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バングラデシュの首都・ダッカ周辺を観光してみた|ショドルバリ民族博物館編

仕事でバングラデシュに関わり始めて1年経つ。なのに私といえば空港、ホテル、職場の往復しかしていない。仕事もいいけど、やっぱり観光もしなければ。

ということで、上司不在をいいことに初めてダッカの観光地を回ってみた。
今回の目的地はダッカ郊外に位置するショナルガオン(Shonargaon)

ショナルガオンは、ヒンドゥ語で「黄金の都」という意味らしい。12~13世紀に発展した都で、ダッカに都市が移るまで東ベンガルの中心都市として栄えた場所。そこにはパナム・ナガール(Panam Nagar)という、見捨てられた町があるという。

バッグにバナナとLEXUS(バングラで国民的人気を誇るお菓子)を詰めて、早速車に乗り込んだ。

車に揺られて約1時間半。
ひどい渋滞にハマることもなく、ダッカ郊外までやってきた。灰色のコンクリートの建物が減り、だいぶ緑の景色が広がった頃、急に観光地っぽい小さな村が現れた。

最初に到着したのはショドルバリという民族博物館(Folk Art & Crafts Museum)。外国人の拝観料は100Tk(タカ)。

偉い人のお家を民俗博物館にしたらしい。事前情報はほとんど入れずに訪れたので、民俗博物館と気づくのに30分くらいかかった。

入場してすぐ目に付くのがこちらの建物。

残念過ぎるくらい汚い鉄パイプが目の前に置かれている。多分柵なんだろうけど、これじゃ美しいタイルたちが全然見えない。ちなみに中に入ることは出来ない。

そしてこの建物の前にこんなおじさんがいる。

「そこのお兄ちゃん、体重測ってかない~?」
「お、いいすね。乗ります。いくらですか?」
みたいな感じで、体重計に乗ってもらいお金を得るというファンキーな商売をやっていた。見るからに正確な体重は測れなさそうだ。けど、実際におカネを払って買う人がいる。

彼らはまたもや私の常識を揺さぶってくる。
日本の基準では考えられない出来事が繰り広げられるのが、バングラデシュの好きなところだ。

体重計おじさんを背にすたすた進むと、目の前にきれいな花壇が広がっていた。綺麗だなー、なんてのんきに花を撮影していると「ハロー」との親しい掛け声が。

振返るとスマホを片手にはにかんだ笑顔の青年が立っていた。
はい、始まりました、バングラ恒例の外国人と一緒にセルフィーを撮ろう!のコーナー。

セルフィー撮るくらい全然いいんだけど、一人OKすると、たちまち列ができてしまう。嬉しいけど、5メートル毎に声かけられるので、全然前に進まない。

隣にいた友人が「これ、会社のロゴが入ったTシャツ着てたら良い広告になるんじゃない?勝手にFacebookとかインスタで拡散してくれるでしょ」と言っていた。なるほどな。

更に進むと竹製の橋が。最初は渡るのを躊躇ったけど、歩いてみたら予想以上の安定感。さすが竹。もしやこれも民芸品の一部???

社会科見学っぽい男子校の生徒たち。制服の色が鮮やか~。

こちらは木製の手動観覧車。手前のお兄さんが手でガンガン回している。ギィーーッってきしむ音がリアルな怖さを助長してた。中学生くらいの男の子たちが頂上ではしゃぐ姿は日本と変わらないかな。

そういえばバングラでは、人力を使った道具をよく見かける。隣のメリーゴーランドもお兄さんがガンガン手で回してた。街中を走るリキシャは足で漕ぐ乗り物だし、建設現場でも三角錐のやぐらみたいなの組んで穴掘ってたりする。その横でひょろひょろのおじいちゃんが鍬みたいなので穴掘ってて、そのまた横でひょろひょろのお兄ちゃんがレンガを積んでたりする。

(そんなんじゃ永遠に工事終わらないんじゃないの、、、)

とか心配するけど、1か月後に来ると普通に道路が完成してるからすごい。ピラミッドってきっとこんな風に、大勢の人力と知恵で作られたんだろうな、とか思ってしまう。

あれ。そういえば民族博物館なのにそれっぽいものがまだ見えてこない。
お手製遊園地エリアを抜けると、そこにはちょっとした土産物市場が。

バングラデシュのお菓子コーナー。お兄さんが睨みつけているように見えるけど、カメラを向けられて緊張しているだけ。これもバングラ人あるあるの一つ。

生地屋のお兄さんはさわやかスマイルをくれた。それにしてもバングラって本当にカラフル。浅黒い肌に鮮やかなピンクやオレンジが良く映える。自分たちに似合う色を本能的に知っているのかな。

若者の間ではサングラスが流行中の模様。民芸博物館なのに、こーゆーお店がシレっと紛れ込んでる感じが好きだ。

こちらは多分本物の民芸品を扱うコーナー。

職人さんの真剣な表情が魅力的。
ただちょっと残念なのが、実はここ、引いてみるとこんな感じ。

おじさんもお姉さんも4畳ほどの空間に放り込まれ、周りを竹の柵で囲われている。私たちはこの柵(というより檻)の外から遠目で眺めることしかできず、動物園、もしくは見世物小屋のようだった。

友人と私は「おそらくここがピークだね」と目を合わせ、ショドルバリを後にすることにした。もしかしたらピークは入り口の建物だった可能性すらある。でもそこには互いに触れなかった。

驚いたのは、この博物館がバングラ人にとっても、有名な観光地だったということ。写真からは伝わりにくいかもしれないが、結構な混み具合だった。学生の社会科見学っぽい集団は沢山いるし、カップル、家族連れ、NGOっぽいグループ、警察の一団など、とにかく人、人、人。どこに行っても人の波が途切れない。

ダッカを抜け出しちょっと落ち着いた所へ……なんて期待していた自分が甘かった。まあ、これもまたバングラらしくて憎めないのだが。

出口に向かうまでの間、またもやセルフィー攻めに遭いながら、私たちはようやく本日のメインである「廃墟となった大航海時代の黄金の都」、パナム・ナガールへ向かった。

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