ある日の在宅への訪問フットケア
2023年師走。在宅への訪問依頼。
最後に爪を切ってもらった時は病院で数名がかりで押さえつけられながら爪を切ったということを主介護者の旦那さんが教えてくれました。
今の主治医は爪は切れないということで介護者であるご主人が爪を切ろうと思うとご本人は痛がって結局切れず仕舞いだったということです。ご本人はお一人で歩行ができるので、足の爪が伸び過ぎているため歩くのに支障が出ないかと1人で毎日朝から晩まで介護をしているご主人からの相談が今回の訪問の経緯。
ご本人もご主人も『最後に入浴したのはいつなのか覚えていない』ということでした。ご自宅の浴槽が深くて出入りが難しく入浴ができていないということでした。ご本人はデイサービスは行きたくないということでしたので「行きたくないのなら行かなくてもいんじゃないですか」とつい笑顔でお話ししてしまいました。歩けるのなら一緒に日帰り入浴、日帰り温泉なども方法としてあるよなと脳裏には浮かびましたが、初対面でもあり深くは介入できませんでしたが継続的な訪問ご依頼をいただいておりますので徐々に心を開いていただける関係になればと思っています。ご本人がお風呂自体を望まないのであれば、担当の介護支援専門員さんもいるとのことでしたがまた別な方法で身体の清潔を保つ方法も情報提供からしていきたいと思います。
ご主人よりお電話での依頼の際に本人が嫌がるかもしれないという情報がありましたが、ベッドから椅子にニコニコと移りご本人も「やってみる!」とのことでしたので足浴→足洗浄→爪切り→保湿を行いました。趾間に蓄積している茶〜黒ずみがかった垢は一度では取り切れない状態でしたので定期的な訪問で清潔を保ちながら且つ足趾の動きも最大限動かせるように足を洗い、爪を整え、コミュニケーションを図り笑う機会をつくり、ご家族も含めた情報提供役として介入していければと思った今回の訪問でした。
足を洗うと『あら、気持ち良い。さっぱりした』って仰ってくださいました。ご家族もフットケア中に足浴の方法を見て学ばれたようなので「毎日足浴をしてみる」ということでした。今回はご家族へのミニ介護教室のようになりましたがご家族の介護のちょっとしたご相談にのることもあります。特別養護老人ホーム等での介護福祉士としての介護や家族介護を経験して在宅ケアに携わっている今。今までの経験を活かして訪問フットケアをしていることは自分の強みだということに最近お客様に気付かされています。フットケアだけでは終えられない在宅で暮らしている高齢者の課題も見えてきているため、来年度は+αの在宅でのサービス(介護保険外自費サービス)の展開を行っていきます。