何もないところに着いたと思いきや、いつの間にか目の前には郵便局が現れていました。
やっとたどり着きました!天空郵便局!
見た目は普通の郵便局といった感じ。
中で働く局員さんも普通……かと思いきや、みなさん背中に羽根が生えていました!
天使のような真っ白い羽根や、カラスのような艶やかな黒い羽根、昆虫のような透けた羽根など、いろいろなパターンがありました。
いろいろな出身地から集まっているようです。
お客さんはわたし一人だけでした。
入ってすぐのところで光景に圧倒されて突っ立っていると、灰色の羽根のお姉さんが声をかけてくれました。
お姉さん「先ほどお電話いただいた方ですか?」
わたし「は、はい、たぶんそうです」
お姉さん「郵便ですか?」
わたし「はい」
お姉さん「では、あちらの窓口までどうぞ」
わたし「はい、ありがとうございまふ」
緊張のあまり噛みつつ、案内された窓口まで行くわたし。ちょっと恥ずかしかったです。
窓口では、白地に黒い水玉模様の、ダルメシアンのような柄のふさふさな羽根をもつお兄さんが対応してくれました。
お兄さんはまず、宛名が空欄だった私の手紙を見て、宛先を割り出すからと叔母の名前や生前の住所、亡くなった日付をわたしに聞きました。
名前は戒名でなくて良く、また、亡くなった場所の住所でなく生前の自宅の住所でよい、とのことでした。
なんでも、それが故人の魂により深く刻まれていることだからだそうです。
お兄さんはわたしに宛名(叔母の名前+様)だけ書くように促し、わたしが封筒に書いて渡すと、赤ペンで何か書き付けて手紙の重さを計り、「210円です」と言いました。
天国への送料は普通郵便+100円なんだな、などと思いながらお金を渡し、領収書をもらいました。(普通の領収書でした)
お兄さんは透明できらきら光る小さなシートを手紙に貼り、青いコンテナにそっと置きました。きっとそのシートは天国行きの特別な切手なのだと思います。
最後に、「手紙が先方に到着したらお知らせしますか?」と聞かれたので、迷わず「はい」と答えました。相手に届いたら虹がかかるそうです。
なんだかとても素敵だな、と思いました。
以上、天空郵便局レポでした。
気持ちが少し、楽になりました。
虹がかかったら、追記でお知らせします。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
追記:
雨もないのに虹がかかりました。
きっとわたしの手紙が叔母に届いたのだと思います。叔母さん、どんな反応したかな。
今度、お墓参りに行ってきます。