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スポーツを科学すること

ヒトを観察するとき、どのような視点から観察するか?

運動するヒトを観察し研究する分野をスポーツ科学と一般的には言われておりますが、スポーツ科学の中でも様々な視点が存在します。

「なぜこの人は緊張するんだろう」と考え始めればスポーツ心理学となり、

「この人のスイングスピードの秘密は何だろう」と考えればスポーツバイオメカニクス、

「この人の競技中の乳酸値は?心拍数は?」と考えればスポーツ生理学となります。

このようにスポーツを観察すると言っても様々な観点が存在するので、現場で教えているコーチ達は見ているだけでその人の運動を数値などとして客観的に把握することはまず不可能です。

結果として現れたパフォーマンスを裏付ける、機能解剖、血液の流れ、心拍、メンタル全てをその場で把握することはできません。

そしてそのコーチが自身のカンや経験だけで運動を判断してしまうと、大きな偏りが生まれたり(人は見たいものしか見ないものです)、科学的でない根拠のない指導となってしまうので、
アスリートを育てるためには最新のスポーツ科学の知識や機器を用いて運動を把握することは必要不可欠となっております。

一方でどれだけ最新鋭の機器を使っても「今この瞬間の彼の運動」を把握することはできません。
現れてくる測定値や様々なデータは「既に終わった運動に関するデータ」なので「今この瞬間に選手の動きを修正する」ことができるのはやはり現場にいるコーチに依存するしかないと考えています。

現場での観察と、観察し判断し、指導するまでのプロセスを正確にするためには現場のコーチの経験則とスポーツ科学的根拠が補完関係にあることを前提に指導を進めなければいけません。

一方で大学で専攻しない限りは、スポーツやコーチングについては通常の教育課程では学ばないことが多いので、コーチが独学で学ぶことも難しい為、そうなると専門家の知識を借りていくことが必要です。

特に学校教育の現場、個人スポーツの現場においては専門家との連携が乏しく、現代的な指導とは乖離している現場が散見されますので、
いかにスポーツ科学をコーチだけでなく保護者に対して最低限の知識として訴求できるかが、今後私の仕事になってくるのかな〜と考えています。

という独り言でした。


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