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mGear導入と入門の覚書

この記事はambr, Inc. Advent Calendar 2024の19日目の記事です。
昨日はこんしるさんの記事でした、エキサイティングで面白かったです
ambr所属CGアーティストの工冫卜宀氵゛です

Mayaでアニメーションをつける際、色々なアプローチがあるかとは思います、人型だったらHumanIKで十分だけど、もし人型とは違うRIGが必要になった場合、どうする?
余裕があればオリジナルRIGを作る選択もあるでしょう、しかしRIGの作成には時間がかかる…と悩んでた際に目にしたのが、今回紹介するmGearでした

この記事は
mGear導入〉UnityにFBXをインポートをするまでに躓いたポイントを覚書としてまとめた mGear入門者に向けた内容になります

mGearについて調べると優れたオープンソースリギングフレームワークであること、意外と手軽に入門が出来そうなことがわかってきました
それでも初手のインストールで苦心した経験から、筆者の知見を共有し、敷居は低く実際作業するアーティストやデザイナーの方たちにも広くmGearを触ってもらいたく記事にした次第です(そして色々知見を増やしたい)
少しでもお役に立つことになれば幸いです

使用環境 「Maya 2024.2」 「mGear version: 4.2.2」


インストール準備

まずご使用予定のMayaのバージョンが2024以降か2023以前かの確認をしてください、2023以前でしたら、ここは飛ばしてしまっても構いません

Maya2023以前はデフォルトで入っていた Pymel がMaya2024では提供から外され Pymel を通して使用可になっていた外部開発ツールはPymelの導入を自身で行う事が必須になっている(mGearも対象)ことが現状のようです

  • mGearを導入するにはpymelが正常にインストールされている必要が有

  • PymelをインストールするにはPipを利用する必要が有

という流れになっています、そのため以下3つのステップを経てMgearをインストールすることになりました

  1. Pip をインストールする

  2. Pymel をインストールする

  3. mGear をインストール

pipのインストールについて詳細は こちら 
Pymelのインストールについては こちら 

を参照させて頂きました、ありがとうございます、たいへん助かりました
こちらを参照しなければ詰んでいました、不躾ながらこの場を借りてお礼いたします

上記がうまくいっていればmGearのインストールは公式ホームページの手順で無事にすすむはず、一度お試しください

Maya~2023以前のバージョンではPymelがデフォルトインストーラにオプションで入っているそうです、この工程は踏まずそのままPymelをインストールすればmGearはすんなりとインストールできるはずです


概要・使用方法

筆者は早速mGearを触りたい!という勢いのまま進みたかったのですが、インストールで躓き萎えてしまったため「どうやって使うの?」までたどり着けず、挫折と戸惑いで立ち止まってしまいました、その際、動画に助けてもらいました
mGearの概要・使用方法は、以下の動画がコンパクトにまとまっていて、おすすめです

mGearで人型リグを組もう!基礎編
mGear 第1回 - TemplateFlow

もちろん本家の動画も参照ください、数が多く、英語が主で敬遠するかもしれませんが、一つ一つの動画は短く摂取は必須です
本家ゆえ情報が早く詳細で、悩んでいる部分が出た際に確認というやり方がパフォーマンスに繋がるのではと思います


RIG作成

概要などザックリ理解したところで、[ mGear>Shifter>GuideManager ]を立ち上げる、と出てくるコンポーネントの数に圧倒され、どれを使っていいものやら…(挫折)とならないように、上記の動画でも言及されていますが
mGear>Shifter>Guide Template
にて任意のガイドを解析しつつ色々触ってより理解に近づくということが良いように思います

mGearは「スケルトンを作成してからRIGを作成する」という通常のワークフローとは少し順番が異なり「ガイドを作成してから、スケルトンとRIGが作成される」ことには注意が必要です
そのためウェイトを付与するタイミングが少し後ろになってしまいます

筆者がこの作業をやりつつ考えたことは、シンプルなコンポーネントでも十分なRIGを作れるのでは?という事でした
mGear>Shifter>GuideManager
使用するコンポーネントは「chain」「control」の二つです、下画像はそれを検証するため作ったガイドのスクリーンショットです

「control_01」を2つ「chain_01」を左右に配置

任意のコンポーネントを選択し配置
mGear>Shifter>GuideManager>
 GuidTools>Build From Selection
からRIGを作り、良くなかったらまた作り直す
 GuideRools>Settings
コンポーネントの設定を調整して、ガイドからRIGの作成を何度か繰り返し様子を見ながらトライアンドエラーをしながらRIGを組み立てていきます

「chain」のsettingのスクリーンショット、赤線部sideで左右を設定

設定すれば左右の片側だけ作って、後に反転するだけで逆側も作ってくれることにも感動しましたし、まだ使いこなしてない機能がたくさんありますが、一旦上記のスクリーンショットを参考に組み立ててみてほしいです
実際にRIGが出来てくればあとはもう進むのみです


アニメーション作業

上記で作成したRIGのコントローラの大きさを使いやすい様に調整、ウェイトを付与したらアニメーション作業に入れます
アニメーションの作業は通常のMayaでの作業と変わりません
一点、mGearで作成したRIGには便利な機能があります
「mGear>mGear Viewport Menu」
のチェックを入れる(下画像参照)

赤線部のチェックを入れる

mGearのリグを選択している状態で右クリックをすると以下のメニューが出てきます

mGearのRIGを選択し右クリックしたところ

アニメーション作業中に役に立つ設定が網羅されており、
「Reset」>「Reset All」 はRIGが最初の状態に戻る
「Mirror」 は左右同じポーズにする
などこの機能だけでも使い勝手が良く、シンプルなRIGではこれだけでも十分です

今後は、AnimPicker も自作して使用していきたいな、とも考えています
もっと効率よくアニメーション作業ができるはず


FBX出力

アニメーション作業も完成、ではUnityにコンバートするために出力していきます
RIGを切り離し、スケルトンとメッシュのみの状態でFBXにエクスポートしたいのですが、筆者は以下2点で躓きました

◎RIG全体を選択し「キー>シミュレーションのベイク処理」ではスケルトンにはキーが打たれない(RIGにはキーがベイクされている)

  1. スケルトンを全部選択

  2. チャンネルボックスから選択したジョイントのアトリビュートを選択

  3. 右クリックで「選択項目のキーを設定可能にする」

  4. 「キー>シミュレーションのベイク処理」でスケルトンにもキーが打たれる

スケルトンを選択>トランスフォームアトリビュートを選択>右クリック

チャンネルボックスのアトリビュートの各数値に色がついているときは数値を変えないようにmGearが設定してくれていたものを外してベイクするという事になります

◎FBXにRIGのデーターまで含まれてしまう

Unity用にエクスポートする際、余分なノードが含まれない方が望ましいというのは基本かと思います(プロジェクトにもよるとは思いますが)

  1. 「mGear>GameTools>DisconnectJoints」を選択

  2. RIGとスケルトンの接続が解除され切り離される

mGear>GameTools>DisconnectJoints

上記スケルトンのベイクと共に使用するとFBXをエクスポートする際、余分なノードを外したFBXが出力できるようになります
メッシュとスケルトンだけ選択しFBXコンバートでUnityにインポートして、この場は完了です

以上、ここまで読んで頂きありがとうございました!
ザックリと大まかな記事になっていますが、細かくやっていくとキリがないという事に記事化することで気づき、このようになりました、それでも長いですね
mGearに入門して、使用する一助になることを望んでおります
今後もmGearの習熟を進めていけたらと思っている次第です


最後に宣伝を
gogh
[マルチプレイ・アップデート(v.2.0.0)]にてフレンド機能で特定ユーザーとも集まれるようになりました、作業のお供にもってこいです、是非よろしくお願いいたします

Steam版の開発も進んでおります、よろしければウィッシュリストに追加を何卒よろしくお願いいたします


明日は回路(@qazx7412)さんの記事になります


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