ヒートポンプ技術を使った蓄熱蓄電システムによる、持続可能なエネルギー社会の実現に向けて【ESREE Energy株式会社】
令和6年度「たけはらDX」で採択された起業家およびスタートアップ企業4者のご紹介をしています。
今回はESREE Energy株式会社(以下、ESREE Energy)です。
脱炭素社会へのシフトが国際的に加速する中、特に電力部門では2035年までに100%の脱炭素化を目指す動きが諸外国で活発化しています。
しかし、火力発電割合を引き下げる等の電源の脱炭素化を進めると、再生可能エネルギーによる電力供給が不足した際に、火力発電に頼れなくなっていきます。
このような背景から、電力を安価かつ大量に長期間貯蔵できる「長期エネルギー貯蔵(LDES)」技術の発展が重要視されています。
この潮流の中で、ESREE Energyは、安定的なエネルギー供給の実現を目指して、Pumped Thermal Electricity Storage(PTES)技術を活用したエネルギー貯蔵システムの開発に取り組んでいます。
なぜやっているか
諸外国の多くは2035年に電力部門を100%脱炭素化する方針です。
脱炭素化は、私達が住む地球の気候変動問題の被害を最小限に食い止めるため、温室効果ガスの大気への排出量を実質ゼロにする動きのことです。
脱炭素化を進めるためには、電力を安価に大量に、さらに長期的に貯蔵する必要があり、今後各国でもそのような仕組みが導入されることが見込まれる中で、日本に対しても同様の動きを求める国際的な圧力が年々高まっています。
一方で、電源の脱炭素化を進めると、長雨等の再生可能エネルギー供給の不足時に、日本の発電電力の70%以上を占める火力発電には頼れなくなることが課題となるため、その課題を解決するためにESREE Energyは独自のPTES技術の開発と社会実装に取り組んでいます。
どうやっているか
ESREE Energyの中心技術であるPTESは「Pumped Thermal Electricity Storage」の略称です。
この技術では、エネルギーを熱として効率的に蓄え、必要なときに電力として取り出すことができる点と、他のエネルギー貯蔵システムに比べ、低コストで運用できる点が大きな特徴です。
また、PTESは既存の電力ネットワークとの統合が容易なため、導入のハードルが低いというメリットなどもあります。
ESREE Energyはこの技術の活用による、ローコストなLDESと、脱炭素社会の実現を目指しています。
たけはらDXでの取り組み
ESREE Energyは、今年度のたけはらDXで下記の2つに取り組みます。
パイロットプラント実証事業のための場所の選定
PTESのパイロットプラント実証事業を竹原市内で行うための場所を選定します。竹原市は海に面していることから、機器の輸送における利便性が高い点、電力系統が太い点など、実証地として有利な点が複数あります。
今後は市と協力して、空き地等を活用できないか、多角的に検討していく予定です。
PTES商用機の活用可能性の検討
パイロットプラントと並行して、PTESの商用機の設置場所の探索も行います。
PTESは大型のヒートポンプでもあるため、熱電併給することで、竹原市内の産業熱の電化・脱炭素化にも寄与できないか、合わせて検証します。
具体的には、例えば、海ぶどう等の養殖場での熱供給の電化に使えないか等を検討していく予定です。
ESREE Energyと竹原がコラボレーションする本プロジェクトに関する情報は、今後もこちらのnoteで紹介していく予定です。乞うご期待!!
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