名鉄5月新ダイヤの問題と今後の改正の予想
今年の5月に名鉄はダイヤの改正を行った。特に一宮〜豊川稲荷間の急行が平日の昼間帯で運休されるとのプレスがあり、名鉄ファンや地元住民からの批判が相次いだ。この辺りの改善提案と今後予想できるダイヤについて述べたいと思う。
なお、この記事の作成開始時は7月末から進めたものもあるため、10月末の改正を考慮していない部分がある点、記事を書いた大半が新型コロナウィルスの変種株の流行が話題になる前である点、また10月末の改正等に関しては若干加筆を加えていることをご考慮ください。
名鉄平日ダイヤの急行削減問題に関して
鳴海周辺に関して、まず、結論的には「現状のダイヤの状態である場合はこれに付け加えた部分的な復活が望ましい」という意見は変わらない。
確かに、昼以降の乗客数はあまり芳しくなく急行の設定を行うのに疑問な時間帯もあるものの、午前中いっぱいは度々混雑する日もあり(テスト期間中などの午前中短縮授業などの急な需要の変化)、その辺を鑑みても下りに関しては午前中~昼あたりの急行復活は行うのが望ましい。
問題は上り方面。上りに関しては朝ピークを過ぎると名古屋方面→知立方面の列車が軒並み空いている状況なので、その辺りの調整も行うべきなのかなぁと。
朝の豊明行き準急も入庫を目的としているものもあるので多少難しいところもあるかもしれませんが、枠をフル復活するのであれば1~2本は取りやめて代わりに河和や内海への普通として運転する→取りやめた列車を別の豊明行き準急もしくは急行に置き換えて穴の開いた豊川急の穴埋めとするのも手かも。
上りに至っては10時台よりもむしろ正午前後の方が需要は不安定だ。前述のテスト期間中などの午前中短縮授業などの急な需要の変化で度々高校生の利用が目立つ。
そう考えると区間列車は必要なのかなぁと。問題は高校生の鉄道通学における需要の「壁」。愛知県の高校のエリアが主に尾張地方と三河地方に分かれてしまうため、高校生の需要も「旧国境」で明確に分かれてしまう(といっても名古屋の私立に行く三河の高校生もいれば、三河の職業系高校に通う尾張地方の「境」近辺の通学者もいるので一概にはいえないが、前者は特急を利用するし後者はそこまでの大勢を占めていない)。
となると、現状のまま設定するのであれば名古屋~豊明間に、となるのが妥当な判断のように思う。後述の知立駅の高架化の整備状況が遅れ気味ということもあり、知立駅上り本線高架化の前に今回の見直しダイヤを設定するのではないか?との見方もある。
ただし、10/30のダイヤ改正では削られた急行の際見直しについては特段触れられていなかった。が、時刻の変更については下段最後ではあるが紹介されていた。暫定的ではあるが鳴海で急行待避のない平日昼間帯の普通犬山行きの豊明発車時刻を1~2分遅らせるだけでもそれなりの効果は発揮できるかと思う。
また、急行の削減が本来並行して走る特急にも影響を与えている。特に121レの混雑状況は酷い。111レや115レがB2+1800の8連運用なのに対し121レがC2の6連で、しかも前述の高校生の考査期間の帰宅時間ともかぶるので、混雑状況が極めて不安定になりがちである。このあたりをどうするのかも気になるところである。
名鉄土休日ダイヤの準急削減における「謎の21時準急復活」問題他
逆にかなり疑問に残ったのは津島線直通の削減があったにもかかわらず残った「21時台の津島線直通準急」の存在。この列車はとりわけ需要が見込めるため設定されたとは思えず、むしろ「運用」のために残された列車のようにも思える。
むしろ、今後の中央競馬開催の定員数増に対応した旅客数確保のために夕方に一部設定すべきでは?とも思える。
また、鳴海駅22時台の豊橋スジの上り急行を有松に止める代わりに並走する準急の時刻を変えるのも手なのかもしれない(というのも、22時台の豊橋スジは豊橋まで行かずに手前の伊奈で終点になっているため、JR飯田線の影響を受けにくい)。22時台豊橋スジ急行の有松停車に関しては平日に関しても同じ意見である。
知立高架化に関して
知立高架化に関しては完成は2023年度という情報があるのだが、複雑な構造であるとともに、新型コロナウィルスの流行などで工事時期は遅れるのではないか?と見ている。そのため、名古屋本線上りホームの開業に関しても完成時期は想定よりもずれ込むのではないかとも思われる。
ただ、名古屋本線上りホームの開業の時期次第では次のダイヤ改正の時期が変わるのでは?とも思われる。豊橋側に新たに副本線が設置されるために、それを活用したダイヤ設定がなされると見ている。
場合によっては豊橋急行の待避場所の変更や上りダイヤの全般的なスジの見直しもなされるのではないかとも見ている。その場合、補完列車の設定なども白紙になることも予想される。また、知立での解結も予想されるため、列車によっては若干の集約がなされることも予想される。
深夜帯のダイヤの再変更はある?
最後に、名鉄から約1ヶ月後に「ダイヤ変更」を行った近鉄から今後のダイヤの傾向について考えていこうと思う。近鉄は7月3日に「ダイヤ変更」を行ったが、閑散エリアの普通を中心とした昼間時間帯の削減や(伊勢方面へ向かう列車は一部の特急や急行の削減や短縮も)終電の見直しだけではなく、深夜帯の一部の列車も見直しが行われて列車の削減や統合が行われた。
一方で名鉄は昼間時間帯の削減はなされたが深夜帯に至っては終電の見直しと一部の普通列車の短縮やミュースカイの取りやめのみに留まっている。
今後他社の動向をも考慮に入れた深夜帯の修正がなされないとも限らない。このあたりは知立の上りホーム高架化の時期に実施されるのか、それともコロナで工事が遅れてしまっているためにその前段階で5/22改正の「部分修正」と同時に行うのか、ということも気になる。
※10/30の再ダイヤ改正において深夜帯の一部の普通列車が廃止になるようです。
とともに、深夜帯の見直しに関してはこれに頑なに否定したJR東海の動向も気になるところだ。
昨今のデルタ株の流行に伴い、新型コロナウイルス問題が長期化する恐れも出てきたため、深夜帯等の在来線の変更には消極的なJR東海もひょっとすると若干の変更を考慮するかもしれない。
逆に知立の上りホーム高架化がJRのダイヤ改正時期と近い場合、JRの動向も伺いながらの改正も予想されるが、知立駅の高架化の整備の遅れもあるためかその可能性が低いと思われる(JRの改正は毎年3月に行われるのが基本とされるため)。
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